レクサスの中でも人気の高いSUV、NX350h。その年次改良モデルに試乗し、特に注目される高速道路での走行性能と静粛性を徹底検証しました。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)
今回のレビューでは、改良前後の違いをはじめ、NX350との違いや、上位モデルであるRXとの比較も踏まえながら、実際のドライビングフィールを詳細に解説します。
さらに他グレードとの比較や実際のユーザーの声も交えて、購入検討中の方が「これなら間違いない」と納得できる判断材料を提供します。
記事のポイント
- ノーマルモードとスポーツS+モードでの加速感と走行性能の違い
- 高速道路での静粛性と安定性の実体験
- RXとの違いを明確に比較(走り/室内空間/快適性)
- ハイブリッドシステムによる低燃費と滑らかな走行
以下関連記事をまとめています。参考にご覧ください。
レクサスNX350h年次改良|進化した走行性能
レクサスNX350h年次改良版|ノーマルモードでの出だしと加速フィール
引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)
リニアな加速とトルク感が際立つ走り
改良型NX350hでは、ノーマルモードでもアクセルを軽く踏み込むだけで、驚くほどリニアにスピードが乗っていきます。発進時のタイムラグがほとんどなく、しっかりとしたトルク感でスムーズに加速する様子は、運転者に「余裕のある走り」を実感させてくれます。
EV走行が可能にする静粛な発進
特に市街地では、EV走行が積極的に活用され、エンジン音を感じさせない静粛でクリーンなスタートが可能です。
低速域での安定性と静粛性の高さ
低速域での安定した挙動と高い静粛性は、住宅街や駐車場の出入りでも周囲への配慮を自然と促し、上質なライフスタイルを演出します。
街中でのストップ&ゴーに最適化
60km/hまでの加速は体感的にも必要十分で、モーターアシストによる軽快な動きは、街中でのストップ&ゴーに最適化されたチューニングを強く感じさせます。
AWD(e-Four)の恩恵による高い安定感
さらに、AWD(e-Four)の恩恵により発進時や雨天時の安定感も高く、朝の通勤時間帯や信号スタートでもスッと抜け出せる加速フィールは、安心感と快適性の両立に大きく寄与しています。
レクサスNX350h年次改良版|スポーツS+モードでのレスポンス向上
スポーツS+モードで感じる鋭いレスポンス
高速道路ではスポーツS+モードに切り替えることで、一気にアクセルレスポンスとエンジン音が変化し、車のキャラクターが一段とアグレッシブに変わります。
追い越し時の力強い加速性能
特に80km/hからの追い越し加速では、ドライバーの意思に瞬時に応えるような、力強く伸びやかなパワーが際立ちました。わずかな踏み込みでエンジンが鋭く反応し、スムーズかつ力強く速度が乗る感覚は、ハイブリッド車とは思えないほどスポーティです。
エンジンサウンドと加速感の上質な演出
また、アクセルを踏み込んだ際に響くエンジン音も、粗さや不快感がなく、むしろドライバーを高揚させるような演出として機能しています。心地よいサウンドとともに得られる加速感は、まさにレクサスならではの高級感とダイナミズムの融合。スポーティさと快適性が高度にバランスされており、思わず「もっと走りたくなる」ような、ドライバーの心を刺激する走行体験が得られるのです。
レクサスNX350h年次改良版|高速走行中の静粛性
クルーズコントロールで100km/h巡航中も、エンジン音はほとんど聞こえず、風切り音やロードノイズも最小限に抑えられています。静寂に包まれたキャビンは、運転者だけでなく同乗者にも驚きと安らぎを与え、まるで高級ホテルのラウンジにいるかのような感覚さえ覚えるほどです。
特に新東名のような整った路面では、段差や継ぎ目から伝わる微細な振動すら抑え込まれ、車内は驚くほど滑らか。助手席に座っていると、車が動いていることを忘れるほどの心地よさが広がります。
エアコンのファン音すら際立って聞こえるほどの遮音性の高さは、レクサスのクラフトマンシップの結晶とも言えるでしょう。会話や音楽を邪魔しないその静けさは、長時間のドライブを“快適な時間”へと昇華させてくれます。まさに“移動するリビング”と呼ぶにふさわしい上質な空間が、NX350hにはあります。
レクサスNX350h年次改良版|EVモードとハイブリッドの協調性
低速域ではEVモードが自然に作動し、街中走行での静粛性が際立ちます。朝の住宅街や狭い道でも、エンジン音をほとんど発しない滑らかな走行は、まさに“気を使わない上質さ”を体現しているかのようです。停止からの発進もモーターの力でトルクが立ち上がるため、乗員にショックを感じさせず、まるでクッションの上を転がるような乗り心地。
また、高速域でも一定速度走行時にエンジンを停止しEVに切り替わる場面も多く、意識せずともエコドライブが可能になります。このハイブリッド制御の精緻さが、燃費性能において実走での優位性を発揮している大きな理由のひとつです。信号待ちからの再発進時にもエンジンの介入をほとんど感じさせず、極めて滑らかで、運転者だけでなく同乗者にも穏やかで上質な移動体験を提供してくれます。
ロール・ピッチングの抑制性能
ワインディングロードでは、ボディのロール感が少なく、ステアリング操作に対してしっかりと応答。AVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンション)の制御も優れており、スポーツモードでは更なる安定感が得られます。段差や路面の凹凸にも落ち着いて対応し、車体のバランスを保ちながら走行できる点も安心材料の一つです。
レクサスNX350h年次改良版|ドライバーズカーとしての一面
ガチッとしたボディ剛性と機敏な応答性により、NX350hは単なるファミリーカーにとどまらず、ドライビングプレジャーも兼ね備えたモデルに仕上がっています。走る楽しさを感じられる点で、運転好きの方にもおすすめです。レジャーや長距離旅行のパートナーとしても信頼できる存在でしょう。
レクサスNX350h年次改良|NX350との違いとRXとの比較で見えてくる立ち位置
引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)
NX350とのパワートレイン比較
NX350はターボエンジン搭載モデルで、瞬発力では勝るものの、静粛性や燃費性能ではNX350hに軍配が上がります。街乗りや長距離巡航を重視するユーザーには、NX350hの滑らかさとEV走行の利便性が魅力。さらに、ターボ特有のラグ(加速の遅れ)を感じない点は、ストップアンドゴーの多い街中では大きなアドバンテージとなります。
レクサスRXとの走行性能比較
走行性能で比較するNXとRXの違い
RXはより大型かつ高出力なモデルですが、NX350hは軽量さを活かした俊敏さで勝るシーンもあります。特にワインディングや都市部での取り回しでは、NXが優位で、ステアリング操作に対する反応や旋回性能は軽快そのもの。アクセルを踏み込んだ瞬間に伝わる軽やかな走りは、NXならではの魅力です。
静粛性ではRXがリード、しかしNXも進化
一方、静粛性という点では、やはりRXが一歩リードしています。厚みのある遮音材やより大きなボディによる包まれ感は、走行中のノイズを効果的にカット。とはいえ、NXの静粛性も年々進化しており、2025年モデルではロードノイズや風切り音の低減がさらに進み、差は徐々に縮まってきている印象です。
「走りのNX、包容力のRX」それぞれの個性
どちらも高い完成度を誇りますが、選ぶ基準は「どんなドライブを楽しみたいか」に尽きるでしょう。俊敏なハンドリングや軽快な走行感覚を重視するならNX、上質で包み込まれるようなラグジュアリー感を求めるならRX。まさに、「走りのNX、包容力のRX」と表現できる住み分けがなされています。
室内空間と後席の快適性比較
快適性で選ぶならRX、取り回しで選ぶならNX
後席の広さやリクライニングの角度、座面の長さなどはRXが圧倒的に優れています。特にファミリーでの使用や高齢の両親を乗せる場面、ロングドライブでの快適性を求めるなら、RXの後席は“ミニラグジュアリーサルーン”と形容できるほど快適です。
一方で、普段の通勤や夫婦でのドライブ、都市部での買い物といった日常ユースでは、NXでも十分な快適性を提供してくれます。むしろNXのサイズ感は、日本の住宅街や狭めの駐車場にぴったりマッチし、運転時のストレスが少ないという大きなメリットがあります。
実際の使用シーンを想定すると、NXの取り回しやすさが際立つ場面は意外と多く、特に都心部や狭い道ではその恩恵を強く実感します。サイズ感は単なる数値以上に、ライフスタイルとの相性を左右する選択要素と言えるでしょう。
操作系や運転支援の使いやすさ
高精度な運転支援が生み出す安心感
NX350hは運転支援システムが非常に優秀で、クルーズコントロールの自然な挙動やステアリングアシストの精度が高く評価されています。車線の維持や先行車との距離調整も違和感が少なく、長距離運転においてもドライバーの負担を大幅に軽減してくれるのが特徴です。
RXと比べても遜色ないレベル
RXと比べても運転支援の質はほとんど差がなく、むしろ車体のコンパクトさゆえにNXの方が操作性において軽快さを感じる場面もあります。特に都市部の狭い道や渋滞時など、NXのサポート性能が際立つ場面も多く見られます。
HUDやタッチ操作の快適性
加えて、HUD(ヘッドアップディスプレイ)や大型ディスプレイの操作性も向上しており、視線移動を減らしつつ情報を得られる点は大きな安心材料です。ナビ操作やメディアコントロールも直感的に行えるUI設計となっており、ユーザー満足度を大きく押し上げています。
グレードと価格帯の違い
幅広い選択肢と価格のバランスが魅力のNX350h
RX350hはバージョンLグレードのみの展開で高価格帯。装備は充実しているものの、選択肢の少なさと価格の高さから購入をためらうユーザーも一定数存在します。
一方、NX350hはベースグレードからラグジュアリー志向のバージョンL、スポーティなF SPORTまで選択肢が豊富。価格面でのハードルもRXに比べて抑えられており、ユーザーのライフスタイルや好みに応じた最適なグレードを選びやすい点が高く評価されています。
また、F SPORTグレードの魅力的な外観や専用チューニングによるスポーティな乗り味は、若年層を中心に支持を集めています。見た目に惹かれてレクサスを検討する層にとって、F SPORTのデザインは“所有する満足感”を大きく満たしてくれる要素となっており、プレミアムSUVとしての存在感を放っています。
燃費性能の実走比較
EVモード活用と高速巡航時の燃費の良さ
EVモードを活かした走行が多く、高速巡航時でも燃費の良さを実感できます。特に平坦な高速道路では20km/L超えも狙えるポテンシャルがあり、長距離移動にも適しています。
実際の声に見るリアルな燃費メリット
実際にSNSやオーナーの口コミでも「週末の遠出で燃料代を気にせず運転できる」「給油回数が減ってストレスが減った」といった声が多数寄せられており、単なるスペック以上に“実感できる燃費性能”が評価されています。
家計と環境へのやさしさを両立
ガソリン価格が高騰しがちな昨今において、日々のランニングコストを抑えられるというのは大きなメリット。経済性だけでなく、EV走行による環境負荷の軽減も含め、家計と地球の両方にやさしい選択肢となっています。
レクサスNX350h年次改良|他グレード(NX250、NX450h+)との比較視点
NX250との違い
NX250は、2.5L自然吸気エンジンを搭載したエントリーモデルです。装備や基本的な快適性はしっかり確保されていますが、加速性能や静粛性においてはNX350hに劣る面が目立ちます。特に高速道路での合流や追い越しの場面では、自然吸気エンジン特有の「もう一押し感」の不足を感じることもあります。とはいえ、価格面では非常に魅力的で、初めてのレクサスとしては最適な選択肢ともいえます。
NX450h+との違い
NX450h+はPHEV(プラグインハイブリッド)モデルで、満充電状態ではEV走行だけで90km前後の走行が可能とされ、日常の通勤や買い物レベルならほぼガソリンを使わずに済ませられる実用性を備えています。加えて、システム出力は300ps超と圧倒的な加速力を誇り、走行フィールはNXシリーズ最上級。しかし価格帯も700万円を大きく超えるため、十分に充電環境が整った方でなければ、その性能を持て余す可能性もあると言えるでしょう。
スペック比較表と燃費・加速性能比較
モデル | エンジン構成 | システム出力 | 0-100km/h加速 | 燃費(WLTC) |
---|---|---|---|---|
NX250 | 2.5L NA | 約190ps | 約8.8秒 | 約13.0km/L |
NX350 | 2.4L ターボ | 約279ps | 約7.0秒 | 約12.7km/L |
NX350h | 2.5L HEV | 約243ps | 約7.7秒 | 約19.9km/L |
NX450h+ | 2.5L PHEV | 約306ps | 約6.3秒 | 約20.5km/L |
※数値はカタログ値または実走行での参考値であり、使用条件により異なる場合があります。
SNSオーナーの声(実体験ベース)
- 「S+モードの伸びが想像以上。静かなのに速い!」(30代男性・神奈川県)
- 「燃費も良いし、乗ってて疲れない。もうガソリン車に戻れない」(40代女性・愛知県)
- 「ファミリーカーとしても文句なし。後席も静かで子どもがすぐ寝る」(30代夫婦・埼玉県)
- 「NX350から乗り換えたけど、加速以外はこっちが良い。静粛性と低速の滑らかさがまったく違う」(50代男性・東京都)
感覚的・エモーショナルな視点で再評価
ステアリングを切った瞬間に感じる「意のまま感」、アクセルに足を添えただけでスッと走り出す滑らかさ。NX350hは、乗るたびに新しい気づきと心地よさを与えてくれる車です。特に静粛性は別格で、車内で流れる音楽がまるで音楽ホールのようにクリアに響きます。
スポーツS+モードでの走行では、ハイブリッドとは思えないレスポンスの良さに驚かされます。まさに”静かな獣”が目を覚ます瞬間です。運転する楽しさを再認識させてくれる、そんなクルマです。愛着がどんどん湧いてくる——それがNX350hの真の魅力だと断言できます。
まとめ
レクサスNX350hの年次改良モデルは、走行性能・静粛性・快適性のすべてが高次元でバランスされた一台です。特にスポーツS+モードでの加速や、ワインディングでの応答性の良さは、ハイブリッドSUVとしては驚くべきレベルに到達しています。RXとの比較でも、走りや燃費の点でNXが勝るシーンも多く、日常使いと趣味のドライブを両立したい方には非常におすすめです。
今年の改良内容は、次年度以降の変化が少ないことからも、「今が買い時」と言えるタイミング。走る楽しさと実用性を両立したNX350hは、今後もレクサスの中核を担う存在であることは間違いありません。