レクサスRXが2025年2月に年次改良を迎え、大幅なアップデートを果たしました。
引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/gx/)
2023年モデルを所有していた私自身の視点から、体感した改良点と変わらなかった点を徹底的にレビューしていきます。
外観の変化は控えめながら、走行性能や快適性、安全装備など中身の進化が顕著に現れており、日々の使用感も変化を感じられる仕上がりです。
最新モデルの購入を検討している方に向けて、買い替える価値があるかを明確に判断できるよう、実体験に基づいた情報を詳しく解説します。
記事のポイント
- 12.3インチフル液晶メーターの採用で高級感がアップ
- AWDモデルにDRS(後輪操舵)追加で小回り性能向上
- 静粛性や乗り心地がさらに進化
- 値上げ幅が最小限でコストパフォーマンスが高い
以下関連記事をまとめています。参考にご覧ください。
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液晶メーターがついにフルデジタル化
これまで最大の不満点であったアナログメーターが、ようやく12.3インチのフル液晶メーターに変更されました。
トヨタ車でもすでに採用されていた装備が、ついにレクサスRXにも導入され、上質感が大きく向上しました。
表示できる情報量はタッチトレーサーオペレーションとの兼ね合いでやや制限がありますが、それでも従来の8インチアナログメーターからの進化は歴然。ようやくRXが真の意味で“ラグジュアリーSUV”と呼べる装備水準に達したと言えるでしょう。
項目 | 旧モデル(2023年) | 新モデル(2025年改良) |
---|---|---|
メータータイプ | 8インチ アナログ | 12.3インチ フル液晶 |
情報表示量 | 最小限 | 中程度(制限あり) |
操作性 | 一部アナログ切り替え | タッチトレーサー操作対応 |
視認性 | 普通 | 高い(夜間視認性も向上) |
高級感 | やや物足りない | 格段に向上 |
AWDモデルにDRS搭載で取り回しが改善
RX 350hとRX 450h+のAWD仕様に、後輪操舵システムであるDRSが追加されました。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/gx/)
これにより、最小回転半径が5.5mまで縮まり、大柄なボディながら街中での運転がよりスムーズになります。狭い路地や立体駐車場でも扱いやすさが格段に向上しており、家族での利用や日常の買い物、送り迎えといったシーンでもその効果を実感できます。特に運転に不慣れな方や高級SUV特有のサイズ感に不安がある方には、大きな安心材料となるでしょう。
車種 | 最小回転半径 |
レクサス RX(DRS搭載) | 5.5m |
レクサス RX(非搭載) | 5.9m |
トヨタ ハリアー | 5.5m |
BMW X5 | 6.0m |
アウディ Q5 | 5.8m |
メルセデス・ベンツ GLE | 5.9m |
こうして他車種と比較してみても、DRS搭載モデルのRXは非常に優れた小回り性能を持っていることが分かります。
静粛性の向上でラグジュアリー感アップ
ダッシュ部のサイレンサーや吸音材の増量、リアドアへのアコースティックガラスの採用など、多方面から静音性を強化。
さらにリアボディ周辺への吸音材追加により、後席の静粛性も大幅に向上しています。加えて、RX 500hではエンジン制御の見直しによりノイズ低減が図られ、アクティブサウンドコントロールのチューニング刷新によりスポーツモードでの臨場感も強化。
前後席ともに快適なドライブ空間が実現され、上質な移動体験が一層高まりました。
走行性能と乗り心地の両立
アブソーバーやAVS制御のチューニングを最適化し、上下の揺れを低減。加えてアクセルレスポンスの改善など、ドライバビリティも進化しています。
引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/gx/)
特に段差を超えた際のショック吸収性や、高速域での安定性が向上しており、長距離ドライブでも疲労感が軽減される仕上がりとなっています。ステアリング操作に対する反応もよりリニアになり、ワインディングや都市部の走行でも運転の楽しさが増したと感じました。
インテリアにイルミネーション追加
フロントコンソール部分にイルミネーションが追加され、夜間のドライブがさらに華やかに。光の演出によって高級感も際立ちます。
運転席から視認できる位置に配光されており、グレードによってはカラーのカスタマイズも可能。室内の雰囲気を自分好みに演出できることから、所有する満足感をより一層高めてくれる装備となっています。
Fスポーツにホワイト内装追加
これまでブラックとダークローズしか選べなかったFスポーツモデルに、ホワイト内装が新たに加わり、より幅広い好みに応えるラインナップになりました。
ホワイトは明るく清潔感のある印象を与え、特に日中のドライブや女性ドライバーからの支持が高まることが予想されます。
実際に乗り込んだ際の開放感も抜群で、内装のデザイン性を重視するユーザーにとって大きな魅力となるでしょう。
アドバンストパークがRX 350 Fスポーツに標準装備
初期型では搭載されなかった自動駐車機能「アドバンストパーク」が、Fスポーツに標準装備。使い勝手と安全性が大きく向上しています。
特に狭い駐車場や並列駐車のシーンでは、自動でステアリングを制御してくれるこの機能が頼りになります。また、車外からスマートフォン操作で遠隔駐車が可能な点も、荷物の積み下ろしや狭いスペースでの利便性を高めており、実用性が非常に高い装備です。
値上げ幅が最小限に抑えられた
昨今の値上げ傾向の中で、RXは大幅改良を施しながらも価格上昇を最小限にとどめています。以下は、改良前と改良後の主要グレードの価格を比較した表です。
車種 | 改良前価格 | 改良後価格 | 価格差 |
RX 350 バージョンL | 7,200,000円 | 7,220,000円 | +20,000円 |
RX 500h | 8,200,000円 | 8,220,000円 | +20,000円 |
RX 350 Fスポーツ | 6,800,000円 | 6,860,000円 | +60,000円 |
RX 450h+ AWD | 9,000,000円 | 9,150,000円 | +150,000円 |
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RX 350にDRSが非搭載
主力グレードであるRX 350にはDRSが採用されていない点は、今回の改良の中でも特に残念なポイントです。
取り回し性能に影響を及ぼす部分であり、特に街中での運転や狭い駐車場での取り回しを重視する方には不便を感じることがあります。以下はDRS搭載状況の一覧表です。
車種 | DRS搭載 |
RX 500h Fスポーツパフォーマンス | ○ |
RX 350h AWD | ○ |
RX 450h+ AWD | ○ |
RX 350 Fスポーツ | × |
RX 350 バージョンL(FF/AWD) | × |
購入時には、ご自身が検討しているグレードがDRS対応かどうかを必ず確認しましょう。
RX 350の生産枠が限られている
ターボモデルで人気のRX 350ですが、今後の生産枠は全体生産台数の約10%に限定される見込みで、早めのオーダーが必須です。中には2026年末までの納期となるケースも報告されており、半年以上待つ可能性があるため、希望するグレードやカラーがある方は早めにディーラーへ相談することをおすすめします。
ハイブリッドモデルにFスポーツ設定なし
RX 350hやRX 450h+には、依然としてFスポーツの設定がありません。Fスポーツでは専用サスペンションやスポーツチューンされたステアリングレスポンス、専用エクステリア&インテリアが採用されており、これらを求めるユーザーにとっては、走行性能やデザイン面で大きな魅力がありました。
現状では最上位のRX 500h FスポーツパフォーマンスのみがFスポーツ格付けとなっているため、ハイブリッドモデルにもFスポーツ設定が導入されることを多くのオーナーが待望しています。
RX 450h+は急速充電に非対応
プラグインハイブリッドであるRX 450h+ですが、急速充電機能が未だに非対応です。トヨタの他のEV/PHEVモデルではDC急速充電対応が進んでいるだけに、レクサスブランドでの遅れが顕著です。以下は主な競合モデルとの急速充電対応状況比較表です。
車種 | タイプ | DC急速充電対応 |
RX 450h+ | PHEV | × |
トヨタ bZ4X | EV | ○ (最大150kW) |
三菱 アウトランダーPHEV | PHEV | ○ (CHAdeMO方式) |
BMW X5 xDrive45e | PHEV | × |
レクサス UX300e | EV | ○ (最大150kW) |
まとめ
レクサスRXの2025年モデルは、液晶メーターの刷新や静粛性・乗り心地の向上など、満足度の高い改良が随所に見られます。特にAWDモデルにDRSが加わったことで、都市部からアウトドアまで幅広いシーンでの運転のしやすさが大きく進化しました。また、イルミネーションやホワイト内装の導入など内装の質感向上も顕著です。価格上昇が抑えられている点も魅力ですが、依然としてハイブリッドモデルのFスポーツ設定がないことや、プラグインEVの急速充電非対応など、改善が望まれるポイントは残ります。この改良の一連のアップデートは、2023年モデルからの乗り換えを検討する価値が十分にあり、グレード選びやオプション選定の際には、今回追加された各装備の有無をしっかり確認していただくことをおすすめします。
とはいえ、価格上昇を抑えた中でこれだけのアップデートを実現した点は評価に値し、2023年モデルからの乗り換えを検討する価値は十分にあると感じています。今後のグレード展開やさらなる進化にも期待したいところです。