新型クラウンスポーツを実際に所有し、日々のドライブや細かい装備を体感する中で感じた点を中心に、レクサスNX、RX、ハリアーと比較した際の劣る部分をレビューとしてまとめました。
引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/crownestate/)
ここでは、クラウンスポーツの魅力も認めつつ、実際の使用感や具体的な欠点について深堀りして解説します。
記事のポイント
- パワートレインの選択肢が限られており、スポーツ性を追求するユーザーには物足りなさを感じる
- 内装装備、特にリアシートヒーターやインナードアハンドルの質感に改善の余地がある
- 操作性や使い勝手に関して、パドルシフトやリアドアの施錠解除など実用面での問題が目立つ
- 全幅や価格面での競合車種との比較で、コストパフォーマンスや実用性に疑問が残る
以下関連記事をまとめています。参考にご覧ください。
クラウンスポーツがレクサスNXやRX・ハリアーに劣る8つの欠点とは
結論(要点まとめ)
実際にクラウンスポーツを所有する身として、優れた部分も多い中で、以下の8点が特に劣ると感じた要素です。
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パワートレインの選択肢不足:2.5リッターのハイブリッドとプラグインハイブリッドのみで、スポーツモデルに期待される多彩なエンジンオプションがない。
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リアシートヒーター非搭載:快適性を求めるユーザーにとって、標準装備としてリアシートヒーターがないのは不便。
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パドルシフトの不在:スポーツ走行を楽しむためのシーケンシャル操作やパドルシフトが装備されていない。
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インナードアハンドルの質感低下:塗装仕上げによる冷たくプラスチック感のある質感は、上質感を求めるユーザーにとって物足りなさを感じさせる。
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リアドア施錠解除の操作性不足:後席ドアでの施錠解除ができず、使い勝手に不便を感じる。
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ボンネットダンパー非採用:開閉時に突っかえ棒を使用する仕様は、安全性や操作性において劣る。
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全幅の大きさ:全幅が1850mmを超えるため、都市部のマンション立体パレットなどに収まらないことがある。
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価格面での不利:レクサスNXとほぼ同等の価格設定ながら、装備や性能面でのメリットが少なく、コストパフォーマンスに疑問がある。
クラウンスポーツは、デザインや走行性能など一見魅力的な要素が多い一方で、上記の点で他の高級ブランド車と比べると劣る部分が目立ちます。
ここからは、各欠点の詳細な解説と、競合車種との比較を交えながら、より深く分析していきます。
パワートレインの選択肢不足
クラウンスポーツは、エンジンラインナップが2.5リッターのハイブリッドとプラグインハイブリッドに限定されています。
スポーツモデルと銘打たれているだけあって、レクサスNXやRXでは提供されている2.4リッターターボエンジンやデュアルブーストハイブリッドといった、よりパワフルで多様なエンジンオプションを期待するユーザーにとって、選択肢が狭い点は大きなマイナスポイントとなっています。
また、走行性能や加速感においても、よりスポーティなエンジンの組み合わせが採用されていないため、走りの楽しさという面で他車に劣る印象を受けます。
実際、レクサスNX350やRX500hと比較すると、エンジン出力やトルク面での優位性を実感できる部分が多く、クラウンスポーツのラインナップにおけるバリエーションの少なさが響いています。
エンジン性能の具体例
例えば、NX350hではターボエンジンとハイブリッドの組み合わせにより、瞬時の加速と高いトルクを実現しています。一方、クラウンスポーツの2.5リッターエンジンは、エンジンの出力自体は十分であるものの、スポーツカーとしての「パンチ」が欠けているため、期待されるドライビングフィールが得にくいという指摘が出ています。
操作性への影響
このようなエンジンラインナップの制限は、ドライバーがスポーツ走行時に求めるダイレクトなレスポンスや加速感にも影響を及ぼしており、走行中のフィードバックや操縦性の面で物足りなさを感じる要因となっています。
リアシートヒーターの非搭載と内装装備の問題
クラウンスポーツの内装面において、特に後部座席の快適性に関する装備が不足している点は見逃せません。リアシートヒーターが標準仕様やオプションとして用意されていないため、寒冷地での使用や長時間のドライブ時に後部座席の快適性が損なわれることが懸念されます。
引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/crownestate/)
対して、レクサスRXやハリアーでは、後部座席のシートヒーターがしっかりと装備されており、乗員全体に快適な環境を提供しています。この違いは、特に家族や長距離移動を重視するユーザーにとって大きな差別化ポイントとなっています。
内装デザインと素材の差異
また、内装装備においては、インナードアハンドルの質感も大きな問題です。クラウンスポーツでは、ドア内側のハンドルが塗装仕上げとなっており、金属の冷たさやプラスチック感が否めません。これに対し、同系列のクロスオーバーではサテンメッキが採用され、上質な手触りを実現しています。
こうした素材の選定の違いは、車全体の高級感や所有感に直結するため、ユーザーにとっては重要な評価ポイントとなっています。
装備の使い勝手
さらに、後部ドアの施錠解除が外側の操作でできない仕様は、日常の使い勝手に影響を与えます。特に、頻繁に乗降する家族層や都市部で利用するユーザーにとって、ドアの操作性の差は非常に大きなマイナスとなるでしょう。
スポーツ走行性と操作面の課題
スポーツモデルとしてのネーミングにも関わらず、クラウンスポーツにはパドルシフトが搭載されていません。スポーツカーに期待されるシーケンシャル操作ができないため、走行時に感じる一体感やドライバーの操作楽しさが十分に発揮されず、名前と実態にギャップが生じています。
引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/crownestate/)
この点は、実際にスポーツ走行を楽しむドライバーにとって、非常に残念な要素となっており、特にレクサスNX350やRX500hといったモデルでは、より直感的な操作性が実現されているため、比較対象として明確に劣っていると言えるでしょう。
操作性の具体的な違い
具体的には、NXやRXに搭載されているパドルシフトは、ドライバーがシフトチェンジを直感的に行えるよう工夫されており、スポーツ走行時においてエンジンとトランスミッションの連携をよりスムーズに感じさせます。対照的に、クラウンスポーツは無段変速機の採用により、ギアチェンジの感覚が希薄となり、スポーツモデルとしての躍動感が損なわれる結果となっています。
ボンネットと全幅の実用性
また、ボンネットダンパーの非採用という仕様も、日常の使い勝手に影響を及ぼす点です。レクサスNXではボンネットダンパーが採用され、開閉時の操作がより安全かつ簡単に行えるのに対し、クラウンスポーツでは突っかえ棒を使用するため、慣れないと不便に感じる場合があります。
加えて、全幅が1850mmを超える設計は、都市部の駐車事情において不都合が生じることが多く、狭いパレットや駐車スペースに収まらないという実用上の問題も指摘されます。
比較分析:レクサスNX・RX・ハリアーとの違い
ここからは、クラウンスポーツとレクサスNX、RX、ハリアーとの主要な違いについて、各要素ごとに詳細に比較していきます。
パワートレインと走行性能の比較
クラウンスポーツは、2.5リッターのハイブリッド系統のみの採用により、走行性能は一定の安定感を保っていますが、瞬発力やスポーツ走行における反応速度は、レクサスNX350やRX500hで採用されているターボエンジンの方が優れています。
また、プラグインハイブリッドモデルも用意されていますが、これも選択肢としては限定的であり、ユーザーが求める多様な走行モードに対応できていないと感じる部分が多くあります。
エンジン性能の数値比較表
項目 | クラウンスポーツ | レクサスNX350h | レクサスRX500h | ハリアー |
---|---|---|---|---|
エンジン容量 | 2.5リッター | 2.4リッターターボ | 2.4リッターターボ+ハイブリッド | 約2.5リッター(NAエンジン) |
変速機 | 無段変速 | 8速AT | 8速AT/デュアルブースト | 8速AT |
出力特性 | 安定した走行性能 | 高出力・瞬発力重視 | 高出力・加速重視 | バランス重視 |
走行モード | 限定的な選択肢 | 複数モード搭載 | 複数モード搭載 | 複数モード搭載 |
この表からも分かるように、クラウンスポーツはエンジン選択肢が狭く、特にスポーツ走行を求めるユーザーには、NXやRXの方が魅力的なパフォーマンスを提供していると言えます。
内装装備と快適性の比較
内装に関しては、クラウンスポーツはフロントシートの快適装備は充実しているものの、後部座席におけるシートヒーターの非搭載やインナードアハンドルの質感が問題となります。
対照的に、レクサスRXやハリアーは後部座席にもシートヒーターが装備され、ドアの内装にも上質な素材が使用されているため、乗員全体に高い快適性を提供しています。
内装の質感と操作性
・ドア内装の質感
クラウンスポーツは、ドア内側のハンドルが塗装仕上げで冷たく、プラスチック感が強い仕上がりとなっているため、上質さに欠ける印象です。一方、NXやRXはサテンメッキなど高級感を意識した素材が使われ、手に取ったときの感触にもこだわりが感じられます。
・操作性
また、後部ドアの施錠解除に関しても、クラウンスポーツは操作性に難があり、頻繁に乗降する場合にストレスが溜まることが懸念されます。対して、競合車種では、後部ドアの操作が直感的かつスムーズに行えるよう工夫されており、利便性の面で明確な差が出ています。
寸法と価格面の比較
クラウンスポーツは全幅が1850mmを超えるため、都市部の狭い駐車場やマンションの立体パレットに収まらないケースがあるという実用面での問題が指摘されています。
引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/crownestate/)
また、価格設定においても、レクサスNXやRX、ハリアーとほぼ同等のラインナップとなっており、同価格帯であればより充実した装備や高級感を持つモデルを選択できる点で、コストパフォーマンスに疑問が生じます。
寸法・価格の比較表
項目 | クラウンスポーツ | レクサスNX350h | レクサスRX500h | ハリアー |
---|---|---|---|---|
全幅 | 約1860mm以上 | 約1840mm前後 | 約1840mm前後 | 約1850mm前後 |
全長 | 約4900mm超 | 約4700~4800mm | 約4800~4900mm | 約4700~4800mm |
駐車適合性 | 狭いスペースに不適 | コンパクト設計 | コンパクト設計 | コンパクト設計 |
価格帯 | NXとほぼ同等 | 比較的リーズナブル | やや高価格帯 | リーズナブル~中価格帯 |
このように、寸法面ではクラウンスポーツは実用性に課題があり、価格面でも競合車種に比べた場合、装備の充実度や快適性で見劣りするため、選択に迷いが生じやすい点が挙げられます。
実際の利用シーンでの影響
都市部に住むユーザーや、駐車スペースが限られている環境で利用するユーザーにとって、全幅の大きさは日常のストレスとなる可能性が高いです。また、価格設定が競合とほぼ同等であるにも関わらず、内外装や操作性において充実した装備が得られない場合、購入後の満足度にも大きな影響を及ぼします。こうした点は、購入前の検討材料として非常に重要であり、ユーザー間でも意見が分かれるポイントとなっています。
まとめ
今回のレビューでは、実際にクラウンスポーツを所有し、レクサスNX、RX、ハリアーと比較した際の8つの欠点を中心に解説してきました。
エンジンラインナップの狭さや、リアシートヒーターの非搭載、パドルシフトや後部ドアの施錠解除の使い勝手の悪さ、内装の質感の低さ、ボンネットダンパーの非採用、全幅の大きさ、そして価格面での不利さが主な欠点として挙げられます。これらの要素は、スポーツ性や快適性、実用性を重視するユーザーにとって、大きな見直しポイントとなるでしょう。
全体として、クラウンスポーツはデザインや走行性能において一定の魅力があるものの、同価格帯のレクサスモデルと比較すると、細部の装備や操作性、実用性において劣る部分が目立つため、購入を検討する際にはこれらの点を十分に考慮する必要があります。
短いまとめながらも、各欠点の影響や競合車種との比較を踏まえた上で、ユーザー自身の使用環境やニーズに応じた選択が求められる車種と言えるでしょう。
以上の内容から、クラウンスポーツは一見スポーティな外観と走行性能を持ちながらも、内外装や操作性、実用性において改善の余地がある点が明確となりました。
特に、レクサスNXやRX、ハリアーと比較した場合、同価格帯でありながらも装備の充実度や利便性において劣る部分が目立つため、購入検討時にはこれらの点を十分に理解した上で判断することが重要です。
各欠点がどのような実用面の影響を及ぼすかを理解することで、ユーザー自身のライフスタイルや使用目的に合わせた最適な選択が可能になるでしょう。購入後の満足度を高めるためにも、各種装備の充実度や実用性に関する詳細な検討は不可欠です。
クラウンスポーツは、デザイン面や走行時の安定性、フロントシートの装備などで高い評価を受ける一方、今回取り上げた8つの欠点は、特にスポーツモデルとして期待される機能や実用性の面で改善が望まれます。
競合するレクサスモデルは、細部にわたる高級感や操作性、快適性の工夫が随所に見られるため、購入前にそれぞれの特徴を比較検討することが推奨されます。
ユーザーにとっては、見た目や走行性能だけでなく、日常使用時の細かい操作性や実用性も重要な判断基準となるため、今回のレビューを参考に、自身のニーズに合った最適な選択をしていただければと思います。