レクサスのフラッグシップミニバン「レクサスLM」。圧倒的な高級感と専用設計による快適性を備え、多くの注目を集めています。
引用 : TOYOTA HP (https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/42650642.html)
しかし、最新の業者オークション相場を見ると、そのリセールバリューに大きな懸念が生じていることが明らかに。
この記事では、レクサスLM各グレードの残価率や最新の落札相場、そしてリセールを左右する要因について徹底解説していきます。
記事のポイント
- レクサスLM各グレードの最新リセールバリューを表付きで解説
- リセールが低い理由と今後の見通しを考察
- モデリッサやサンルーフなどのオプションが残価に与える影響
- LMとアルファード/ヴェルファイアとのコスト・価値比較
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レクサスLMの最新リセールバリュー事情
レクサスLM|500h エグゼクティブのリセール実態
2025年式「500h エグゼクティブ」は4人乗りの超高級仕様。新車総額は約2,200万円に対し、1年落ち・1km走行車の買取相場は約1,587万円。残価率は72%で、 1年で約614万円の下落。つまり、月々平均で約51.1万円ずつ資産価値が失われている計算になります。これほどの下落率はレクサスブランドでも珍しく、リセール重視のユーザーにとっては明確なマイナス材料といえます。

引用 : TOYOTA HP (https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/42650642.html)
この価格帯の車両は法人名義での登録も多く、1年〜2年程度での乗り換えを前提に購入されることが多いですが、その場合の減価リスクは非常に大きいです。また、法人利用の場合はリセールも経費回収の重要なポイントとなるため、こうした下落幅は経営上も無視できません。
さらに、中古市場における500h エグゼクティブの流通量は限られており、流動性が低いことも買取価格の伸び悩みの要因になっています。高額なラグジュアリーミニバンという性質上、購入層が限定的であることがリセールの安定性を欠く一因となっているのです。
グレード名 | 新車総額 | 1年後買取相場 | 年間下落額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|
500h EXEC | 2,201万円 | 1,587万円 | -614万円 | 72% |
このクラスでは驚異的な下落率。リセールバリューが購入判断に影響を与えるユーザーにとって、再考が必要です。
レクサスLM|500h バージョンL(6人乗り)のリセール
対して「500h バージョンL」は6人乗り仕様。新車総額は約1,665万円。未走行車での買取相場は約1,553万円と残価率93%。この数値は、新車購入後すぐに売却した場合でも、価格が大きく下がらないことを示しています。法人需要やファミリー需要の高さ、さらにはエグゼクティブよりも実用性が高く、内装仕様も万人受けしやすいという点が評価されています。

引用 : TOYOTA HP (https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/42650642.html)
ただし、1年1km走行になると約1,397万円にまで落ち、残価率は**84%**と推移。年間下落額は約268万円、月平均で約22万円の資産価値減という計算になります。このクラスにしては比較的緩やかな減価に収まっており、LMの中では最も安定したリセールバリューを誇っていると言えるでしょう。
また、バージョンLは流通量も多く、買取業者が安心して買い取れるモデルであることも、価格の安定に寄与しています。
グレード名 | 新車総額 | 未走行買取相場 | 1年後買取相場 | 年間下落額 | 残価率 |
500h Version L | 1,665万円 | 1,553万円 | 1,397万円 | -269万円 | 84% |
このように、同じ車種であってもグレードによって資産価値に差が出ることが明確です。
レクサスLM|モデリスタ装着車の影響
今回の査定対象車の多くにモデリスタ(+60万円)が装着。これにより買取相場が底上げされていますが、非装着車は最大90万円も査定額が低下する可能性があります。
状態 | 買取相場差額 |
モデリスタ装着 | ±0万円 |
モデリスタ非装着 | -90万円 |
ただし、モデリスタは後付け可能であり、メーカーオプションと比べると残価に直結しにくいことも理解しておくべきでしょう。実際のところ、モデリスタはドレスアップ目的で装着されるケースが多く、車両性能や快適性に大きな影響を与えるわけではないため、買取価格への影響は限定的です。
加えて、中古車市場では「純正ノーマル仕様」を好むユーザーも一定数おり、過剰なエアロ装備がマイナス査定となるケースも存在します。そのため、リセールを意識するのであれば、モデリスタ装着車を高値で売却できるタイミングを見極めるか、装着しない選択も視野に入れる必要があります。
レクサスLM|残価率が高く見えても損失額は大
レクサスLMは絶対価格が高いため、たとえ残価率90%でも損失額は数百万円に達します。特に注意すべきは、他の高級SUVやセダンと異なり、LMは構造的に汎用性が限られているため、中古市場においてリセールを維持しづらいという点です。
さらに、レクサスLMのようなワンボックススタイルの高級車は海外輸出での需要も比較的少なく、国内需要のみに依存する形になることが多いため、相場の変動にも左右されやすくなります。そのため、法人・個人問わず購入の際には「手放す時の出口戦略」までを想定して検討することが重要です。
以下は残価率別の損失額シミュレーションです:
新車価格 | 残価率 | 実質損失額 |
2,200万円 | 90% | -220万円 |
2,200万円 | 80% | -440万円 |
2,200万円 | 70% | -660万円 |
数字のトリックに惑わされないよう注意が必要です。
レクサスLM|初期プレミア相場はすでに崩壊
登場初期にはプレミア価格で取引されたLMも、現在は完全に相場安定化。初期の数台は2,300万円以上の落札実績も見られたものの、今では2,000万円を下回る買取価格も珍しくなくなっています。つまり、デビュー直後に飛びついたユーザーの中には、わずか1年以内で300万円〜600万円以上の損失を抱える結果となっているケースも存在します。
これは需要と供給のバランスが崩れたこと、そしてアルファードやヴェルファイアといった兄弟車の圧倒的なリセール性能に相場が引き寄せられていったことが要因とされています。したがって、今後もこの傾向は続く可能性が高く、短期保有による利益狙いには適さないモデルといえるでしょう。
レクサスLM|リセールバリューを左右する要因
レクサスLM|高額車ゆえの値下がり幅の大きさ
新車で2,000万円を超えるLMでは、わずかな値下がりでも影響が大きく、1年で100万円以上の減価は日常茶飯事です。特に注意したいのは、他の高級車に比べて下取り時に交渉余地が少なく、ディーラー側も相場を厳密に見ながら買取価格を提示する傾向が強いことです。
そのため、ユーザー側の期待値と査定額にギャップが生じるケースも珍しくありません。
また、仮に10%の下落でも220万円の損失になるため、「値下がり額」を重視する購入者にとっては、金額インパクトが精神的なストレスになることもあります。これは、同じ高級車でも1,000万円台の車種とは明確に異なる体験です。
値下がり率 | 損失額(2,200万円車両) |
5% | -110万円 |
10% | -220万円 |
15% | -330万円 |
レクサスLM|4人乗り vs 6人乗りの需要差
ファミリーユースの実用性を求めるユーザーは6人乗りを好む傾向があり、4人乗りはニッチな層向け。
6人乗り仕様はチャイルドシートの取り付けや3列目シートの活用など、実際の生活に密着した使い方ができることから、ファミリー層を中心に高い人気を誇ります。
一方で4人乗り仕様のエグゼクティブは、快適性や高級感は段違いながらも、用途が限定されるため購入層が限られ、中古市場では流動性が低く、買取価格も不安定になりがちです。
結果として6人乗り仕様の方が在庫回転も速く、安定したリセールを維持しやすいといえるでしょう。
レクサスLM|オプション装備の取捨選択
後付け不可なサンルーフ、マークレビンソン、リアエンタメといった装備は高査定に直結します。

引用 : TOYOTA HP (https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/42650642.html)
一方、フロアマットやモデリスタはリセールには大きく影響しません。特にモデリスタは、エアロパーツとしての見た目のインパクトはあるものの、中古市場では評価が分かれる傾向があります。
派手すぎる外装を敬遠するユーザーや、純正状態を好む層にとっては、逆にマイナス査定になるケースも存在するため、オプション選択時には慎重な判断が求められます。
オプション名 | リセール影響 |
サンルーフ | 高い |
リアエンタメ | 中程度 |
モデリスタ | 低い |
レクサスLM|納期の短縮による市場供給増
発売当初は納期半年以上だったLMも、現在ではわずか2〜3ヶ月で納車可能なケースも見られるようになりました。これはトヨタ・レクサス系列の生産体制の最適化や、初期需要の一巡が要因と考えられます。
このような納期の短縮は、ユーザーの購入ハードルを下げる一方で、中古車市場における供給台数を増加させ、相場下落に拍車をかける結果となっています。特に、下取りや乗り換えを早期に行うユーザーが増えたことで、年式の新しい中古LMが多く市場に出回っており、価格競争が激化しています。
その結果、リセール狙いで購入したユーザーの中には、想定よりも早期に損失を抱えるケースも増加。これにより、今後は投資目的でのLM購入がさらに難しくなっていく可能性もあります。
レクサスLM|リセールバリューをアルファード・ヴェルファイアとの比較
ハイブリッドZプレミアの残価率
ヴェルファイア ハイブリッドZプレミア(2025年式未走行)は、支払総額743万円に対して買取相場が808万円。**残価率109%**という驚異的な結果であり、2025年現在でもプレミア価格を維持しています。
これはアルファードやLMと比べて「納期の長期化」や「装備の充実度」が評価されたことによる人気の高さが反映されています。
特にヴェルファイアはアルファードよりもカスタマイズ志向が強く、エアロ仕様の人気も高いため、一定層の中古需要が継続的に存在しています。
また、ライバルであるLMよりもはるかに低価格帯で手に入るにも関わらず、装備面や快適性では遜色ない点が、リセールにも大きく寄与していると考えられます。
車種 | 新車価格 | 買取相場 | 残価率 |
ヴェルファイア Zプレミア | 743万円 | 808万円 | 109% |
アルファードも同様に高水準
アルファード ハイブリッドZも、2025年式で支払総額667万円に対して700万円前後の買取相場。走行割が入っても90%以上の残価率を維持。これは、アルファードが法人・個人を問わず幅広い層に支持されており、販売台数の多さと流通量の安定性が背景にあると考えられます。
さらに、アルファードはファミリー層を中心に「実用性」と「ステータス性」を高次元で両立しているため、リセール市場においても常に高い需要を維持。
グレードによっては装備の差が大きく、中古市場での評価が分かれやすい傾向にありますが、ハイブリッドZは装備バランスが良く、買取価格が安定しやすいことも人気の一因です。
年式 | 新車価格 | 買取相場 | 年間下落額 | 残価率 |
2025年式 | 667万円 | 700万円 | -33万円 | 104% |
2024年式 | 667万円 | 630万円 | -37万円 | 95% |
2023年式 | 667万円 | 620万円 | -47万円 | 93% |
まとめ
レクサスLMはその圧倒的なラグジュアリー性とブランド力で注目されるものの、リセールバリューという観点では明確に分が悪いと言わざるを得ません。特に初期プレミアを期待して購入したユーザーにとっては、想定外の価格下落が心理的にも経済的にも大きな打撃となるケースが多く、アルファードやヴェルファイアのように高値安定を見込めるモデルとは明確な差が生じています。
また、リース契約や残価設定ローンなどを利用する場合、想定残価と実際の市場価値の乖離が大きくなるリスクもあり、精緻な資金計画が不可欠です。今後も価格変動が続く可能性が高いため、LMを購入する際には「走行距離を抑える」「需要の高いオプションを選ぶ」「売却タイミングを見極める」といった戦略的な対応がより重要になっていくでしょう。
- グレード別では6人乗り「バージョンL」が最もリセールに優れる
- エグゼクティブは初年度で600万円以上の下落と高リスク
- LM全体としてリセールは安定せず、アルファード/ヴェルファイアに軍配
- コスト重視ならアルベル、ステータス重視ならLMという選び方が現実的
- サンルーフやリアエンタメは査定に強いが、モデリッサは期待薄
高級車市場では常に変動がつきもの。最新の市場動向を把握しつつ、慎重な購入判断が求められます。