モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、レクサスGXの購入を検討しつつも、「維持費、特にタイヤ代が高すぎて後悔する」という噂が気になっているのではないでしょうか。私もGXオーナーとして、購入前には全く同じ不安を抱えていましたので、そのお気持ちは痛いほどよくわかります。
引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/gx/)
レクサスGXは、その圧倒的な存在感と悪路走破性、そしてレクサスならではの上質な乗り心地を兼ね備えた、まさに唯一無二の本格オフローダーです。しかし、その性能を維持するためには、相応のコストがかかるのもまた事実。特に、専門的な情報を得にくいタイヤの費用については、様々な憶測が飛び交っています。
この記事では、私の実体験とジャーナリストとしての知見を基に、その噂の真相を徹底的に解明していきます。
この記事を読み終える頃には、レクサスGXの維持費の実態と、後悔しないための具体的なポイントについての疑問が、スッキリ解決しているはずです。
記事のポイント
- レクサスGXのリアルな年間維持費の内訳
- 噂の真相 タイヤ代は本当に高額なのか徹底解剖
- 購入後に後悔する人と心から満足する人の決定的な違い
- 明日から使える維持費を賢く抑える具体的なテクニック

噂の真相解明!レクサスGXは本当に維持費で後悔するのか?
レクサスGXというクルマは、多くのドライバーにとって憧れの存在です。しかし、その一方で「維持費の高さに驚いて手放した」というような、ネガティブな声が聞こえてくるのも事実。まずは、なぜそのような噂が立つのか、そしてその真相はどこにあるのかを、多角的に分析していきましょう。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/gx/)
まずは結論から:GXの維持費で後悔する可能性は「ある」。しかし…
いきなり核心から申し上げますが、レクサスGXの維持費で後悔する可能性は、残念ながら「あります」。ただし、それは「誰にでも当てはまる」わけではありません。後悔するかしないかの分水嶺は、**「購入前に、GXというクルマの特性と、それに伴う維持費の全体像を正確に理解し、自身のカーライフや予算と照らし合わせているか」**という一点に尽きます。
GXは一般的な乗用車と比較すれば、あらゆる面でコストがかかるのは間違いありません。しかし、そのコストに見合う、あるいはそれ以上の価値と満足感を提供してくれるクルマであることもまた、紛れもない事実です。問題は、その価値を享受できる準備ができているかどうか、という点にあります。
なぜ「維持費が高い」という噂が流れるのか?3つの大きな理由
では、なぜGXの維持費は高いと言われるのでしょうか。その主な要因は、以下の3つに集約されます。
理由1:絶対的な車両価格と税金の高さ
レクサスGXは、ご存知の通りプレミアムSUVであり、車両本体価格は1,235万円からと、決して安価ではありません。そして、クルマの維持費の根幹をなす税金は、この車両価格や排気量、重量に比例して高くなります。
- 自動車税(種別割): GXに搭載されるV6 3.5Lツインターボエンジンの排気量は3,444cc。これにより、年間の自動車税は58,000円となります(3.0L超~3.5L以下区分)。
- 自動車重量税: 車両重量は2.3トンを超え、2.5トンに迫ります。そのため、車検時に納める重量税も高額になります(2年自家用で57,400円)。
これらは法律で定められた金額であり、避けては通れない固定費です。この時点で、一般的な2.0Lクラスの乗用車(自動車税36,000円、重量税32,800円)と比較して、年間で約4万円以上の差が生じることになります。
理由2:大排気量ツインターボエンジンによる燃費
GXの心臓部であるV6 3.5Lツインターボエンジンは、最高出力353ps、最大トルク650Nmという、巨体を軽々と加速させるパワフルなユニットです。その代償として、燃費性能は決して良いとは言えません。
公式のWLTCモード燃費は8.1km/Lですが、これはあくまでカタログ値。私の実体験や他のオーナーの報告を総合すると、都心部のストップ&ゴーが多い環境では5~6km/L、高速道路を巡航してようやく8~10km/Lに届くかどうか、というのが現実的な数値です。
仮に年間10,000km走行し、ハイオクガソリンの価格を185円/L、実燃費を6.5km/Lと仮定すると、年間のガソリン代は約284,600円にも達します。燃費20km/Lのハイブリッド車(年間ガソリン代 約92,500円)と比較すると、その差は歴然です。
理由3:消耗品、特にタイヤの価格
そして、今回の最大のテーマである「タイヤ」です。GXは、その車重とパワーを支え、かつ高いオフロード性能を発揮するために、大径で特殊なタイヤを装着しています。グレードによってサイズは異なりますが、例えば「OVERTRAIL+」グレードでは265/70R18というサイズのオールテレーンタイヤが標準装備されています。
このクラスのタイヤは、一般的な乗用車のタイヤと比較して、価格が数倍になることも珍しくありません。さらに、降雪地域にお住まいの方であれば、同等サイズのスタッドレスタイヤも必要になります。これが、「GXの維持費はタイヤ代で跳ね上がる」という噂の根源となっているのです。この点については、後のセクションでさらに詳しく、具体的な金額を挙げて解説します。
SNSやネットの声を分析:「後悔した」オーナーの共通点
実際に「#レクサスGX #後悔」といったキーワードでSNSを検索すると、いくつかの投稿が見受けられます。それらの内容を分析すると、いくつかの共通点が見えてきました。
- 燃費の悪さを想定していなかった: 「デザインに一目惚れして購入したが、毎月のガソリン代の請求書を見て愕然とした」
- 消耗品交換費用の高さに驚いた: 「初めてのタイヤ交換で見積もりを取ったら30万円を超えていた。聞いてない…」
- 狭い道での取り回しに苦労: 「全長約5m、全幅約2mのサイズ感は、日本の道路事情ではストレスに感じることが多い」
- ライフスタイルの変化: 「子供が独立して、こんなに大きなクルマは必要なくなった」
これらの声からわかるのは、GXの持つネガティブな側面を十分に理解しないまま、あるいは自身のライフスタイルとのマッチングを深く考えずに購入に踏み切ってしまったケースが多いということです。
一方で「満足している」オーナーの声も多数!その理由は?
もちろん、ネガティブな声ばかりではありません。むしろ、GXに心から満足し、最高のカーライフを送っているオーナーの方が圧倒的に多いと私は感じています。
- 唯一無二のデザインと存在感: 「どこへ行っても注目される。所有する喜びは何物にも代えがたい」
- 圧倒的な悪路走破性: 「週末はGXで林道や河原へ。これまで行けなかった場所に行けるようになり、趣味の世界が広がった」
- 高速道路での安定性と静粛性: 「長距離運転が全く苦にならない。まるで高級セダンで移動しているかのよう」
- 高いリセールバリュー: 「いざとなれば高く売れるという安心感がある」
満足しているオーナーは、GXの維持費を「このクルマでしか得られない体験への対価」として捉えています。コストがかかることを承知の上で、それを上回る価値を見出しているのです。
私自身の体験談:ジャーナリスト兼オーナーが語るGXの維持費の実感
私自身もGXのオーナーとして、日々その維持費を実感しています。正直に申し上げて、決して「安い」とは言えません。特に、以前所有していた2.5Lのセダンと比較すると、ガソリンスタンドへ行く回数も、一度の給油量も明らかに増えました。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/gx/)
しかし、それを「後悔」しているかと問われれば、答えは断固として「NO」です。
例えば、先日の大雪の日。多くの車が立ち往生する中、GXは何事もなかったかのように雪道を力強く進んでくれました。また、家族を乗せてキャンプに出かけた際には、ぬかるんだキャンプサイトにも臆することなく進入でき、他のキャンパーから羨望の眼差しを向けられました。
高速道路を走れば、その重厚なボディがもたらす矢のような直進安定性と、車内に響くマークレビンソン製のプレミアムサウンドが、移動時間を至福のひとときへと変えてくれます。
これらの体験は、GXでなければ味わえなかったものです。私にとってGXの維持費は、こうした特別な体験と、いかなる状況でも家族を守ってくれるという絶対的な安心感を得るための、必要経費だと考えています。
兄弟車・ライバル車との維持費比較
GXの維持費を客観的に評価するために、トヨタブランドの兄弟車や、海外のライバル車と比較してみましょう。ここでは、年間の税金と、10,000km走行時のガソリン代(ハイオク185円/L, 軽油160円/L, レギュラー175円/Lで計算)を比較します。
車種 | エンジン | 自動車税 | ガソリン代 (年間1万km) | 合計 (年間) |
---|---|---|---|---|
レクサス GX550 | 3.5L V6ツインターボ | 58,000円 | 約284,600円 (実燃費6.5km/L) | 約342,600円 |
トヨタ ランドクルーザー300 (ZX・ガソリン) | 3.5L V6ツインターボ | 58,000円 | 約264,300円 (実燃費7.0km/L) | 約322,300円 |
トヨタ ランドクルーザー250 (ディーゼル) | 2.8L 直4ディーゼルターボ | 51,000円 | 約160,000円 (実燃費10.0km/L) | 約211,000円 |
メルセデス・ベンツ G400d | 3.0L 直6ディーゼルターボ | 51,000円 | 約177,800円 (実燃費9.0km/L) | 約228,800円 |
BMW X5 xDrive40d | 3.0L 直6ディーゼルターボ | 51,000円 | 約145,500円 (実燃費11.0km/L) | 約196,500円 |
※ガソリン代は実燃費の想定値に基づく概算です。
この表からわかるように、GXはランドクルーザー300のガソリンモデルとほぼ同等ですが、燃費の良いディーゼルモデルと比較すると、税金と燃料代だけで年間10万円以上の差が出ます。特にランドクルーザー250との差は顕著です。
メルセデスやBMWのディーゼルモデルと比較しても、GXの燃料コストは高くなる傾向にあります。ただし、輸入車の場合は、後述するメンテナンス費用や部品代が国産車よりも高額になる傾向があるため、トータルの維持費では逆転する可能性も十分に考えられます。
「後悔」は維持費だけが原因ではない?考えられる他の要因
GXを手放す理由は、必ずしも維持費だけではありません。
- 大きすぎるボディサイズ: 日本の一般的な駐車場(幅2.5m)では、全幅1,980mmのGXの乗り降りは非常に窮屈です。また、狭い路地やコインパーキングでは、その大きさが大きなストレスになることもあります。
- 乗り心地の硬さ: 特にオフロード性能を重視した「OVERTRAIL+」は、オンロードでの乗り心地が硬めに感じられることがあります。同乗者、特に車酔いしやすい方からは不評を買う可能性も否定できません。
- 先進安全装備の物足りなさ: 最新のレクサス車と比較すると、運転支援システムの機能がやや見劣りする部分があると感じる方もいるかもしれません。
これらのミスマッチも、「こんなはずじゃなかった」という後悔につながる重要な要因です。
【完全網羅】レクサスGXの年間維持費シミュレーションと節約術
ここからは、レクサスGXを所有した場合にかかる年間の維持費を、より具体的に、項目ごとにシミュレーションしていきます。そして、それぞれの費用を賢く抑えるための実践的なテクニックも合わせてご紹介します。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/gx/)
シミュレーションの前に:GXのグレードと基本スペック
まず、対象となるGXの基本情報を確認しておきましょう。
- グレード: GX550 “OVERTRAIL+”
- エンジン: 3.5L V6ツインターボ
- 車両重量: 2,410kg
- 使用燃料: 無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)
- WLTCモード燃費: 8.1km/L
このスペックを基に、各費用を算出していきます。
①税金(自動車税・重量税)はいくら?
これは法律で定められた固定費です。
- 自動車税(種別割): 58,000円 / 年
- 自動車重量税: 57,400円 / 2年(車検時) → 年間換算 28,700円
合計: 86,700円 / 年
節約の余地はありませんが、購入時期を月初にすることで、初年度の自動車税をわずかに抑えることができます。
②保険料(自賠責・任意保険)のリアルな相場
- 自賠責保険: 17,650円 / 2年(車検時) → 年間換算 8,825円
これも固定費ですが、任意保険は条件によって大きく変動します。
- 任意保険:
- 条件: 35歳、ゴールド免許、20等級、本人・配偶者限定、車両保険あり(一般条件)
- 相場: 年間 80,000円 ~ 150,000円
GXは車両保険価額が高額になるため、保険料も高くなる傾向にあります。
【節約術】
- 複数の保険会社で見積もりを取る: ネットの一括見積もりサイトなどを活用し、最も条件の良い保険会社を選びましょう。同じ補償内容でも、年間数万円の差が出ることがあります。
- 不要な特約を見直す: 弁護士費用特約や個人賠償責任特約など、他の保険(火災保険など)と重複している場合は見直しの余地があります。
- 車両保険の免責金額を設定する: 免責金額(自己負担額)を高く設定する(例:1回目5万円、2回目以降10万円など)ことで、保険料を安く抑えることができます。
③燃料代(ガソリン代)- 実燃費から計算する月々のコスト
GXの維持費で最も大きな割合を占めるのが燃料代です。
- 条件: 年間走行距離10,000km、ハイオク185円/L、実燃費6.5km/L
- 計算式: (10,000km ÷ 6.5km/L) × 185円/L = 約284,615円
- 月々: 約23,718円
年間走行距離が20,000kmになれば、単純計算でこの倍、約57万円ものガソリン代がかかることになります。
【節約術】
- エコドライブを心がける: 急発進・急加速・急ブレーキを避け、穏やかな運転を心がけるだけで、燃費は10%以上改善することもあります。
- タイヤの空気圧を適正に保つ: 空気圧が低いと転がり抵抗が増え、燃費が悪化します。月に一度はチェックしましょう。
- 不要な荷物は降ろす: 車重が重くなると燃費は悪化します。使わないゴルフバッグやキャンプ用品は、その都度降ろす習慣をつけましょう。
④メンテナンス費用(車検・オイル交換・その他)
レクサスならではの手厚いサービスを受けられる一方、費用もそれなりにかかります。
レクサス正規ディーラーでのメンテナンス費用
レクサスには、新車購入から3年間(走行距離6万kmまで)のメンテナンスが無料になる「レクサスケアメンテナンスプログラム」が付帯しています。これには、1ヶ月、6ヶ月ごとの点検と、12ヶ月、24ヶ月の法定点検、そして指定された消耗品の交換(オイル、オイルフィルター、ワイパーゴムなど)が含まれます。
問題は、3年目以降です。
- 初回車検(3年目):
- 法定費用(重量税、自賠責、印紙代): 約78,000円
- 車検基本料・整備費用: 約80,000円~150,000円(交換部品による)
- 合計: 約160,000円 ~ 230,000円
- 2回目以降の車検(5年目、7年目…):
- 上記に加え、ブレーキフルード、バッテリー、冷却水、タイヤなどの交換が必要になる可能性が高く、250,000円 ~ 400,000円以上になることも考えられます。
- 定期的なオイル交換:
- プログラム終了後、ディーラーでオイル交換を行うと、オイル・フィルター交換込みで15,000円 ~ 25,000円程度が目安です。
ディーラー以外でのメンテナンスという選択肢
車検やメンテナンスを、ディーラーではなく民間の整備工場やカー用品店に依頼することで、費用を抑えることが可能です。特に車検基本料は、ディーラーの半額以下で済む場合もあります。
ただし、レクサス車に精通したメカニックがいるか、専用の診断機を持っているかなどを事前に確認することが重要です。また、ディーラーで受けられるラウンジサービスなどの付加価値は失われます。
⑤最重要項目:タイヤ代は年間いくらかかる?
いよいよ本題のタイヤ費用です。噂通り、ここはGXの維持費における最大の関門となり得ます。
純正タイヤのサイズと価格
GX550 “OVERTRAIL+”に標準装備されているのは、265/70R18サイズのオールテレーンタイヤです。このサイズのタイヤを一流ブランド(ブリヂストン、ダンロップ、トーヨーなど)で購入した場合、4本セットで約180,000円 ~ 300,000円が相場となります。
スタッドレスタイヤの価格と必要性
降雪地域にお住まいの場合、冬用タイヤは必須です。サマータイヤと同等サイズのスタッドレスタイヤを購入すると、こちらも一流ブランド品で4本セット約200,000円 ~ 350,000円程度かかります。さらに、ホイールも別途購入するとなると、安価なものでも10万円以上、純正品や有名ブランド品を選べば30万円以上が追加で必要になります。
つまり、夏用・冬用のタイヤとホイールを揃えるだけで、初期投資として50万円 ~ 80万円以上の費用がかかる可能性があるのです。これが「タイヤ代が高すぎる」と言われる最大の理由です。
タイヤ交換費用(サマー⇔スタッドレス)
年に2回の履き替え作業にも工賃がかかります。
- ディーラーやタイヤ専門店での工賃: 1本あたり3,000円~5,000円程度。4本で12,000円 ~ 20,000円。
- タイヤ保管サービス: 自宅に保管場所がない場合、専門店の保管サービスを利用すると、年間15,000円 ~ 30,000円程度かかります。
タイヤ代を賢く抑える3つの方法
高額なタイヤ代ですが、工夫次第で賢く節約することが可能です。
- アジアンブランドのタイヤを選択肢に入れる: 近年、ハンコック(韓国)やマキシス(台湾)といったアジアメーカーのタイヤは品質が著しく向上しており、国産ブランドの6~7割程度の価格で購入できる場合があります。性能と価格のバランスを考え、選択肢の一つとして検討する価値は十分にあります。
- タイヤ通販サイトと持ち込み交換サービスを活用する: タイヤは実店舗よりもインターネット通販の方が安く購入できるケースがほとんどです。通販で購入したタイヤを、持ち込みで交換してくれる整備工場(「タイヤピット」などのサービスで探せます)に依頼すれば、トータルの費用を大幅に削減できます。
- オールシーズンタイヤを検討する: 「OVERTRAIL+」標準のオールテレーンタイヤは、多少の雪道なら走行可能ですが、凍結路(アイスバーン)には対応できません。しかし、最近は雪道性能を強化した「オールシーズンタイヤ」も増えています。降雪が比較的少ない地域であれば、スタッドレスタイヤを持たずにオールシーズンタイヤで一年を過ごす、という選択も現実的です。これにより、スタッドレスタイヤの購入費用と履き替えの手間・費用を丸ごと節約できます。
【表で比較】年間維持費トータルシミュレーション(年間走行距離別)
これまでの項目を合計し、年間維持費がトータルでいくらになるのかをシミュレーションしてみましょう。(※初年度の3年間はメンテプログラム適用、4年目以降を想定。タイヤ交換費用は4年ごととし、年平均で計上)
項目 | 年間走行距離 5,000km | 年間走行距離 10,000km | 年間走行距離 15,000km |
---|---|---|---|
税金 | 86,700円 | 86,700円 | 86,700円 |
保険料 (任意保険含む) | 98,825円 | 98,825円 | 98,825円 |
燃料代 | 約142,300円 | 約284,600円 | 約426,900円 |
メンテナンス費用 (車検代含む) | 約120,000円 | 約120,000円 | 約120,000円 |
タイヤ代 (サマータイヤ年割) | 約62,500円 | 約62,500円 | 約62,500円 |
合計 (年間) | 約510,325円 | 約652,625円 | 約794,925円 |
月々換算 | 約42,500円 | 約54,400円 | 約66,200円 |
※スタッドレスタイヤ購入費、駐車場代は含みません。
このシミュレーション結果は、あくまで一例です。しかし、レクサスGXを所有するには、駐車場代などを除いても、月々5万円~7万円程度の維持費がかかることを覚悟しておく必要がある、ということがお分かりいただけたかと思います。
最終兵器「リセールバリュー」が維持費を劇的に軽減する!
ここまで維持費の話ばかりしてきましたが、GXにはそれを補って余りある強力な武器があります。それが**「圧倒的に高いリセールバリュー(再販価値)」**です。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/gx/)
レクサスのLXや、兄弟車であるランドクルーザーがそうであるように、GXもまた、数年後の買取価格が非常に高く維持されることが予想されます。海外での人気が非常に高いため、中古車市場でも値崩れしにくいのです。
例えば、5年後に車両価格の60%で売却できたとします。1,235万円の車両であれば、約741万円が手元に戻ってくる計算です。これは、5年間でかかった維持費の大部分を相殺できるほどの金額です。
つまり、月々の支払いは高額でも、最終的なトータルコストで考えれば、リセールバリューの低い他の車種よりも結果的にお得になる、という逆転現象すら起こり得るのです。この視点は、GXの購入を検討する上で絶対に忘れてはならない重要なポイントです。
まとめ
さて、今回は「レクサスGXは購入後に後悔するのか?」というテーマで、特に維持費、中でも高額と噂されるタイヤ代に焦点を当てて徹底的にレビューしてきました。
結論として、レクサスGXは確かに一般的な乗用車と比較して維持費がかかるクルマです。特に、年間走行距離が多い方や、降雪地でスタッドレスタイヤが必須となる方にとっては、燃料代とタイヤ代が大きな負担となる可能性があります。
しかし、その維持費は、GXが提供してくれる唯一無二の価値――いかなる道も走破する力強さ、乗る者を魅了する存在感、そしてレクサスならではの上質な時間と安心感――への対価です。そして、その費用も、タイヤの選び方やメンテナンスの方法を工夫することで、賢くコントロールすることが可能です。
さらに、忘れてはならないのが、その圧倒的なリセールバリューです。これは、月々の維持費という短期的な視点だけでは見えてこない、GXの持つ大きな経済的メリットと言えるでしょう。
レクサスGXの購入で後悔しないために最も重要なのは、ご自身のライフスタイル(年間走行距離、アウトドア活動の頻度など)と、このクルマにかけられる予算を冷静に見極めることです。本日のレビューで示した具体的な数字を参考に、ぜひご自身のケースに当てはめてシミュレーションしてみてください。そして、ディーラーで試乗し、そのサイズ感や乗り心地をご自身で体感することをお勧めします。
その上で、「このクルマとなら、最高のカーライフが送れる」と確信できたなら、GXはあなたにとって、後悔どころか、人生を豊かにしてくれる最高の相棒となるはずです。