モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、新型40系ヴェルファイアの具体的な「支払い総額」や「維持費」が気になっていると思います。 私も実際に40系ヴェルファイアを所有し、その圧倒的な存在感と引き換えにかかるコストの重みを日々実感しているので、皆さんが慎重になる気持ちは痛いほどよくわかります。
引用 : メーカーHP
カタログ価格だけでは見えてこない、税金、オプション、そして購入後のランニングコスト。 これらを曖昧にしたまま契約書にサインするのは、あまりにリスクが高いと言わざるを得ません。
この記事を読み終える頃には、グレードごとの正確な乗り出し価格から、11年先までの維持費の推移まで、すべての疑問が解決しているはずです。
- グレード別乗り出し価格のリアルな内訳
- 残クレとローンによる月々支払額の徹底比較
- ハイオク仕様ターボとハイブリッドの維持費差
- 11年目までのディーラー車検費用シミュレーション
車買い替えのご検討中の方へ
新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
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40系ヴェルファイアのグレード構成と車両本体価格
まずは、現在ラインナップされている40系ヴェルファイアのグレード構成を整理しましょう。 40系は「アルファード」との差別化を明確にするため、廉価グレードを排除し、走りと豪華さを追求した構成になっています。
引用 : メーカーHP
グレード別の車両本体価格一覧
| グレード | エンジン | 駆動方式 | 車両本体価格(税込) |
|---|---|---|---|
| Z Premier | 2.4L ターボガソリン | 2WD (FF) | 6,550,000円 |
| Z Premier | 2.4L ターボガソリン | 4WD | 6,748,000円 |
| Z Premier | 2.5L ハイブリッド | 2WD (FF) | 6,900,000円 |
| Z Premier | 2.5L ハイブリッド | E-Four | 7,120,000円 |
| Executive Lounge | 2.5L ハイブリッド | 2WD (FF) | 8,700,000円 |
| Executive Lounge | 2.5L ハイブリッド | E-Four | 8,920,000円 |
40系ヴェルファイアの最大の特徴は、アルファードには設定のない「2.4L直列4気筒ターボエンジン」を搭載している点です。 かつての3.5L V6エンジンに代わるパワーユニットとして、非常にダイナミックな走りを実現していますが、その分「ガソリン代」には注意が必要です。
【グレード別】乗り出し価格(支払総額)のシミュレーション
乗り出し価格とは、車両本体価格に「メーカーオプション」「ディーラーオプション」「税金・諸費用」を加算した金額です。 ヴェルファイア級になると、オプションだけで100万円を超えるケースも珍しくありません。
引用 : メーカーHP
ここでは、標準的なオプション(左右独立ムーフ、デジタルインナーミラー、フロアマット等)を装着した状態を想定して算出します。
Z Premier(2.4Lターボ・2WD)の乗り出し価格
ターボモデルは「走りのヴェルファイア」を象徴するグレードです。 ハイブリッドに比べ環境性能割などの減税が少ないため、諸費用は高めになります。
| 項目 | 内容・金額 |
|---|---|
| 車両本体価格 | 6,550,000円 |
| メーカーオプション | 約150,000円(ムーフ等) |
| ディーラーオプション | 約300,000円(マット、コーティング等) |
| 税金・諸費用 | 約350,000円 |
| 乗り出し価格合計 | 約7,350,000円 |
Z Premier(2.5Lハイブリッド・2WD)の乗り出し価格
最も人気が高いのがこのハイブリッドモデルです。 エコカー減税の対象となるため、諸費用がターボモデルよりも15万円〜20万円ほど安く抑えられるのがメリットです。
| 項目 | 内容・金額 |
|---|---|
| 車両本体価格 | 6,900,000円 |
| メーカーオプション | 約150,000円 |
| ディーラーオプション | 約300,000円 |
| 税金・諸費用 | 約140,000円(減税適用) |
| 乗り出し価格合計 | 約7,490,000円 |
Executive Lounge(2.5Lハイブリッド・E-Four)の乗り出し価格
最上級グレードのエグゼクティブラウンジは、装備がほぼ標準で付いているものの、車両価格自体が突出しています。
| 項目 | 内容・金額 |
|---|---|
| 車両本体価格 | 8,920,000円 |
| メーカーオプション | 約50,000円(カラー代等) |
| ディーラーオプション | 約300,000円 |
| 税金・諸費用 | 約150,000円(減税適用) |
| 乗り出し価格合計 | 約9,420,000円 |
残価設定型クレジット(残クレ)での月々支払額
ヴェルファイアのようなリセールバリュー(売却価格)が高い車では、残クレを利用する方が非常に多いです。 トヨタの残クレは、一般的に3年後で車両価格の約50〜60%、5年後で35〜45%程度の残価が設定されます。
※金利3.9%、頭金なし、ボーナス払いなしの条件でシミュレーションします。
引用 : メーカーHP
残クレ:3年(36回)払いの場合
| グレード | 乗り出し総額 | 残価(目安) | 月々の支払額 |
|---|---|---|---|
| Z Premier (ガソリン) | 7,350,000円 | 4,200,000円 | 約105,000円 |
| Z Premier (HEV) | 7,490,000円 | 4,500,000円 | 約102,000円 |
| Executive Lounge | 9,420,000円 | 5,800,000円 | 約125,000円 |
ハイブリッドモデルは残価率が高く設定される傾向にあるため、車両価格は高くても月々の支払額がガソリン車より安くなる逆転現象が起きることもあります。
残クレ:5年(60回)払いの場合
| グレード | 乗り出し総額 | 残価(目安) | 月々の支払額 |
|---|---|---|---|
| Z Premier (ガソリン) | 7,350,000円 | 3,300,000円 | 約85,000円 |
| Z Premier (HEV) | 7,490,000円 | 3,500,000円 | 約84,000円 |
| Executive Lounge | 9,420,000円 | 4,500,000円 | 約108,000円 |
通常ローンでの月々支払額(フルローン)
車を自分の資産として完全に所有したい場合や、長期(7年〜10年)で乗りたい場合は通常ローンが選ばれます。 残価設定をしないため、月々の負担は大きくなります。
※金利4.9%、頭金なし、ボーナス払いなし。
5年(60回)および7年(84回)ローンの比較
| グレード | 5年払い(月額) | 7年払い(月額) |
|---|---|---|
| Z Premier (ガソリン) | 約138,000円 | 約103,000円 |
| Z Premier (HEV) | 約141,000円 | 約105,000円 |
| Executive Lounge | 約177,000円 | 約132,000円 |
通常ローンの場合、7年払いにしても月10万円を下回るのは難しく、かなりハードルが高いことがわかります。
ヴェルファイアの年間維持費を徹底分析
さて、購入した後に待っているのが「維持費」です。 ここを甘く見積もると、せっかくの高級車ライフが苦しいものになってしまいます。
ガソリン代の比較(ターボ vs ハイブリッド)
ここが最も大きな差が出るポイントです。
- 2.4Lターボ:ハイオク指定
- 2.5Lハイブリッド:レギュラー指定
年間走行距離10,000km、ハイオク180円/L、レギュラー170円/L、燃費はWLTCモードの80%で計算します。
| 項目 | 2.4L ターボ (実燃費 8km/L) | 2.5L HEV (実燃費 14km/L) |
|---|---|---|
| 年間使用量 | 1,250リットル | 714リットル |
| 油種 | ハイオク | レギュラー |
| 年間のガソリン代 | 225,000円 | 121,380円 |
その差は約10万円。ターボモデルを選ぶなら、このランニングコストの差を「走りの楽しさ」という付加価値として許容できるかが鍵となります。
タイヤ代とメンテナンス費用
40系ヴェルファイアは、Z Premier以上で「225/55R19」という大径タイヤを標準装備しています。 このサイズのタイヤは非常に高価です。
- タイヤ交換費用(4本)
- 国内トップブランド(ブリヂストン等):約160,000円〜220,000円
- 交換頻度:3年〜4年に1回
年間維持費として換算すると、タイヤ代だけで約50,000円/年を積み立てておく必要があります。
自動車税(種別割)
排気量によって決まります。
- 2.4Lターボ、2.5Lハイブリッド共に「2.0L超〜2.5L以下」の区分。
- 年間:43,500円(2019年10月以降の新車登録)
ディーラー車検費用のシミュレーション(11年目まで)
トヨタディーラーで車検を受ける際の、おおよその総額を算出しました。 ヴェルファイアは重量が重いため、重量税が高く、さらにブレーキパッドやブッシュ類の消耗も早めです。
車検回数ごとの費用目安
| 車検時期 | 経過年数 | 費用目安 | 主な交換・整備内容 |
|---|---|---|---|
| 初回車検 | 3年目 | 120,000円〜150,000円 | オイル類、消耗品交換 |
| 第2回車検 | 5年目 | 180,000円〜220,000円 | バッテリー、タイヤ交換時期 |
| 第3回車検 | 7年目 | 200,000円〜250,000円 | ベルト類、冷却水交換 |
| 第4回車検 | 9年目 | 250,000円〜300,000円 | 足回りブッシュ、ゴム類 |
| 第5回車検 | 11年目 | 300,000円〜 | 徹底的なリフレッシュ整備 |
※重量税、自賠責保険、印紙代の「法定費用」を含んだ概算です。 11年目ともなると、ハイブリッドシステム(駆動用バッテリー)の状態によってはさらに追加費用が発生する可能性があります。
40系ヴェルファイア所有を検討する方への補足・アドバイス
ここからは、私の所有経験を踏まえた「カタログには載っていない」リアルな注意点をお伝えします。
駐車場問題:サイズ制限に注意
ヴェルファイアの全幅は1,850mm、全長は4,995mmです。 特に注意すべきは「全高(1,935mm)」です。 古い機械式立体駐車場や、ショッピングモールの高さ制限(2.1m以下)はクリアできますが、1.8m制限などは絶対に入れません。自宅の駐車場サイズを今一度ご確認ください。
リセールバリューを見越した色・オプション選び
乗り出し価格が高いヴェルファイアですが、出口(売却時)も強いのが魅力です。 リセールで損をしないための鉄則は以下の通りです。
- ボディカラー: 「プラチナホワイトパールマイカ」または「ブラック」の2択。これ以外は10万円以上の査定差が出ることがあります。
- 必須オプション: 左右独立ムーフ(サンルーフ)は、装着費用以上のプラス査定になることが多いため、必ず付けるべきです。
アルファードとの「走り」の決定的な違い
もしあなたが「運転する楽しさ」を重視するなら、ヴェルファイアの2.4Lターボ一択です。 40系ヴェルファイアは、アルファードよりもボディ剛性を高める補強(フロントパフォーマンスブレース)が追加されており、ハンドルを切った瞬間の応答性が全く違います。 一方、後席のゲストを快適に運ぶのがメインなら、静粛性に優れたハイブリッドモデルの方が満足度は高いでしょう。
まとめ
40系ヴェルファイアは、手に入れるためのハードルも高いですが、それに見合うだけの「満足感」と「社会的ステータス」を与えてくれる一台です。
乗り出し価格の目安
- Z Premier:約735万円〜750万円
- Executive Lounge:約940万円〜
維持費の目安
- 年間:約40万円〜60万円(ガソリン、税金、保険、メンテ、駐車場代含まず)
高額な買い物ですが、計画的にシミュレーションを行い、リセールバリューを意識したグレード選びをすれば、結果的に「安く乗る」ことも可能です。 あなたのカーライフが、この素晴らしいフラッグシップミニバンによってより豊かなものになることを心から願っています。
筆者情報
二階堂 仁(にかいどう じん) モータージャーナリスト兼コラムニスト。慶應義塾大学卒業後、国内大手自動車メーカーにて車両開発に従事。その後、自動車への情熱を伝えるべく出版業界へ転身し独立。現在は複数の自動車メディアで試乗レポートや購入アドバイスを執筆中。 プライベートではレクサスLFA、日産スカイラインGT-R(R34)を所有。40系ヴェルファイアも発売直後に納車され、現在デイリーユースとして活用している。

