ランドクルーザープラド(以下、プラド)は、トヨタの本格SUVとして世界中で高い人気を誇る車種です。
引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/ucar/catalog/brand-TOYOTA/car-LAND_CRUISER_PRADO/202106/10138740/)
しかし、国内外のユーザーからは「高級車」として見られることもあれば、「庶民派の実用車」との声もあり、その立ち位置には幅があります。
この記事では、プラドの各国でのイメージ、高級感に対する評価、ライバル車との比較、そしてランドクルーザー300との関係性を徹底的に分析。
「プラドは高級車なのか?」について徹底レビューしていきます。
記事のポイント
- プラドの国別イメージ(日本・アメリカ・欧州・中国・中東)を詳しく分析
- プラドは高級車か?高級感に関する世間の肯定的・否定的な意見
- プラドとライバル車(Jeep、ディスカバリー、パジェロなど)との比較
- プラドとランドクルーザー300の違いと所有者同士の意識差
以下関連記事をまとめています。参考にご覧ください。
ランクル プラドは高級車?庶民の車?世界各国でのイメージと評価
日本におけるランドクルーザープラドのイメージ

日本ではプラドは「ファミリーカーでありながら高級感もあるSUV」というイメージが強く、街乗りにもアウトドアにも対応できる万能車として高く評価されています。特に都市部ではその存在感とサイズ感、ブランド力から“ちょっといい車”として認識されがちです。
高年収層・経営層からの支持
都市部や郊外での実際の所有者層を見ても、プラドは単なる実用車に留まらず、年収1000万円以上の層や中小企業経営者にも人気があります。法人名義での登録も多く、営業車というよりは“役員車”や“レジャー兼用車”としての使われ方が多いのが特徴です。
ファミリーカーとしての堅実な選択肢
プラドは3列シートの設定もあり、大人数乗車が可能なため、子育て世帯やキャンプファミリーからの支持も厚いです。また、乗り降りしやすいステップ位置や車高調整機能など、女性ドライバーにも配慮された設計がなされています。
ステータスシンボルとしての側面
特に地方都市においては、「プラドを所有している=成功者」といった空気感があり、他人の視線を意識した“見せる車”として選ばれることも多くあります。近所の目、職場での印象といった“ドヤ感”を重視した選択としての需要も根強いです。
- 高年収層のセカンドカーとしての需要も高い
- ファミリー層からの信頼性評価が非常に高い
- リセールバリューが極めて良好で“資産性”も認識されている
- 地方都市では“ドヤれる車”としての人気も高い
ヨーロッパでのプラドのイメージ

ヨーロッパでは、プラドは主に「信頼性の高いオフローダー」として見られています。特にフランスやドイツなどでは、プレミアムSUVとしての認知よりも、道具としての堅牢性や信頼性が重視されます。
実用性重視のユーザー層
農村部や登山地帯など、過酷な気候・地形で日常的に車を使うユーザーには特に支持されています。高い走破性とメンテナンスのしやすさが評価され、法人利用も盛んです。
高級感よりも耐久性評価
メルセデス・ベンツやBMWのような”洗練された高級車”ではなく、あくまで”壊れにくく使える”という安心感が魅力。特にドイツでは、道具としての性能を重視する層に好まれています。
官公庁や警察機関での採用実績
一部の国ではプラドが警察車両や公共機関車両としても採用されており、その信頼性が裏付けられています。
- ヨーロッパでは“ラグジュアリー”よりも“ツール”という位置づけ
- 法人・軍用としての導入事例も多く、堅牢性重視
アメリカでのプラドのイメージ

アメリカでは「Lexus GX」として販売されており、プラドとは異なるブランド戦略のもとで展開されています。そのため、“本格ラグジュアリーSUV”としてのポジションが明確です。
レクサスブランドとしての高級感
Lexus GXは内装に本革やウッドパネルを多用し、静粛性や快適性にも配慮された設計が施されています。その結果、ファミリー層だけでなく、セレブリティやビジネスエグゼクティブ層にも好まれる車種となっています。
V8搭載のパワートレインが支持される理由
北米ではトルクフルなV8エンジンが高く評価されており、オフロード用途だけでなく高速道路での巡航性能も好印象を持たれています。
プラドとしての知名度は限定的
一方で“プラド”という名称自体は一般にはあまり知られておらず、あくまで「Lexus GX」としての認知が強いため、トヨタのオフローダーとしての価値は伝わりにくい側面もあります。
- トヨタブランドよりレクサスGXとしての評価が主流
- 高級SUVとしてセレブ層からの支持も一定数ある
中国におけるランドクルーザープラドのイメージ

中国では自動車の所有が一種のステータスとされており、特にSUVは「成功者の証」として位置づけられています。プラドもその例に漏れず、“社会的成功を示すツール”として高い評価を受けています。
ハイエンドSUVとしての扱い
中国では並行輸入車も含め、プラドの価格が非常に高額になる傾向にあり、それがむしろ高級感を強調する要因になっています。また、現地のトヨタディーラーでも上級モデルとして展示されており、販売方法やプロモーションもプレミアム仕様です。
セレブや経営者層の所有者多数
WeiboやDouyin(中国版TikTok)などのSNSでは、地方の成功した企業家や芸能人がプラドに乗る様子が投稿されており、若年層にも“憧れの車”としての地位を築いています。
資産価値の高さも重要視
中国市場ではリセールバリューが重視される傾向が強く、プラドの値落ちしにくさが所有の後押しになっています。
- 成功者の証としてのイメージが強い
- 高価格帯でも需要があり、所有欲を満たす車種
中東諸国におけるプラドのイメージ

中東ではトヨタのSUVは“信頼性の象徴”であり、プラドはランドクルーザー300よりも価格帯が手ごろな“実用的な高級車”として高く評価されています。
過酷な砂漠環境に適した走行性能
サウジアラビアやUAEなどの地域では、砂漠地帯での走破性が重視され、プラドはその性能面で非常に高い信頼を得ています。現地の整備士からも「壊れにくく修理しやすい」と評判です。
政府・軍・企業車両としての実績
オイル企業や国営企業の社用車、さらには軍用車両としてもプラドが採用されており、公的機関からの信頼も厚いです。
ファミリー層からの厚い支持
家族での長距離移動が多い文化において、室内空間の広さやエアコン性能の高さも重要視されています。プラドはそのどちらも高水準にあるため、日常使いから旅行まで幅広く活躍します。
- 王族や政府関係者の移動車としての採用もある
- トヨタブランドに対する圧倒的な信頼感
ランクル プラドは高級車なのか?
プラドはエントリークラスの高級SUV
結論から言えば、プラドは“高級SUVのエントリークラス”に位置づけられる車種です。

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/ucar/catalog/brand-TOYOTA/car-LAND_CRUISER_PRADO/202106/10138740/)
価格帯や装備、ブランド力などから完全なプレミアムSUVではないものの、「トヨタの中では上級志向」という立ち位置です。
車両価格と装備内容から見る「高級SUV」の定義
一般的に高級SUVとされるのは、車両本体価格が700万円以上、内装に本革や木目パネルを使用し、最新の安全装備やエンターテイメント機能が充実しているモデルです。プラドはその中で500万円台〜という価格設定で、装備内容は必要最低限を抑えたミドルグレードと、豪華装備を追加した上位グレードに分かれます。
プラドの「上級グレード」が見せる高級感
特にTZ-Gなどの上位グレードは、ナッパレザーやサンルーフ、専用19インチホイールなどが装備され、見た目にも上質さが強調されています。また、オプション装備を追加すれば700万円近い価格になるため、街中でも“高級車”としてのオーラを放ちます。
ただし本物のラグジュアリーSUVとは一線を画す
とはいえ、メルセデス・ベンツGLEやBMW X5、レクサスLXなどと比べると、ブランドの格やインテリアの緻密さ、走行性能の滑らかさなどに差があります。この点で、プラドは“プレミアムSUVの入口”としての役割を担っているとも言えます。
- 車両価格帯:500万円台〜(グレードによる)
- 高級感の源泉:外観デザイン、内装質感、ブランドイメージ
ランクル プラドの高級感に関する肯定的・否定定期な意見まとめ
肯定的な意見:プラドの高級感を評価する声
外観の存在感と重厚なデザイン
プラドはフロントグリルや全体のシルエットが堂々としており、「パッと見た瞬間に高級感を感じる」といった声が多く見られます。特に黒系ボディカラーにメッキパーツが組み合わさると、都市部でも際立つ存在感を放ちます。
- 「威圧感のあるフロントフェイスが高級感を漂わせる」
- 「ボディサイズが大きく、他車と並ぶと一段格上に見える」
内装の質感と快適性

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/ucar/catalog/brand-TOYOTA/car-LAND_CRUISER_PRADO/202106/10138740/)
上級グレードにおけるナッパレザーシートや木目調パネル、静粛性の高いキャビン空間は、「国産車の中では随一の上質さ」と評価されることもあります。また、シートヒーターやベンチレーション、電動調整など快適装備も充実。
- 「内装の質感や装備が十分に上質」
- 「長距離移動でも疲れない座り心地が素晴らしい」
コストパフォーマンスの良さ
輸入SUVと比較すると価格は抑えられている一方、オフロード性能や内外装の仕上がりにおいては同等以上という意見も。結果として「この価格でこの質感はお得感がある」と考えるユーザーが多いです。
- 「価格帯を考えればコスパに優れる高級SUV」
- 「リセールも良いので実質的な負担が少ない」
否定的な意見:プラドの高級感に懐疑的な声
内装の素材・仕立てに対する不満
特に輸入高級SUVと比較した際、「プラドの本革は柔らかさや香りが物足りない」「ウッドパネルが本物ではなくプリントで安っぽい」といった指摘が見られます。価格帯を考えれば仕方ないという意見もありますが、見た目以上に手触りや感触を重視する層には響きにくい部分です。
- 「本革シートでも質感が欧州車と比べて劣る」
- 「木目調パネルがチープでプラスチッキー」
テクノロジー面の遅れ
プラドのインフォテインメントシステムやデジタルメーター類は、競合輸入車と比べて古さを感じる部分が多く、「画面が小さい」「操作レスポンスが遅い」などの声が挙がります。特に若い世代やデジタル機器に敏感なユーザーには見劣りすると言われています。
- 「インフォテインメント系の装備が古く感じる」
- 「ナビの地図更新が有料なのが時代遅れ」
エントリーグレードの装備差
TXグレードなどのエントリーモデルは、内装に布シートを採用し、装備も簡素化されています。そのため「プラドなのに装備がチープ」というギャップに驚くユーザーも少なくありません。見た目は同じでも“乗ると違う”という印象を持たれるケースが多いです。
- 「エントリーモデルの内装がチープ」
- 「外観と価格のわりに中身が伴っていないと感じる」
ランクル プラドと他社ライバルとの比較
ライバル車との比較①:ランドローバー ディスカバリー
外観と内装のラグジュアリー感
ランドローバー ディスカバリーは、外観デザインに曲線を多用し、都会的で洗練された雰囲気を持っています。また、インテリアには本革やリアルウッド、アルミニウムなどの高級素材が多用されており、乗り込んだ瞬間の「上質さ」の体感はプラド以上という意見が多く見られます。
- ディスカバリーの方がインテリアのデザイン性と素材感に優れる
- フローティング式のセンターコンソールなど先進的な印象も強い
価格とグレード構成の違い
ディスカバリーは800万円台から1000万円超まで幅広い価格帯で展開されており、プラドと比べて明らかに“上のレンジ”に属するモデルです。標準装備での快適装備や安全装備の内容もプラドより上回ることが多いです。
- ディスカバリーは高級SUVとして完全に差別化されている
- 装備や価格の水準が異なり、直接比較は難しいという声も
維持費・信頼性・リセールの優劣
ただし、ランドローバー車は電子トラブルや維持費の高さが懸念材料であり、信頼性という面ではプラドが大きく優位です。また、日本国内でのリセールバリューもプラドの方が安定しており、総コストで見ると“賢い選択”としてプラドを支持する声も根強いです。
- 維持費・整備性ではプラドが圧倒的に有利
- ディスカバリーは見栄えやブランド力、プラドは実用性とコストバランスで評価されている
- 外観や内装の質感はディスカバリーに軍配
- 価格もプラドより高く、完全な高級SUVとされる
- 一方、整備性や維持費ではプラドが勝る
ライバル車との比較②:ジープ グランドチェロキー
デザインとブランドイメージの違い
ジープ・グランドチェロキーは、アメリカを代表するSUVブランドとして高い知名度を誇ります。直線的でタフなデザインは本場アメリカのSUVらしさを象徴しており、「走破性の高さ」と「威厳あるスタイル」の両立が魅力です。
- グランドチェロキーはアメリカらしいタフなデザインが人気
- プラドはより控えめで実用性を前面に出したデザイン
装備と快適性の比較
上位グレードのグランドチェロキーには、レザー内装や大型タッチスクリーン、パノラミックサンルーフなど先進的な装備が搭載されており、快適性においてプラドを上回る面もあります。ただし、機能の操作性や耐久性ではプラドの方が安心感があるという声も。
- グランドチェロキーはインフォテインメントの充実度が高い
- プラドは長期間の使用での信頼性が評価されている
信頼性・維持費・リセールの違い
グランドチェロキーはデザイン性や装備で魅力がある一方、リセールバリューや故障頻度ではプラドに軍配が上がることが多いです。日本国内での整備ネットワークの差もあり、総合的な安心感ではプラドを選ぶ人が多い傾向にあります。
- プラドはリセールの強さと信頼性で有利
- グランドチェロキーは一部ユーザーから「魅力的だが不安もある」との声
- グランドチェロキーはアメリカでの人気が高く、デザイン性も高評価
- プラドは信頼性やリセールで優勢
ライバル車との比較③:三菱パジェロ(生産終了)
かつての「オフロード王者」パジェロの存在感
かつて三菱パジェロは、パリ・ダカールラリーなどで輝かしい戦績を持ち、日本のSUV市場でプラドの最大のライバルとされていました。堅牢なシャシー構造と優れた悪路走破性能で、オフロードユーザーから絶大な支持を受けていました。
- パジェロは過酷なレース実績による信頼が高かった
- プラドと共に“本格SUV”の代名詞だった
モデル終焉とプラドの台頭
2019年にパジェロが国内生産終了したことで、プラドはそのポジションを実質的に引き継ぐ形となりました。現在では“パジェロの遺志を継ぐSUV”と呼ばれることもあり、かつてのユーザーが乗り換える例も多いです。
- パジェロ終了後の選択肢としてプラドが筆頭に
- プラドは“信頼のトヨタ”として安定供給されている
ブランドとしての差別化
三菱は近年SUV市場での存在感をやや失いつつある一方、トヨタはランドクルーザーやハリアーなど複数のラインを持ち、ブランドとしての厚みがあります。この差が、現在のプラドの優位性を支えているとも言えます。
- トヨタのブランド力が継続的な信頼性を確保
- パジェロの名残は今も多くのユーザーの記憶に残る
- パジェロは一時期「オフロードの王者」だったが、既に終了
- プラドはその後継的存在として市場での地位を拡大
ランドクルーザー300との比較:上位モデルとの違い
車両価格と装備内容の差
ランドクルーザー300は新車価格で最低でも700万円台〜、上位グレードでは1000万円を超える設定となっており、プラド(500万円台〜)とは明確な価格差があります。内装も高級感が際立ち、セミアニリン本革シートや本木目パネル、大型12.3インチディスプレイなどが標準または選択装備として提供されており、贅沢な仕様です。
- 価格差は約200〜300万円以上(グレードによる)
- ランクル300は内装素材・装備面で上位互換的存在
エンジン性能と走行フィーリングの違い
プラドは直列4気筒2.8Lディーゼルターボエンジン(最大出力204PS)が主力である一方、ランクル300はV6 3.5Lツインターボ(最大出力415PS)を搭載。加速性能や静粛性、パワフルさでは歴然とした違いがあり、より高級車らしい乗り味を求める層にはランクル300が選ばれます。
- ランクル300は加速性能・静粛性ともに上位
- プラドは経済性と耐久性に優れるバランス型
所有者同士での“格差”と心理的ギャップ
同じランドクルーザーシリーズでありながら、300系とプラド系の間には明確な“ヒエラルキー”が存在します。ランクル300オーナーがプラドオーナーに対して“下位モデル”として見てしまうケースもあり、一部ではSNS上で比較やマウント合戦が見られることも。
- ランクル300オーナーにとっては“真のランクル”という自負
- プラドは“ランドクルーザーの血を引く実用SUV”として独自のファン層あり
購入後の維持コスト・実用性
ランクル300は車格に見合った維持費がかかる(タイヤ代、税金、燃料代など)ため、実用面ではプラドの方が日常使いしやすいという意見も多いです。住宅街での取り回しや駐車場事情など、日本の都市環境ではプラドのサイズ感がちょうどよいという声も。
- プラドは“使える高級車”という立ち位置で評価
- ランクル300は“所有する喜び”を追求したモデル
まとめ
ランドクルーザープラドは、トヨタのSUVラインナップの中では確かに“高級寄り”のポジションにあります。ただし、欧州車やレクサスほどの圧倒的なプレミアム感はなく、あくまでも「信頼性」「実用性」「ブランドイメージ」に支えられた“堅実な高級SUV”という印象です。国ごとにプラドに対する評価は異なりますが、共通しているのは「長年愛される確かな価値」があるということ。プラドは“庶民の手が届く高級感”を体現した1台であり、その立ち位置こそが多くのユーザーに選ばれる理由と言えるでしょう。