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【EVで車中泊】テスラモデルYの車内のメリット・デメリットまとめ

車中泊が趣味の方にとって、EVでの一泊は夢でもあり、課題でもあります。特に注目されているのが「テスラモデルY」。

引用 : 価格コム HP (https://kakaku.com/item/K0001215150/)

広々とした車内と最新の空調機能、エネルギー効率の高さが魅力とされています。

今回は実際に富士山のふもとでモデルYに一泊し、車中泊の快適性を徹底検証しました。結果は予想以上に快適で、驚きの連続でした。その詳細を余すことなくレビューしていきます。

記事のポイント
  • モデルYの車内スペースは車中泊に最適
  • エアコンつけっぱなしでもバッテリー消費は意外と少ない
  • ポータブル電源とIH調理器を活用した快適な夜食時間
  • EVだからこそ実現できる静かで快適な就寝環境
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テスラモデルYの車中泊適性を徹底レビュー

広さと構造が車中泊に向いている理由

フルフラット化で確保できる就寝スペース

モデルYは、後部座席を完全に倒すことで、ほぼ段差のないフルフラットな床面が現れます。これは、市販のSUVの中でも特に優れた構造であり、180cm以上の成人男性でも足を伸ばして快適に横になれる広さが確保されています。実際の測定では、荷室長は約185cm、幅は最大で100cm超と、シングルサイズのベッド並みのスペースです。

天井高がもたらす圧迫感のない空間

モデルYの最大の特徴のひとつが天井の高さです。ガラスルーフの採用により、天井の開放感は抜群で、頭上には約100cm以上の空間があり、就寝中の圧迫感がまったくありません。着替えをしたり、寝返りを打ったりする動作もスムーズに行えるのは、天井の余裕あってこそです。

ガラスルーフで楽しむ夜空の景色

車中泊で意外と重要なのが“夜の景色”。モデルYのガラスルーフはその点でも大きな魅力を発揮します。星空や朝焼け、さらには富士山のシルエットまで、寝転んだまま見られる贅沢な環境。まるで屋根付きの展望デッキに寝ているような感覚で、非日常的な体験ができます。

シート形状と構造の工夫

シート自体の形状も車中泊に最適化されています。背面がフラットに近く、シートを倒したときに凹凸が生まれにくい構造になっているため、マットを敷くだけで十分な就寝空間が完成します。さらにシートの接続部分も密着度が高く、寝心地を損なうような隙間ができにくい点も魅力です。

総合的に見た広さのバランス

他のEVやSUVと比較しても、モデルYは長さ・幅・高さすべてにおいてバランスのとれた寸法を持ち、都市型SUVでありながらもアウトドア利用にも耐える設計となっています。そのため、ソロキャンパーはもちろん、夫婦や親子2人での車中泊にも柔軟に対応できる懐の深さがあります。

マットレス選びが快適性を左右する

テスライク社製マットの特徴と強み

筆者が実際に使用しているのは、テスライク社製のテスラ専用マットです。

このマットはモデルYの荷室にジャストフィットするサイズで設計されており、シートを倒した際にできる段差をしっかりと埋めてくれます。特に優れているのは、頭部を支える部分にアルミ製の補強板が入っており、沈み込みや歪みを防止している点です。これにより、仰向けで寝たときの頭の角度が安定し、長時間でも首に負担がかからない構造になっています。

コールマン製エアマットとの相性

加えて活用しているのが、コールマンのエアマット。こちらは厚みと柔らかさのバランスが絶妙で、テスライクのマットと併用することで寝心地が格段に向上します。特に足元の傾斜を補うために、エアマットを少し緩めに膨らませて使用することで、荷室全体がほぼフラットな就寝空間へと変貌します。この工夫により、足先から頭部まで自然な寝姿勢を保つことができ、寝返りもスムーズです。

エアポンプと電源の工夫

このエアマットを膨らませる際には、12Vのシガーソケット電源対応の電動ポンプを使用しています。筆者はエコフローのポータブル電源と接続し、車内でも簡単に空気の出し入れが可能な環境を整えています。これにより、設営も撤収も手間がかからず、より快適で効率的な車中泊が実現できるのです。

マットの横幅と収納性のバランス

いずれのマットも、モデルYの内寸にピッタリ合うサイズ感で作られており、無駄なスペースが生まれないのも大きな魅力です。また、使用しない時はコンパクトに畳めるため、荷物スペースの邪魔になりません。マットの収納性は長距離移動や連泊時にも大きなメリットとなります。

専用設計マットの価値

一般的なマットレスでは対応しきれない車内の微妙な段差やカーブに対し、専用設計のマットはしっかりとフィットし、理想的な寝心地を提供してくれます。車中泊を頻繁に行う人ほど、マット選びの重要性を実感することでしょう。モデルYという車の性能を最大限活かすためには、こうした専用マットの導入が不可欠だといえます。

夜間のエアコン使用も問題なし

就寝時の温度設定と快適性

モデルYの大きな特徴のひとつが、エンジン停止状態でもエアコンを継続的に稼働できる点です。今回は外気温が4℃程度とやや肌寒い状況でしたが、エアコンを23℃設定・風量2で一晩稼働させました。寝ている間も室温は安定しており、寒さで目覚めることもなく、まさにホテルライクな環境を実現できました。

エネルギー消費とバッテリー持ち

驚くべきことに、8時間半という長時間の連続使用にもかかわらず、バッテリーの消費はたったの13%(約6.5kWh)に抑えられていました。これはテスラに搭載された高効率なヒートポンプ式空調システムの恩恵です。従来のガソリン車のようにエンジンを回し続ける必要がないため、騒音も排気もなく、省エネで快適な空間が保てます。

ヒートポンプの実力

テスラのヒートポンプは、外気温が低い環境下でも効率よく熱を取り込み、少ない電力で車内を温める仕組み。寒冷地仕様としても十分に通用する性能を持ち、夜間の車中泊でも安心感があります。実際にこの夜は氷点下にならなかったとはいえ、数℃の差でも車内の温度を一定に保つにはそれなりの制御能力が求められます。その点でモデルYは非常に優秀です。

静音性がもたらす上質な睡眠

EVならではのメリットとして見逃せないのが、圧倒的な静音性。エンジン音が一切ないため、稼働中の空調音すら気にならず、まるで無音の空間で眠っているような感覚に包まれます。この「音の静けさ」は、車中泊において想像以上に睡眠の質に直結します。

車内での安全な空調管理

また、排気ガスが発生しないEVでは、密閉した車内でも一酸化炭素中毒などのリスクを心配する必要がありません。冬場にガソリン車で暖を取る場合には常に換気が求められますが、モデルYなら安心して窓を閉めたまま眠ることができます。これは特に冬の山間部など、外気が冷たい場所での車中泊には大きなメリットです。

バッテリー残量と朝の再確認

起床時に残量を確認すると、バッテリーは29%で、航続可能距離は125km分を残していました。車内の快適性を一晩中維持しながらも、翌日の移動に必要な電力を十分に残していた点は、EV車中泊の実用性を示す結果といえるでしょう。

エコフローで夜食も調理可能

深夜の調理体験:IHクッキングヒーターの活用

車内での夜食には、カップヌードルを調理しました。使用したのはIHクッキングヒーターで、電源はエコフローのポータブルバッテリーから供給。これにより、安全かつ煙の出ない調理が可能になり、深夜でも快適に食事を楽しむことができます。火を使わないので車内でも安心です。

ポータブルバッテリーの出力と安定性

エコフローのバッテリーは、モデルYのシガーソケットから約110Wで充電しつつ、IH調理器へは最大600Wの出力で電力供給が可能。充電しながら電力を放出する”同時入出力”に対応しているため、調理中に電源が切れる心配がありません。実際の使用では、数分で湯を沸かすことができ、必要なエネルギーは最小限に抑えられていました。

他の家電との併用にも対応

このバッテリーはIHヒーター以外にも、LEDランタンやスマートフォンの充電、ノートPCの給電にも活用可能。特に車中泊では、限られた空間でいかに効率よく電源を配分するかが快適性を左右します。エコフローのようなポータブル電源があれば、調理・照明・エンタメすべてを一元的に管理できます。

電源配置と運用の工夫

モデルYのリアラゲッジスペースにはシガーソケットがあり、ここにエコフローを接続して荷室に安定配置。その上に調理機器や照明器具を置くことで、効率的かつ安全な電力運用が実現しました。コードの取り回しも最小限で済むため、車内がごちゃごちゃせずにすみます。

EVとポータブル電源の最強コンビネーション

EVは車内に100Vコンセントがないことが多いため、ポータブルバッテリーとの組み合わせが極めて重要です。エコフローのような製品は、キャンプや災害時にも活用できる点から、日常生活でも非常に汎用性が高いといえるでしょう。今回の車中泊体験では、その利便性と安定性を強く実感しました。

車内での生活空間としての完成度

モバイルシアターのような車内空間

車中泊中はYouTubeを観ながらリラックス。スマートフォンやタブレットをダッシュボードやヘッドレストに設置し、簡易的なシアター空間を作ることで、夜の時間を有意義に過ごせます。モデルYの静かな室内環境と暗がりの中での映像体験は、自宅以上に没入感があります。

圧迫感のない居住性

モデルYの天井はガラスルーフ構造となっており、昼夜問わず明るさと開放感を演出してくれます。特に朝方、自然光が天井から柔らかく差し込む瞬間は、まるでホテルのスイートルームで目覚めるような心地良さを提供します。

自宅同様の快適な温度環境

EVならではの空調性能により、室内温度は常に快適に保たれます。夜間は外気温4℃程度でも、車内は23℃に安定していたため、寒さに震えることなく過ごせました。暑い夏でも同様に冷房が使えるので、オールシーズンで高い快適性が期待できます。

生活動作に対応できる余裕

着替えや荷物の整理、簡単なストレッチ運動など、寝る以外の生活動作も車内で無理なく行える高さと広さが確保されています。身支度や食事の準備など、一泊のあらゆるアクションがスムーズに完結できるのは、モデルYならではの強みです。

ライティングの工夫で居心地アップ

ポータブルLEDライトを活用することで、車内の雰囲気も大きく向上します。読書灯のような柔らかい明かりを調節しながら使えるため、夜間の過ごし方も非常に快適。天井の高さを活かして、クリップ型のLEDを設置することも可能です。

心と体が休まる癒しの空間

全体として、モデルYの車内は単なる移動手段ではなく、リラクゼーションの場としても十分に機能します。音、光、温度、空間、すべての要素がバランスよく整っており、まさに“モバイルリビングルーム”と呼ぶにふさわしい完成度でした。

収納スペースの使い勝手

フロア下収納の実用性

モデルYの荷室には、床下に隠された収納スペースがあり、見た目以上の収納力を誇ります。このスペースには、マットや寝具、折りたたみチェア、ランタン、調理器具といった車中泊ギアをまとめて収納可能。荷室の床面がフラットなため、収納した物が転がりにくく、走行中も安定して運搬できます。

フロントトランク(フランク)の活用

テスラ特有の「フランク(フロントトランク)」も非常に便利な収納場所です。モデルYでは十分な深さがあり、工具類や非常食、ブランケットなどの軽量物を入れておくのに最適。エンジンがないEVならではのこのスペースは、見落とされがちですが非常に実用的です。

サイドポケット・シート裏収納の利便性

後部座席やリアゲートのサイドポケットも活用範囲が広く、スマートフォン、書籍、予備バッテリーなどの小物を整理整頓して収納可能です。また、シート裏には収納ネットを設置することで、すぐに取り出したいグッズをスマートに管理できます。

荷物の積載配置で快適性を維持

道具の積み込み方も重要なポイントです。車中泊中のスペースを確保するためには、荷物の高さと順序を意識したレイアウトが求められます。頻繁に使用するアイテムは手前に、夜間しか使わない物は奥や下段に収納することで、快適な生活動線を確保できます。

長期滞在にも対応できる積載力

1泊2日だけでなく、2泊3日や連泊の車中泊にも対応できる積載力がモデルYの強みです。大型クーラーボックスや電源ユニットなど、通常のSUVでは搭載が難しいギア類も問題なく積み込めるため、本格的なアウトドア旅にも対応可能です。

荷物を隠せるセキュリティ面の配慮

モデルYの荷室にはトノカバー(カーゴカバー)が設置できるため、外部から荷物の中身を見られる心配もありません。観光地や道の駅など、車を離れる場面でも安心して収納品を置いておけます。

収納性と快適性のバランスが優秀

これらの収納機能を活用することで、車内の生活空間をスッキリ保ちながら、必要な物はすべて搭載できるという理想的なバランスが実現します。モデルYは、荷物の積載と居住空間の確保を両立させた、数少ないEVといえるでしょう。

電源供給の制約とその対応

モデルYの電源構造の基本仕様

モデルYには車内に家庭用100Vコンセントが備わっておらず、これは車中泊やキャンプで家電を使いたい人にとっては明確な制約となります。特にIH調理器や炊飯器、電気ケトルといった高出力機器を直接車両から動かすことはできません。これはアウトドアユースを意識した他車種との差を感じる部分でもあります。

他社EVとの比較によるギャップ

たとえば、現代のIoniq5やトヨタのbZ4X、日産アリアなどには、車両本体に100Vコンセント(V2L対応)が用意されており、最大1500W程度の出力が得られる仕様になっています。これにより電気調理器やドライヤー、電気毛布などを車両単体で動かすことが可能です。モデルYはこの点で一歩劣る印象を受けます。

ポータブル電源の活用でカバー可能

ただし、モデルYでもポータブル電源を併用することで、この課題は十分に克服できます。特にエコフローやJackeryのような製品は、家庭用コンセントの出力に対応しつつ、充電しながらの利用も可能。モデルYのシガーソケットやUSB-Cポートからポータブル電源に給電し、蓄えた電力をIHクッキングヒーターやノートパソコンなどに供給するという使い方が現実的です。

利用環境によって選ぶべき電源容量

1泊程度の車中泊であれば、容量500Wh〜1000Whのバッテリーで十分に対応可能ですが、連泊や冬場の電気毛布使用などを想定するなら1500Wh以上のモデルが推奨されます。ポータブル電源をうまく運用することで、モデルYでも快適かつ実用的な電気環境を構築することができます。

今後の改善に期待したいポイント

今後、モデルYのマイナーチェンジや次世代モデルで100Vコンセントが搭載されることを期待する声も多く、EVでのアウトドア利用が一般化する中で、テスラがどのように対応するか注目されます。とはいえ、現状でもポータブル電源の併用で十分に対応できるため、実際の運用上はそれほどの不便は感じませんでした。


テスラモデルYでの車中泊のバッテリーと空調性能を検証

バッテリーの消費量と実測値

実測値からわかる効率の良さ

今回の車中泊では、バッテリー残量が42%から29%に減少しました。これは13%の消費に相当し、OBD情報では約6.5kWhを使用。時間換算すると、1時間あたり760Wという非常に効率的な電力使用量に収まっています。これは家庭用の省エネエアコンと同等、もしくはそれ以下の水準です。

消費電力と走行可能距離の関係

消費された電力6.5kWhに対し、航続距離は56km分減少していました。これはエアコンや補助電源を使用しながらも、消費エネルギーが最小限に抑えられていることを示しています。仮に満充電(約75kWh)であれば、10泊近い車中泊にも理論上は対応可能という高いポテンシャルを秘めています。

外気温の影響を受けにくい制御性能

外気温が4℃程度である中、暖房を一晩中使用したにもかかわらずこの数値に収まった点も特筆すべきです。これはテスラの空調システムが、外気温に応じて最適な制御を行い、不要なエネルギー消費を抑制していることを意味します。

実使用における安心感

翌朝も125km以上の走行可能距離が残っており、「車中泊=電欠のリスクがある」という不安は完全に払拭されました。市街地走行であれば2日程度の活動が可能なバッテリー残量です。緊急時の備えとしても安心できるレベルでした。

ガソリン車との比較で見える優位性

ガソリン車で一晩中エンジンをかけて暖房を使用すれば、燃料を2〜3Lは消費し、アイドリングによるエンジン音や排気ガスの発生も避けられません。これは就寝時の騒音や周囲環境への配慮という点で大きなデメリットとなります。

一方で、モデルYをはじめとするEVでは、エンジンそのものが存在せず、空調は電力で静かに稼働します。音もほとんどなく、排ガスも発生しないため、山中や静かなキャンプ場でも他者への迷惑にならず、自身も快適に過ごせます。

さらに燃料費の面でも、ガソリン1Lあたりの価格が高騰する中、EVの電力消費は1泊あたり数十円〜数百円程度で済むケースが多く、ランニングコストの面で大きな差が出ます。加えて、ガソリン車ではアイドリング中のエンジン劣化や整備コストの増加も避けられません。

このように、静音性・環境負荷・維持費のトータルで比較すると、EVは車中泊用途においてガソリン車よりも明確な優位性を持っていると断言できます。

ヒートポンプの恩恵

ヒートポンプとは何か?

ヒートポンプは、外気の熱を取り込んで室内を温める省エネルギー技術です。冷蔵庫やエアコンに採用されている仕組みと同様で、テスラ車ではこのヒートポンプを車載空調に応用しています。従来の抵抗加熱(ヒーター)方式と比べ、少ない電力で大きな暖房効果を得られるのが特徴です。

テスラのヒートポンプの特徴

モデルYに搭載されているヒートポンプは、寒冷地仕様としても十分な性能を持ち、外気温が0℃近くでも高効率で作動します。これは単に暖かさを保つだけでなく、バッテリーの消費を抑える点でも大きなメリットとなります。実際に今回の車中泊では、氷点下には至らなかったものの、外気温が4℃という条件下で23℃の室温を長時間維持し、快適な就寝環境を作り出しました。

ヒートポンプとバッテリー効率の関係

暖房使用時に消費されるバッテリー量は、EVの航続距離に直接影響します。ヒートポンプは必要なエネルギーを1/2〜1/3に抑えられることもあり、実用面での利便性は非常に高いです。今回の車中泊で消費した6.5kWhという数値も、ヒートポンプがなければ10kWh以上かかっていた可能性があります。

寒冷地での活用性

寒冷地ではエンジン車の暖房効率が高い一方で、EVは電力を直接暖房に使用するため、これまでネックとされてきました。しかしテスラのヒートポンプ搭載車なら、その課題も解消されつつあります。雪国での車中泊やスキー場での仮眠など、過酷な条件下でも安心して暖が取れるのは大きな利点です。

快適性と経済性の両立

ヒートポンプの導入によって、車中泊中の快適性を高めながら、バッテリーの節約にもつながるという経済性も見逃せません。エアコンをつけっぱなしで眠れるという安心感は、アウトドアシーンだけでなく、災害時の避難生活においても大きなアドバンテージとなるでしょう。

空調の安定性と静音性

長時間運転でも安定した温度管理

テスラモデルYのエアコンは、外気温に左右されずに一定の室温を保つ優れた制御機能を持っています。一晩中23℃に設定した状態で、風量「2」で稼働させたところ、起床まで温度のブレを一切感じることはありませんでした。これは温度センサーとソフトウェア制御が高精度に連動しているためで、寒さや暑さで目覚めることがなく、深い睡眠を維持できます。

静音性能がもたらすリラクゼーション効果

エアコン稼働中の音は非常に静かで、耳を澄まさないと風の流れる音も気にならないレベルです。EV特有のエンジン音が存在しないことも相まって、まるで高級ホテルの静音空調の中で寝ているような感覚に包まれます。エアコンの風切り音や振動が一切なく、夜中の静けさがそのまま維持されるのは大きな魅力です。

環境音との調和による快眠

また、周囲の自然音—例えば風のそよぎや虫の鳴き声など—とエアコンの静かな動作音が調和することで、自然の中に溶け込むような感覚も得られます。人工的な音がないことで、耳や神経への負担も少なく、快適な睡眠が得られることが実感できました。

睡眠の質に与えるプラス効果

空調の安定性と静音性は、睡眠の質に直接影響します。寝返りを打つたびに音で目が覚めたり、温度差で起きてしまうといったストレスは一切なく、朝までぐっすりと休めます。これは車中泊において、快適性を大きく左右する重要な要素です。

高温時の冷房でも同様の性能

今回は冬季での検証でしたが、夏季の冷房運転でも同様に高い静音性と安定性が期待されます。暑い中でもクーラーを静かに長時間運転できるEVは、真夏の車中泊においても強力なパートナーとなるでしょう。

車中泊に最適な温度設定

最適な温度設定の目安とは

一般的に、就寝中の最適な室温は21℃前後とされていますが、個人の体感や外気温に応じて微調整することが大切です。今回は外気温が7℃前後という冬場において、車内の設定温度を23℃、風量は「2」にして運転。これにより寒さを感じることなく、快適に一晩を過ごすことができました。

運転モードによる快適性の違い

風量設定「2」は、車内全体に優しく暖気が行き渡る絶妙なバランスです。風量が強すぎると体に直接風が当たって不快に感じることがありますが、この設定では「寒くないけど暑くもない」という理想的な体感温度を維持することができました。

空調とバッテリー消費のバランス

温度を高く設定すればするほど快適性は向上しますが、当然バッテリー消費も増加します。23℃という設定はその中間点にあり、エネルギー効率と快適性のバランスが非常に良い印象を受けました。車内の断熱性や外気温にもよりますが、1晩での消費は13%程度に収まっていたことからも、その効率の高さがうかがえます。

季節・場所に応じた調整のすすめ

春や秋などの中間期であれば21℃設定でも問題なく過ごせることが多く、逆に氷点下の環境であれば24〜25℃まで設定温度を上げることも視野に入れると良いでしょう。また、寝具や服装によっても体感温度は大きく変わるため、自分のスタイルに合わせた温度調整を試すことが重要です。

快適性を最大化するための補助要素

温度設定だけでなく、断熱シートや厚手のカーテンを活用することで、熱の逃げを防ぎ、設定温度の効率をさらに高めることが可能です。また、風向きの調整や内循環モードの活用も、冷気の侵入を防ぎながら暖気を維持する工夫として効果的です。

EVならではの静音性

エンジンレスが生み出す究極の静けさ

ガソリン車ではエンジンをかけっぱなしにしないと空調を維持できませんが、その間は常にエンジン音が発生し、夜間の静けさを妨げてしまいます。対してEVはエンジン自体が存在しないため、空調稼働中も無音に近い状態を実現。都市部はもちろん、自然に囲まれた静かなキャンプ場などでも、周囲の音を邪魔せず、空間の静けさをそのまま楽しめます。

無臭・無振動という快適性

EVは排気ガスが発生しないため、車内にこもる不快な臭いや、外部へのにおいの配慮が不要です。また、エンジンの振動もゼロなので、車中泊中に振動で目が覚めるといったストレスとも無縁。これは睡眠の質を高める大きな要素であり、「車で寝ている」という感覚を忘れるほどの安定感を生み出します。

就寝前・起床時の快適な静寂環境

夜の就寝時や、早朝の目覚め時に感じる“しん”とした静けさもEVならでは。自然の音に包まれながら眠りにつき、朝は鳥のさえずりで目覚めるような体験が可能になります。車内で目を閉じれば、そこが移動手段であることすら忘れてしまうほどの落ち着いた空間です。

精神的リラックスへの貢献

静かな空間は、心を落ち着ける上でも非常に重要な要素です。エンジン音や振動に晒されることがないEVでは、リラックス効果が高まり、仕事や日常の疲れを癒すには最適の空間になります。結果として、深い眠りとすっきりとした目覚めが得られ、次の日の行動にも良い影響を与えてくれます。

騒音問題への配慮が不要

さらに、アイドリング音がないということは、近隣の迷惑を気にする必要がなくなるということでもあります。キャンプ場やRVパーク、住宅地付近での仮眠など、場所を選ばず車中泊がしやすいのもEVならではの恩恵です。

モデルYの航続距離とのバランス

車中泊1泊での消費データと実感

今回の車中泊では、夜間8時間半の滞在でバッテリーの消費は13%(約56km相当)に留まりました。この結果から逆算すると、満充電(航続距離500km程度)であれば、空調・照明・IHクッキングヒーターなどの電力使用を含めても2泊程度は十分に可能なことがわかります。

気温と消費電力の関係

外気温は最低で4〜5℃程度でしたが、ヒートポンプ式の高効率空調のおかげで消費電力はかなり抑えられました。極寒地や真夏など過酷な条件では消費は増えると予想されますが、それでもモデルYのバッテリー容量ならある程度の余裕があると見てよいでしょう。

EVならではの強み「滞在可能距離」

EVの航続距離は「移動距離」だけでなく、「滞在可能距離」としての評価も重要です。モデルYの場合、車中泊中に暖房をつけっぱなしにできる利点があり、しかもその状態でも消費は1時間あたり約760Wh前後に抑えられました。これはガソリン車では実現しづらい“静かで快適な滞在”を可能にする要素です。

1泊2日超でも安心な電力マネジメント

消費電力量の目安が明確になったことで、たとえば出発前に90%以上の充電をしておけば、2泊3日の中距離キャンプや車中泊旅行でも、途中での充電なしで対応できる可能性があります。万が一バッテリー残量が少なくなっても、スーパーチャージャーの利用やエコフローのような外部電源との併用で柔軟に対応できます。

他EVとの比較でも優位なポイント

国内の軽EV(例:日産サクラ)やミッドサイズEV(例:アリア、bZ4X)に比べて、モデルYはバッテリー容量・航続距離ともに余裕があるため、車中泊用途においては「バッテリーが切れそうで不安」という心理的ストレスが圧倒的に少ないのも特徴です。

他車種との比較による課題点

唯一の弱点は、前述の通り家庭用100Vコンセントの非搭載。これは他社EVと比較した際の明確なマイナス点であり、キャンプやアウトドア用途を強く意識するなら改善の余地があります。


まとめ

テスラモデルYは、その広い居住空間と高性能な空調、そして効率的な電力管理によって、車中泊に非常に適したEVです。エアコンをつけっぱなしで朝まで快適に眠れ、IH調理器なども使える自由度の高さは、EVならではの魅力。天井高や荷室の広さも相まって、まるで小さなホテルのような快適空間が広がります。

一方で、家庭用コンセントがない点はデメリットとして残りますが、ポータブル電源との併用で十分に補えます。全体的に見れば、モデルYは車中泊を楽しみたい方にとってベストな選択肢の一つ。EVの新しい使い方として、ぜひそのポテンシャルを体感してみてください。

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