新型クラウンエステートのレビューでは、実際に運転し走行性能を実感した上で、満足できる点と不満な点を詳しく解説しています。
引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/crownestate/)
高級感や走行性能は魅力的ながらも、購入前に確認しておくべき注意点が多数存在します。
この記事では、以下のポイントを中心に解説を進めます。
記事のポイント
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タイヤチェーン装着の制限と安全面での注意点
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競合モデルと比較した高価格の裏側
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内装や装備面で見られる設計上の不備
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後部座席や快適性に関するデメリット
関連記事をまとめています。ぜひ参考にご覧ください。
各項目について、実際に運転し体感した感想を元に、詳細な解説と比較表も交えてお届けします。購入を検討中の方は、ぜひ参考にして慎重な判断を行ってください。
新型クラウンエステートの弱点13選|各弱点の詳細解説と比較レビュー
新型クラウンエステートの魅力的な面もある一方で、実際に運転して感じた13の弱点について、以下の項目ごとに詳しく説明します。
引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/crownestate/)
ここでは、各項目の背景、現場で感じた具体的な問題点、そして同クラスの他モデルとの比較を交えながら、どの点に注意すべきかを解説します。
1. タイヤチェーン装着の制限
クラウンエステートは21インチの大きなアルミホイールを装備しており、冬季の悪天候時に通常のタイヤチェーンが使用できない問題があります。
引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/crownestate/)
市販の布製タイヤチェーンの装着を推奨する記載がカタログにある通り、急な雪道走行や緊急時に対応が難しい点が注意点として挙げられます。従来のスタッドレスタイヤの交換を前提とした運用が必要になるため、冬季の走行計画を立てる際には事前準備が不可欠です。
詳細な考察と背景
運転中に急な積雪に遭遇した場合、通常の金属製タイヤチェーンが装着できないため、布製のチェーンを使用する必要があります。しかし、布製チェーンは耐久性やグリップ力で金属製に劣る場合もあり、走行中の安定性に影響する可能性があります。
また、雪道での緊急対応が必要な際、普段から布製チェーンを携帯していないといった不安がつきまといます。
2. 高価格設定と競合車との比較
新型クラウンエステートは、特にプラグインハイブリッドRSグレードにおいて高価格がネックとなっています。
経済産業省の補助金があるものの、他のグレードや競合車種と比較すると、コストパフォーマンスが見劣りする部分があります。実際、同クラスのハイブリッド車と比較した場合、初期投資と将来的なリセールバリューにおいて厳しい評価が出ています。
価格比較の具体例と表
価格面における比較は、以下の表にまとめました。各グレードの価格や補助金適用後の実質負担額、さらには同クラスの他モデルとの価格差を確認することで、購入時の判断材料になります。
グレード・モデル | 価格(概算・万円) | 補助金適用後の実質価格(概算・万円) | コメント |
---|---|---|---|
クラウンエステートプラグインハイブリッドRS | 810 | 約760 | 高価格設定で負担が大きい |
クラウンエステートプラグインハイブリッドZ | 635 | 約590 | 価格は下がるが依然高め |
ハリアプラグインハイブリッド | 640 | 約600 | 同クラスとしては若干低価格 |
レクサスNXプラグインハイブリッド Fスポーツ | 758 | 約710 | 高級感を維持するための高価格設定 |
NX 350Hハイブリッド | 660~690 | ~約650 | 競合モデルとしての参考値 |
上記の表からもわかるように、クラウンエステートは同クラス内で見た場合、初期投資の高さや将来的な資産価値の低下が懸念されるため、慎重な検討が必要です。
詳細な考察と背景
高価格設定の背景には、最新のハイブリッド技術や高級感を演出する内外装デザインがあるものの、実際の使用感やリセールバリューにおいては競合車に比べて不利な面が出ています。長期的なコストを考慮すると、初期投資以上に将来的なメンテナンス費用や価値の下落が気になる点です。
3. CDDVD非採用によるメディア再生の不便さ
センターディスプレイは12インチの大型画面を採用しているものの、従来のCDやDVDを再生するための挿入口が設けられていません。そのため、音楽や映像の再生には、HDMI端子の利用やBluetooth接続が必須となります。これにより、従来のメディア利用に慣れたユーザーにとっては操作面や接続方法に若干の不便さが残ります。
詳細な考察と背景
この仕様変更は、最新のデジタル機器との連携を強化する意図がありますが、USBメディアやスマートフォンとの接続環境が整っていない場合は、従来のCD/DVD再生システムに比べて使い勝手が低下する可能性があります。特に、長時間のドライブ中にお気に入りの音楽を楽しむ際、接続トラブルが起こるとストレスになる恐れがあります。
4. スペアタイヤ装着時の室内スペースの制限
クラウンエステートでは、スペアタイヤを装着すると室内のデッキスペースが狭くなり、ディーラーオプションで選択可能な装備との併用ができなくなるという制約があります。荷物を多く積む場合や、オプション装備による快適性を重視する場合には、スペアタイヤの採用が大きなデメリットとなります。
詳細な考察と背景
この設計上の制限は、車内空間の有効活用を図るためのトレードオフと考えられます。しかし、実際の利用シーンでは、予期せぬパンクや緊急時にスペアタイヤが必要になることもあり、その場合の室内収納の制限が運転中のストレスとなるため、購入前に十分な検討が必要です。
5. 荷室トノカバーの収納の不便さ
クラウンエステートは、標準装備で荷室の中身を隠すためのトノカバーが搭載されています。外観からは積載物が見えず、プライバシーや盗難防止に役立つ設計ですが、荷室に荷物を多く積む際にはカバーを収納するスペースが確保されておらず、別途工夫が必要となります。
詳細な考察と背景
トノカバーを使用する場合、荷物の積載効率が低下するだけでなく、取り外しや折りたたみの手間がかかるため、急な荷物の出し入れが必要なシーンでは不便さが目立ちます。荷室の使い勝手を重視するユーザーにとっては、デザイン上の妥協点といえるでしょう。
6. AVS(電子制御可変減衰サスペンション)非搭載のグレード
新型クラウンエステートでは、プラグインハイブリッドRSグレードのみがAVSを標準装備しています。AVSは、路面状況や運転状況に合わせてサスペンションを自動調整する機能であり、快適な乗り心地と安定したハンドリングを実現するための重要な装備です。しかし、RSグレード以外ではこの機能が非搭載となっているため、同一車種内でも走行性能にばらつきが生じる点が残念です。
詳細な考察と背景
高級車として期待される走行性能を維持するためには、AVSのような先進技術は必須です。RSグレード以外では、この機能が欠如しているため、急な路面の変化やカーブでの安定性において、他グレードと比較して不利な面が見受けられます。結果として、快適な走行性能を求めるユーザーにとっては、グレード選択の際の大きな判断材料となります。
7. 内装の高級感に対する不満
クラウンシリーズは従来、内装の高級感が大きな魅力とされてきました。しかし、新型クラウンエステートでは、ドア内張りやセンターコンソール周辺、さらには操作系パネルの仕上げにおいて、設計上のミスやコストカットが疑われる部分が散見されます。
引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/crownestate/)
具体的には、センター画面下部の電源ボタンが正しく回転せず、エアコン吹き出し口周辺の素材が硬質なプラスチックで統一されているため、全体として安っぽい印象を与える点が問題視されます。
詳細な考察と背景
内装デザインにおいては、各パーツの細部にまでこだわりを感じさせるはずですが、クラウンエステートでは一部の部品において作り込みが不十分であり、例えばステアリングやグローブボックス内の素材の使い方に疑問が残ります。また、助手席側の内装仕上げが特に粗末で、長距離ドライブ時の快適性にも影響する可能性があります。全体として、ドライバーのみならず同乗者にとっても、内装の統一感や質感が十分に発揮されていないと感じられる点が残念です。
8. 夜間照明の充実度不足
夜間走行時において、車内照明は雰囲気を左右する重要な要素です。クラウンエステートでは、ドリンクホルダー部分の照明が他に比べて際立っている一方、全体としてのアンビエントライトが不足している印象です。特に運転席足元の照明は控えめであり、豪華さを求めるユーザーからはもう少し洗練された演出を期待する声が多いです。
詳細な考察と背景
高級車として、内装照明はドライバーや乗員の心理的な安心感や快適性に直結します。他ブランドの同クラス車両では、照明演出に工夫が凝らされ、全体として統一感のある空間を実現しています。クラウンエステートにおいては、一部の照明だけが浮いているため、夜間の雰囲気作りにおいて若干の不均一さが見受けられます。
9. 通存エアコンのみの採用
前席のエアコンは個別に温度調節が可能で快適性が保たれている一方、後席では通存エアコンのみの装備となっています。つまり、運転席と助手席間で温度調節ができず、後部乗員が自分好みの温度設定を行えない点が指摘されています。特に長距離ドライブや夏季の走行時には、この点が不便に感じられる可能性があります。
詳細な考察と背景
車内全体で均一な温度設定がされるため、個々の乗員の体感温度にばらつきが生じやすいです。近年の競合モデルでは、後席も含めたゾーン分けエアコンが標準装備となっているケースが多く、クラウンエステートの仕様は最新の快適性要求に十分応えられていないと評価される理由となっています。
10. 後席シートのヒーターのみ装備
前席ではシートヒーターと冷却機能が搭載されているのに対し、後席シートは温めるヒーターのみの装備となっています。特に夏場や寒冷地での使用時に、後席乗員が十分な快適性を得られず、手動での温度調整が必要となる点がデメリットです。
詳細な考察と背景
前席と比べ、後席の温度調整機能が限定的なため、長時間のドライブにおいては乗員の快適性に影響が出る恐れがあります。また、ヒーターの操作性においても、オート機能がない分、使用者の手間がかかり、細かい温度調整ができない点は他車と比較して見劣りする部分です。
11. サンシェード非採用の影響
後席のプライバシー保護や日射対策として重要なサンシェードが装備されていない点も、クラウンエステートの弱点の一つです。特に夏季においては、窓からの直射日光により室内温度が上昇し、乗員が快適に過ごすための工夫が不足していると感じられます。
詳細な考察と背景
同クラスの他モデルでは、サンシェードの装備が標準となっているケースが多く、後席乗員の快適性やプライバシー保護において優位性が見られます。クラウンエステートでは、シンプルなデザインを追求するあまり、この点での機能性が犠牲になっている印象です。
12. 後席リクライニング機能の非搭載
長距離走行時に後席でリラックスするための機能として、リクライニング機能は非常に重要です。しかし、クラウンエステートの後席は背もたれの角度調整が全くできず、快適性に大きな影響を与える設計となっています。運転席や前席と比較すると、後席の快適装備としては大きな欠点といえます。
詳細な考察と背景
特に家族や複数人での利用を想定すると、後席のリクライニングができないことは長距離移動時の疲労感や不快感に直結します。市場における同価格帯の他モデルでは、後席の調整機能が標準装備となっていることから、クラウンエステートの設計は見直しが必要とされる部分です。
13. 後席足元スペースの狭さ
広い膝前空間が確保されているものの、実際の乗車感では後席の足元スペースが狭く、足を伸ばしにくい点が指摘されています。センタートンネルの大きさやシートレールの配置が影響し、後席乗員が快適に過ごすための工夫が不足していると感じられます。
詳細な考察と背景
後席の足元空間は、長距離走行時や足を伸ばしてリラックスしたいユーザーにとっては非常に重要な要素です。他の大型SUVや同クラス車両と比較すると、センタートンネルの設計やシート配置が工夫されている車両では、足元の余裕がしっかりと確保されています。クラウンエステートでは、全体のデザインを優先するあまり、この点が犠牲になっている印象です。
追加の検討事項と改善提案
新型クラウンエステートの各弱点を改めて整理すると、運転性能や高級感は魅力的ながらも、実際の使い勝手やコスト面、快適性の面でいくつかの課題が浮き彫りとなります。ここでは、これらの課題に対する改善提案と、今後の市場動向について考察します。
内外装の仕上げと操作性の向上
内装に関しては、特にセンターコンソール周辺の部品の品質向上が急務です。電源ボタンやエアコンパネルの素材、仕上げ方法を再検討することで、全体の高級感を損なわずに操作性を向上させることが期待されます。また、助手席側の内装も、前席と同等の品質で仕上げることで、同乗者の満足度を高める必要があります。
快適性を高める装備の充実
後席の温度調節やリクライニング機能、足元スペースの改善については、最新技術を採用したエアコンゾーンの拡充やシートレイアウトの再設計が望まれます。特に、後席のリクライニング機能の導入は、長距離ドライブをより快適なものとするための重要な改良点です。サンシェードの装備も、簡易的な手動式であっても搭載することで、後席乗員のプライバシー保護や室内温度の調整に寄与できるでしょう。
価格とコストパフォーマンスの再評価
高価格設定に対しては、初期投資だけでなく、将来的なリセールバリューや維持費を含めた総合的なコスト評価が必要です。競合車種との比較では、補助金や各種オプションの装備内容を再度見直し、実質的な負担を低減するためのプランが求められます。特に、以下の価格比較表からも示されるように、各グレードごとに実質負担額を明確にし、ユーザーが納得できる価格設定に近づけることが重要です。
モデル・グレード | 表示価格(概算・万円) | 補助金適用後実質価格(概算・万円) | 備考 |
---|---|---|---|
クラウンエステートプラグインハイブリッドRS | 81 | 約76 | 高価格設定で負担が大きい |
クラウンエステートプラグインハイブリッドZ | 63.5 | 約59 | 多少の価格低下はあるが、依然高め |
ハリアプラグインハイブリッド | 64 | 約60 | 同クラス内ではやや低価格 |
レクサスNXプラグインハイブリッド Fスポーツ | 75.8 | 約71 | 高級感維持のための高価格設定 |
NX 350Hハイブリッド | 66~69 | ~約65 | 競合モデルとして参考値となる |
改善が期待されるユーザーインターフェース
操作系統や内装デザインにおいて、今後のアップデートやモデルチェンジで改善が期待されます。ディーラーやメーカーからのフィードバックをもとに、ユーザーが実際に使いやすい設計を追求することで、現行モデルの弱点を補完し、全体の満足度を高めることができるでしょう。
新型クラウンエステートの弱点|全体評価
結論(要点まとめ)
新型クラウンエステートは、その堂々たる走行性能や内外装の洗練されたデザインで魅力を感じる車両です。しかし、実際に運転してみるといくつかの弱点が浮かび上がりました。
特に、タイヤチェーンの装着制限や高価格設定、内装の一部仕上げの不備、さらには後部座席の快適性に関する問題が目立ちます。
全体としては、基本性能や安全性は高いものの、購入後に思わぬ不便さや快適性の低下を感じる可能性があるため、事前に注意深く検討することが大切です。以下では、各弱点について具体的な内容と改善点、さらには他の車両との比較を交えて詳しく解説していきます。
まとめ
新型クラウンエステートは、先進のハイブリッド技術と洗練されたデザインが光る一方で、実際の走行や内装の細部においていくつかの弱点が確認されました。タイヤチェーンの装着制限、高価格設定、内装の一部不備、後席の快適性の低さなど、13の注意点が明確に浮かび上がります。
これらの点は、同クラスの他車種との比較においても顕著であり、購入前には十分な検討が必要です。特に、長距離走行や家族での利用、冬季の運転時には、これらの弱点が実際の運転体験に大きな影響を及ぼす可能性があります。メーカー側には、今後のモデルチェンジやアップデートにおいて、内外装の質感向上や装備の充実、操作性の改善が期待される状況です。ユーザーとしては、各弱点を踏まえた上で、現状の性能と将来的な改善の見込みを総合的に評価し、慎重な判断を下すことが重要です。
全体として、クラウンエステートは魅力的な要素とともにいくつかの改善点を抱えるモデルであるため、購入を検討する際には実際の試乗や詳細なスペック比較を通じて、自身の使用環境に最適かどうかを十分に確認することをお勧めします。
以上の各項目を踏まえ、新型クラウンエステートは、技術的な革新と高級感を追求したモデルであるものの、現時点ではいくつかの弱点が存在します。購入を検討する際には、これらの注意点を理解した上で、他の競合モデルとの比較や、実際の使用シーンをシミュレーションし、総合的な判断を行っていただければと思います。自分自身のライフスタイルや求める快適性、将来的なメンテナンスコストを十分に考慮し、最適な選択をされることを願っています。