この記事では、高級車購入で陥るローン地獄の真実を解説しています。
近年、高級車の購入において「残価設定ローン」を利用する人が増えています。
特に、500万円以上の高級車を現金一括で購入するのは難しく、残価設定ローンを活用するケースが目立ちます。
しかし、このローン方式は一見すると月々の支払いが抑えられるように見えますが、実際には総支払額が膨らむリスクが高いことがわかりました。
本記事では、年収別のシミュレーションを通じて、残価設定ローンのメリットとデメリットを徹底解説します。
さらに、ローン地獄から抜け出すための具体的な対策も紹介します。
それでは解説していきます。
筆者の紹介
3列7人乗り仕様のレクサスRX450hL後期乗り。
2.3ｔながら4.5L相当の爆発的な加速がお気に入り。
残価設定ローンの仕組みとリスク
残価設定ローンとは？
残価設定ローンは、車の購入時に5年後の残存価値を設定し、その価値分を最後に一括で支払う仕組みです。
例えば、600万円の車を購入し、5年後の残存価値を300万円と設定した場合、300万円を5年間で分割して支払います。
月々の支払いは抑えられますが、5年後に300万円を一括で支払う必要があります。
月々の支払いは抑えられるが、総支払額は増える
残価設定ローンの最大のデメリットは、総支払額が通常のローンよりも高くなることです。
例えば、600万円の車を5年ローンで購入した場合、残価設定ローンの総支払額は約710万円になります。
一方、通常のローンでは約670万円です。つまり、残価設定ローンを利用すると、40万円以上の追加コストが発生します。
5年後の一括支払いが重荷に
残価設定ローンを利用する場合、5年後にまとまった金額を一括で支払う必要があります。
この支払いができないと、車を売却するか、再ローンを組むことになります。
しかし、売却しても残債が残る可能性が高く、再ローンを組むとさらに金利負担が増えるため、ローン地獄に陥るリスクが高まります。
年収別シミュレーション：アルファード購入の場合
年収400万円の場合
年収400万円の人がアルファードを残価設定ローンで購入した場合、月々の支払いは約7万円になります。
しかし、家賃や生活費を考慮すると、手取り月収26万円に対して支出が26万2145円となり、毎月2000円の赤字が発生します。
5年後には300万円の一括支払いが必要ですが、貯金がほとんどない状態では支払いが不可能です。
年収500万円の場合
年収500万円の場合、手取り月収は32万円です。同じ支出を仮定すると、月々の余裕は5万7000円になります。
しかし、急な出費や結婚式の費用などが発生すると、この余裕もすぐになくなります。
資産運用を活用しない限り、5年後の一括支払いは厳しい状況です。
年収600万円の場合
年収600万円の場合、手取り月収は38万円で、月々の余裕は11万円になります。
この余裕を貯金に回せば、5年後には500万円程度の貯金が可能です。しかし、急な出費が重なると、貯金が減るリスクがあります。
年収600万円以上であれば、残価設定ローンを利用してもある程度の余裕はありますが、リスクを十分に理解しておく必要があります。
年収700万円の場合
年収700万円の場合、手取り月収は44万円で、月々の余裕は17万円になります。
このレベルであれば、アルファードを無理なく維持できます。
しかし、年収700万円以上の人は日本では少数派であり、多くの人にとっては現実的ではありません。
ローン地獄から抜け出す方法
銀行ローンへの借り替え
残価設定ローンを利用している場合、銀行ローンへの借り替えを検討しましょう。
銀行ローンの金利は2～3％程度であり、残価設定ローンの5％に比べて大幅に低くなります。これにより、総支払額を100万円以上抑えることが可能です。
車の売却と買い替え
残価設定ローンを利用している車を売却し、リセールバリューの高い車に買い替えることも有効です。
例えば、300万円台の車であれば、カローラクロスやノアボクシーの中古車を購入することができます。これにより、5年後の一括支払いの負担を軽減できます。
資産運用の活用
年収500万円以上で月々の余裕がある場合は、資産運用を活用して貯金を増やすことも検討しましょう。
NISAなどの制度を利用すれば、資産を効率的に増やすことができます。
ただし、年収400万円以下の場合は、資産運用をする余裕がないため、まずは支出の見直しが優先です。
結論：無理のない車選びが重要
残価設定ローンは、月々の支払いを抑えられるというメリットがありますが、総支払額が増えるリスクが高いことを理解しておく必要があります。
特に、年収400万円以下の場合は、ローン地獄に陥るリスクが非常に高いため、無理のない車選びが重要です。
年収に見合った車を選び、貯金をしっかりと確保することで、将来の経済的な不安を軽減できます。
高級車を購入する際は、リスクと金利負担を十分に理解し、計画的に行動することが大切です。
無理な買い物を避け、将来に余裕を持てるライフプランを立てましょう。
