レクサスLX600エクゼクティブは、その圧倒的な存在感と高級感で周囲の視線を集めるラージサイズSUVです。
引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)
しかし、その所有には相応の維持費がかかります。
本レビューでは、実際のオーナー経験をもとに、税金・保険代・ガソリン代・車検費用・駐車場代などを細かく分解し、年間およそ100万円にのぼる維持費の内訳を徹底解説します。
加えて、想定条件ごとのシミュレーション、節約の打ち手、見落としがちな追加費用まで深掘り。購入を検討している方は、車両価格だけでなく“毎年の現実”を把握しておきましょう。
記事のポイント
- 年間維持費は実体験ベースで約102万円。主要コストは「燃料」「保険」「車検/法定費用」。
- 走行距離・地域(駐車場)・等級/年齢(保険)で年間20〜40万円のブレが出る。
- 22インチより20インチ、加速抑制・空気圧管理・保険特約見直しで二桁万円の削減余地。
- タイヤ・バッテリー・ブレーキなど“年に一度ではないが重い出費”も周期で確実に来る。

新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
私自身、一括見積もりサイトを活用したことで、ホンダヴェゼルからレクサスRXに乗り換えることができました。
レクサスLX600の恐るべき年間維持費の総額と概要
レクサスLX600の年間維持費は100円以上
レクサスLX600(排気量3.5Lツインターボ)の年間維持費は、筆者の実体験では約102万円に達します。この金額は単なる目安ではなく、実際に所有・運転してきた経験から導き出した現実的な数字です。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)
高額になる主な要因
まず、3.5Lという大排気量ゆえに税金が高額です。次に、2.7t級の巨体とターボの組み合わせにより、日常域の燃費はどうしても厳しめ。さらに、LX600は盗難リスクが高く、車両保険を含めた任意保険料が上振れしやすい傾向があります。都市部では駐車場代も重く、これらが積み重なって年間100万円超えとなるのです。
他の大型SUVとの比較
同クラスのトヨタ・ランドクルーザーや海外高級SUVと比べても、維持費は同水準かやや高め。特に燃料費と保険料はクラス全体で高額になる傾向がありますが、レクサスブランドのサービスや装備による付加価値が加わるため、所有満足度は高い反面、出費の覚悟が必要です。
年間維持費を抑える工夫
年間維持費を抑えるには、セカンドカーでの街乗りや、保険プランの見直し、燃費の良い走行習慣の徹底が効果的です。また、駐車場代やメンテナンス費用を抑える工夫も重要で、これらを実践すれば10万〜20万円程度の削減が見込める場合もあります。
年間維持費の主な内訳表
項目 | 年間費用(円) | 想定条件の一例 |
---|---|---|
自動車税(種別割) | 57,000 | 3.5L区分/一般的な自家用登録 |
任意保険 | 180,000 | 20等級・35歳以上・車両保険一般条件・盗難/自然災害含む |
車検(年割換算) | 100,000 | ディーラー入庫・法定費用+基本整備を2年で割戻し |
ガソリン代 | 600,000 | 年15,000〜20,000km・実燃費5〜6km/L・ハイオク想定 |
駐車場代 | 84,000 | 月7,000円(郊外マンション自走式) |
合計 | 約1,021,000 | — |
レクサスLX600の維持費各費用の詳細解説
自動車税(排気量×毎年の固定コスト)

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)
税額の考え方
排気量3.5Lクラスに該当するため年額57,000円。毎年5月頃に納付書が届きます。排気量が上がるほど税額も上がるため、LXのような大排気量車は固定費のインパクトが大きめです。
増減要因と注意点
- 13年超の経年で重課対象になると税額が増える可能性。
- 名義や用途の区分変更、減免制度の有無は自治体で取り扱いが異なるため、引っ越し時は要確認。
オーナー視点の所感
毎年必ず来る“固定費の象徴”。ここは節約余地が小さいため、他項目で削るのが現実的です。
任意保険(盗難リスク×車両保険が鍵)
見積もり条件の例
- 等級・年齢:20等級/35歳以上限定/ゴールド免許
- 補償:対人・対物無制限、車両保険(一般条件)、弁護士費用・個人賠償・ロードサービス特約
- 免責:1回目10万円・2回目10万円 など この条件で年間18万円前後。年齢が若い・等級が低い・都市部在住・走行距離が長い・駐車環境が屋外などで25〜30万円も十分ありえます。
上振れ/下振れ要因
- 上振れ:盗難・部品盗の多発地域、車両保険の補償範囲拡大、運転者限定なし、記名被保険者の年齢が若い。
- 下振れ:ドライバー限定/家族限定、運転者年齢条件の最適化、免責設定、ドラレコ割引、複数契約割引(火災保険等と同社でまとめる)。
節約のコツ
- 走行距離区分のある商品なら、実走に近い区分へ。
- 車対車限定の車両保険は保険料が下がるが、単独事故・当て逃げ・自然災害のカバーが薄くなるため“安さだけ”で選ばない。
- 盗難対策(ハンドルロック、OBDガード、物理ロック、GPS)は“保険料”というより“事故率”低下に寄与。高年式LXなら実施推奨。
車検費用(法定費用+整備費の二層構造)
構成内訳の目安(2年ごと)
- 法定費用:自賠責保険、重量税、検査手数料…合計6〜8万円程度(車両重量・環境区分で変動)
- 整備・点検費:基本点検・ブレーキ清掃・フルード・消耗品…12〜22万円程度
- 合計目安:20〜30万円 → 年割換算で約10〜15万円
ディーラー vs 街工場
- ディーラー:部品供給・技術・保証・ソフトアップデート含め安心感が高い。費用は高め。
- 街工場/指定工場:費用は抑えやすいが、純正指定以外の部品や作業品質は店次第。ハイテク装備の多いLXは工場選定が重要。
予防整備の考え方
ブレーキフルード、LLC、ATF/トランスファ・デフオイル、ベルト・ホース類は“壊れる前に替える”が大型SUVの鉄則。突然の高額出費を避けられます。
ガソリン代(走行距離×実燃費×単価)
前提と計算例
- 走行距離:15,000km/年
- 実燃費:5.5km/L(街乗り多め。高速主体なら6〜7km/L)
- 単価:ハイオク 190円/L 前後と仮定 → 年間消費量 約2,727L、約519,000円。遠出が多い/渋滞・短距離が多いと60万円台も現実的。
燃費を落とす/上げる要因
- 悪化要因:22インチ装着、冬季スタッドレス、渋滞路・短距離、ルーフラックやボックス、空気圧低下、急加速。
- 改善要因:20インチ化、空気圧を規定上限寄りで安定管理、荷物の積みっぱなしを減らす、エコラン(一定速・早めのシフト)。
実践的なコストカット
- 普段の買い物・送迎は小型ハイブリッドやEVで代替(“セカンドカー戦略”)。
- 高速はクルコン活用で速度とアクセル開度を安定させる。
駐車場代(地域差が極端に出る固定費)
相場感のレンジ
- 都心商業地:月20,000〜40,000円(機械式はサイズ・重量制限に注意)
- 政令市/人気エリア:月12,000〜25,000円
- 郊外・地方:月0〜10,000円(持ち家/敷地内は0円ケースも)
大型SUVならではの注意
全長・全幅・重量で機械式に入れないケースがあるため、“契約前に実車で入出庫テスト”は必須。ゲートの開口やスロープ角度も要確認。
節約の打ち手
- 住居契約とセット割のある駐車区画を探す。
- 屋根なしより屋根付きのほうがボディ保護になり、長期的な外装維持費(コーティング再施工等)の抑制に効く場合も。
レクサスLX600の突発的な維持費要素(周期的に来る“ドカン”)
タイヤ交換(20〜22インチの重課金ポイント)
コストの目安
- 20インチ(265/55R20級):1セット 20〜28万円
- 22インチ(265/50R22級):1セット 25〜35万円
サイクルと運用
- 交換目安:3〜4万km(重量級×トルク大で減りが早い)
- ローテーション:5,000〜7,000km毎(片減り抑制)
- アライメント調整:年1回 or タイヤ交換時に実施(1〜2万円)
20インチ化のメリット
- 乗り心地の改善・静粛性向上・タイヤ単価の低下・転がり抵抗の軽減(=燃費微改善)と良いことが多い。ルックス重視で22インチにするか、総コストで20インチにするかは価値観次第。
メンテナンス費用(“パック後”が本番)
定期整備の目安(年ベース)
- エンジンオイル/フィルター:1.5〜3万円(走行/粘度/工賃で変動)
- ワイパー/エアコンフィルター:5,000〜15,000円
- ブレーキパッド:フロント/リア合計 6〜12万円(摩耗度合い次第)
- 12Vバッテリー:3〜6万円(アイドリングストップ対応/容量で差)
高額修理を避けるコツ
- 重量級SUVは**“止まるための整備”**を最優先(ブレーキ/タイヤ/足回り)。
- オイル滲みやホース硬化は早めに措置。先送りすると倍々ゲームで出費が膨らむ。
盗難・防犯対策(コスト<被害額)
- ステアリングロック、タイヤロック、OBDガード、2重イモビ、GPSトラッカー。
- 屋内駐車+監視カメラ下での保管。スマートキーの電波遮断ポーチも有効。
- 物理対策は“面倒さの演出”。犯行時間を伸ばすと、狙われにくくなる。
レクサスLX600の年間コストのシミュレーション(走行距離・地域別)
走行距離シナリオ(ハイオク190円/L、実燃費)
- 10,000km/年・6.5km/L:燃料 約292,000円/合計 約79万円
- 15,000km/年・5.5km/L:燃料 約519,000円/合計 約102万円
- 20,000km/年・5.0km/L:燃料 約760,000円/合計 約125万円
駐車場シナリオ
- 郊外0円〜7,000円/月:年 0〜84,000円
- 都市部2.5万円/月:年 300,000円(郊外との差 +21.6万円) → 駐車場だけで年間20万円以上の差。都市部のオーナーはここが最大の固定費増要因。
任意保険シナリオ
- 20等級・35歳以上・車両あり:18万円
- 10等級・30歳・車両あり:25〜28万円
- 6等級・全年齢:30万円超も想定
まとめ
レクサスLX600の年間維持費は、おおよそ100万円超。内訳を見れば、とりわけガソリン代と保険料、そして車検(法定費用+整備)が重い三本柱です。走行距離・地域・等級・駐車環境によっては、同じLXでも年間20〜40万円の差が出ます。
それでもLX600を選ぶ価値は、圧倒的な安全・快適・威厳のある移動体験にあります。賢いのは“欲望に予算を合わせる”のではなく、“予算に合わせて賢く乗る”こと。20インチ化やセカンドカー併用、保険設計の再構築、予防整備の平準化といった手を打てば、二桁万円のコスト最適化は十分に狙えます。所有前にシミュレーションし、所有後はデータ(距離・単価・燃費)で運用をチューニング。これが、ラージサイズSUVをストレスなく味わい尽くすための現実解です。