モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、「年収300万円で、憧れのベンツGLBを手に入れることなんて本当に可能なのだろうか?」という期待と不安が入り混じった気持ちでいるのではないでしょうか。私も実際にGLBを所有しており、その魅力と現実的なコストを日々体感しているので、その気になる気持ちはよくわかります。

引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/glb/overview.html)
この記事を読み終える頃には、年収300万円でベンツGLBを購入するための具体的な道筋と、購入後のリアルなカーライフの疑問が解決しているはずです。
記事のポイント
- 年収300万円でのGLB購入の現実的な結論
- 無理なく購入するための具体的なテクニック
- 購入後のリアルな年間維持費シミュレーション
- 中古車選びで失敗しないための重要ポイント

ベンツGLBの基本情報とオーナーだからこそ語れる魅力
まず、我々を惹きつけてやまないメルセデス・ベンツGLBがどのような車なのか、その基本情報と魅力について、オーナー目線も交えながら深く掘り下げていきましょう。GLBは単なる移動手段ではなく、ライフスタイルを豊かに彩ってくれる特別な存在です。

引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/glb/overview.html)
ベンツGLBはどんな車?他のSUVとは一線を画す人気の理由
メルセデス・ベンツGLBは、2020年に日本市場に投入された比較的新しいモデルでありながら、瞬く間に人気SUVの仲間入りを果たしました。その最大の理由は、メルセデスのSUVラインナップの中で絶妙なポジションに位置している点にあります。
スクエアで力強い唯一無二のデザイン
まず目を引くのが、そのデザインです。昨今のSUVが流線的でクーペのようなフォルムを採用する中で、GLBは往年の名車であるGクラス(ゲレンデヴァーゲン)を彷彿とさせる、スクエアで力強いエクステリアデザインを採用しています。 この直線基調のデザインは、見た目のタフさや存在感を高めるだけでなく、室内空間の確保という実用的なメリットにも直結しています。それでいて、細部のデザインはメルセデスらしく洗練されており、都会的なシーンにも違和感なく溶け込みます。私もこの無骨さと洗練さのバランスに一目惚れしました。
コンパクトなのに3列シートも選べるパッケージング
GLBの特筆すべき点は、全長4,650mm×全幅1,845mmという、日本の道路事情でも扱いやすいボディサイズでありながら、オプションで3列目シートを備えた7人乗り仕様を選択できることです。 もちろん、3列目シートは大人が長時間快適に過ごせるほどの広さではありませんが、「いざという時に多人数で乗れる」という安心感は非常に大きいものがあります。子供の友達を乗せたり、両親を連れて食事に行ったりと、カーライフの可能性を大きく広げてくれます。普段は3列目シートを格納しておけば、広大なラゲッジスペースとして活用できるため、キャンプやアウトドアレジャーの相棒としても最適です。
先進的で上質なインテリア
ドアを開ければ、メルセデスならではの上質で先進的なインテリアが迎えてくれます。ジェットエンジンのタービンをモチーフにしたエアコン吹き出し口や、10.25インチの大型ディスプレイが2枚並んだインストゥルメントパネルは、乗るたびに所有する喜びを感じさせてくれます。 「ハイ、メルセデス」でおなじみの対話型インフォテインメントシステム「MBUX」も搭載されており、ナビの目的地設定やエアコンの温度調整などを音声で操作可能。運転に集中できる環境を提供してくれます。
ベンツGLBの多彩なグレード展開と新車価格
GLBは、搭載されるエンジンや駆動方式によって、いくつかのグレードが用意されています。それぞれの特徴と新車価格(発売当時や現行に近い価格)を把握しておきましょう。
グレード名 | エンジン | 駆動方式 | 最高出力 | 最大トルク | 新車価格(目安) | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|---|
GLB 180 | 1.4L 直4ガソリンターボ | FF | 136ps | 200Nm | 約590万円〜 | エントリーモデル。街乗りに十分な性能と経済性を両立。 |
GLB 200 d 4MATIC | 2.0L 直4ディーゼルターボ | 4WD | 150ps | 320Nm | 約630万円〜 | 力強いトルクと低燃費が魅力。4WDで悪路走破性も高い人気グレード。 |
Mercedes-AMG GLB 35 4MATIC | 2.0L 直4ガソリンターボ | 4WD | 306ps | 400Nm | 約820万円〜 | AMGが手掛けたハイパフォーマンスモデル。圧倒的な走行性能を誇る。 |
年収300万円での購入を考えると、現実的な選択肢は**「GLB 180」または「GLB 200 d 4MATIC」**の中古車となるでしょう。特にディーゼルモデルの「200 d」は、力強い走りと燃料費の安さから非常に人気が高く、中古車市場でも中心的な存在です。
ベンツGLBの中古車市場の現状と価格相場
では、現在のGLBの中古車市場はどのような状況なのでしょうか。2020年のデビューから数年が経過し、市場には良質な中古車が豊富に流通し始めています。
年式と走行距離による価格帯
中古車価格は、年式、走行距離、グレード、装備、車両の状態で大きく変動しますが、おおよその目安は以下の通りです。
年式 | 走行距離 | 車両価格帯(目安) |
---|---|---|
2020年〜2021年式 | 3万km〜5万km | 350万円〜450万円 |
2021年〜2022年式 | 1万km〜3万km | 400万円〜500万円 |
2023年式以降 | 1万km未満 | 480万円〜 |
ご覧の通り、初期モデルであれば300万円台から狙える個体も出てきており、年収300万円という予算でも十分に射程圏内に入ってきていることがわかります。
認定中古車という選択肢
メルセデス・ベンツには「サーティファイドカー」と呼ばれる正規の認定中古車制度があります。一般の中古車販売店で購入するよりも価格は高めになる傾向がありますが、以下のような大きなメリットがあります。
- 最大100項目にも及ぶ徹底した点検・整備
- 走行距離無制限の2年間または1年間の保証
- 24時間対応のツーリングサポート
特に初めての輸入車購入で故障が不安な方にとっては、この安心感は非常に価値のあるものです。予算が許すのであれば、認定中古車を積極的に検討することをおすすめします。
年収300万円でベンツGLBは購入できるのか徹底検証
さて、いよいよ本題です。具体的な数字をもとに、年収300万円でベンツGLBの購入が現実的なのかを徹底的に検証していきましょう。夢を現実に変えるための、具体的な方法論がここにあります。

引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/glb/overview.html)
結論:年収300万円でベンツGLBの購入は「工夫次第で十分可能」
いきなり結論から申し上げます。年収300万円でベンツGLBを購入することは、決して無謀な挑戦ではありません。しかし、無計画に購入できるほど甘くはなく、いくつかの工夫と周到な資金計画が必要不可欠です。
重要なのは、憧れだけで突っ走るのではなく、ローンや維持費といった現実的な問題を直視し、一つひとつクリアしていくことです。
自動車ローンの一般的な審査基準「返済負担率」とは?
自動車ローンを組む際に、金融機関が最も重視する指標の一つが**「返済負担率(返済比率)」です。これは、年収に占める年間のローン返済総額の割合を示すもので、一般的に30%〜35%**が上限の目安とされています。
- 年収300万円の場合の年間返済上限額
- 300万円 × 30% = 90万円
- 月々の返済上限額
- 90万円 ÷ 12ヶ月 = 7.5万円
つまり、年収300万円の方が自動車ローンを組む場合、他の借り入れ(住宅ローンやカードローンなど)がなければ、月々7.5万円程度までなら審査に通る可能性が高いということになります。この「7.5万円」という数字が、我々のシミュレーションの基準となります。
シミュレーション①:中古のGLB 200 d(車両価格380万円)を通常ローンで購入
最も現実的な選択肢である、価格がこなれてきた初期モデルの中古車を通常ローンで購入するケースでシミュレーションしてみましょう。
- 車両情報
- モデル:メルセデス・ベンツ GLB 200 d 4MATIC
- 年式:2020年式
- 走行距離:4万km
- 車両本体価格:380万円
- ローン条件
- 金利:年3.0%(銀行系マイカーローンの平均的な金利)
- 返済期間:5年(60回)、7年(84回)
頭金の金額別 月々の返済額
頭金 | 借入額 | 支払回数: 60回(5年) | 支払回数: 84回(7年) |
---|---|---|---|
なし | 380万円 | 約68,000円 | 約50,000円 |
50万円 | 330万円 | 約59,000円 | 約43,000円 |
100万円 | 280万円 | 約50,000円 | 約37,000円 |
このシミュレーション結果を見ると、非常に興味深いことがわかります。
頭金なしでも、7年ローンを組めば月々の返済額は約5万円となり、先ほどの返済上限額7.5万円を大きく下回ります。5年ローンでも約6.8万円と、十分に現実的な範囲内です。もし100万円の頭金を用意できれば、5年ローンでも月々5万円となり、家計への負担をかなり軽減できます。
この結果は、年収300万円でのGLB購入に大きな希望を与えてくれるものではないでしょうか。
シミュレーション②:残価設定ローンを活用した購入
次に、月々の支払いを抑える方法として人気のある「残価設定ローン(残クレ)」を利用した場合も見てみましょう。
残価設定ローンとは?
車両価格の一部を最終回の支払いまで据え置き(これを「残価」と呼びます)、残りの金額を分割で支払う方法です。月々の支払い額を大幅に低くできるメリットがありますが、最終回の支払い方法(一括返済、再ローン、車両返却)を選択する必要がある、走行距離に制限があるなどの注意点もあります。
- シミュレーション条件
- 車両本体価格:380万円
- 頭金:50万円
- 支払回数:5年(60回)
- 金利:年3.0%
- 5年後の残価設定額:130万円(車両価格の約34%と仮定)
- 月々の返済額の比較
ローン種別 | 計算対象額 | 月々の支払額 |
---|---|---|
通常ローン | 330万円(380万円 – 頭金50万円) | 約59,000円 |
残価設定ローン | 200万円(380万円 – 頭金50万円 – 残価130万円) | 約36,000円 |
結果は一目瞭然です。残価設定ローンを利用することで、月々の支払額を約23,000円も圧縮することができました。毎月の固定費を少しでも抑えたい方にとっては、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。ただし、最終的に車を自分のものにしたい場合は、残価の一括返済が必要になることを忘れてはいけません。
年収300万円でも無理なくGLBオーナーになるための5つのテクニック
シミュレーションで可能性が見えてきたところで、夢を現実に変えるための、より具体的な5つのテクニックをご紹介します。これらを組み合わせることで、GLBオーナーへの道はさらに確実なものになります。
テクニック1:頭金をしっかり準備する
シミュレーションでも示した通り、頭金の有無は月々の返済額と総支払額に絶大な影響を与えます。借入額が減れば、支払う利息も当然少なくなります。目標の車両価格の2割~3割(380万円なら約76万円~114万円)を目標に、計画的に貯金を進めることが、無理のない購入への一番の近道です。
テクニック2:低金利のローンを徹底的に探す
ディーラーで勧められるローンをそのまま契約するのではなく、必ず複数の金融機関を比較検討しましょう。特に、お取引のある銀行や信用金庫のマイカーローンは、ディーラーローンよりも低い金利が設定されていることが多く、キャンペーン金利が適用されることもあります。金利が1%違うだけでも、総支払額は数十万円単位で変わってきます。
テクニック3:購入する中古車のグレードや年式を賢く選ぶ
「どうしてもディーゼルモデルがいい」「最新の装備が欲しい」といったこだわりも大切ですが、少し視野を広げてみましょう。例えば、ガソリンモデルの「GLB 180」は中古車価格が比較的リーズナブルですし、街乗り中心であれば動力性能に不満を感じることはまずありません。年式を1年古くする、走行距離が少し多めの個体を選ぶといった工夫で、購入価格を大きく下げられる可能性があります。
テクニック4:現在の愛車を最高値で売却する
もし現在、車を所有しているのであれば、その車をいかに高く売却するかが極めて重要です。ディーラーでの下取りは手続きが楽な反面、買取価格は低めになる傾向があります。必ず複数の車買取専門店に査定を依頼し、最も高い価格を提示した業者に売却しましょう。今はネットで簡単に一括査定が申し込めるので、手間を惜しまず行動することが、数十万円の差を生むことも珍しくありません。
テクニック5:所有にこだわらないならリースも検討
「とにかく一度GLBに乗ってみたい」という気持ちが強いのであれば、カーリースも有効な選択肢です。リースは月々定額の料金で新車に乗ることができ、料金には税金や車検費用が含まれているプランも多く、急な出費の心配が少ないのがメリットです。ただし、契約期間が終了したら車を返却する必要があり、自分の所有物にはならない点を理解しておく必要があります。
ベンツGLB購入後の維持費は年間いくらかかる?
車両の購入費用だけでなく、所有し続けるために必要な「維持費」を正確に把握しておくことは、長期的な資金計画において非常に重要です。「外車は維持費が高い」というイメージがありますが、GLBの場合はどうなのでしょうか。

引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/glb/overview.html)
ベンツGLBのリアルな年間維持費の内訳
車の維持費は、大きく分けて「税金・保険料」と「メンテナンス費用」に分類されます。
- 税金・保険料(毎年必ずかかる費用)
- 自動車税:排気量に応じて課税。年に1回。
- 自動車重量税:車両重量に応じて課税。車検時に2年分をまとめて支払う。
- 自賠責保険料:法律で加入が義務付けられている強制保険。車検時に24ヶ月分を支払う。
- 任意保険料:年齢や等級、車両保険の有無で大きく変動。
- メンテナンス・その他費用(状況に応じてかかる費用)
- 車検費用:2年に1回。法定費用(上記重量税・自賠責保険料など)+点検整備費用。
- 燃料代:走行距離と燃費によって変動。
- 消耗品交換費用:エンジンオイル、タイヤ、ブレーキパッドなど。
- 駐車場代:自宅に駐車場がない場合。地域差が大きい。
【グレード別】年間維持費シミュレーション
ここでは、中古車として人気の高い「GLB 180(ガソリン)」と「GLB 200 d 4MATIC(ディーゼル)」の2モデルについて、具体的な年間維持費をシミュレーションしてみましょう。
- 前提条件
- 年間走行距離:10,000km
- 任意保険:20等級、30歳以上、車両保険あり(エコノミー)
- 駐車場代:月額15,000円
- ガソリン価格:170円/L、軽油価格:150円/L
- 燃費(WLTCモード):GLB 180 (13.0km/L)、GLB 200 d (17.0km/L)
費用項目 | GLB 180 (ガソリン/1.4L) | GLB 200 d (ディーゼル/2.0L) | 備考 |
---|---|---|---|
自動車税 | 30,500円 | 36,000円 | 年1回 |
自動車重量税 | 16,400円 | 16,400円 | 1年あたり(車検時に2年分支払い) |
自賠責保険 | 9,300円 | 9,300円 | 1年あたり(車検時に24ヶ月分支払い) |
任意保険 | 80,000円 | 85,000円 | 車両保険・等級により変動 |
車検費用 | 50,000円 | 55,000円 | 1年あたり(法定費用除く整備代) |
燃料代 | 約131,000円 | 約88,000円 | 年間10,000km走行 |
駐車場代 | 180,000円 | 180,000円 | 月1.5万円×12ヶ月 |
メンテナンス費 | 30,000円 | 40,000円 | オイル交換等 |
合計(年間) | 約527,200円 | 約509,700円 | |
月額換算 | 約44,000円 | 約42,500円 |
このシミュレーションから、GLBの維持費は月々約4.2万円〜4.4万円が一つの目安となることがわかります。燃料代と税金の差で、年間維持費はディーゼルモデルの方が若干安くなる傾向にあります。
これはあくまで一例であり、駐車場代がかからない方や、走行距離が短い方は、これよりも費用を抑えることが可能です。 重要なのは、ローン返済額に加えて、毎月この維持費分を確保しておく必要があるということです。
ベンツの維持費は本当に高い?国産同クラスSUVと比較
「やっぱり外車は高い」と感じた方もいるかもしれません。では、国産の同クラスSUVと比較してみましょう。ここではトヨタのハリアー(ガソリンモデル)を例に挙げます。
費用項目 | ベンツ GLB 180 | トヨタ ハリアー (2.0Lガソリン) |
---|---|---|
自動車税 | 30,500円 | 36,000円 |
自動車重量税(1年) | 16,400円 | 16,400円 |
燃料代(1万km) | 約131,000円 | 約110,000円(燃費15.4km/L) |
任意保険(概算) | 80,000円 | 70,000円 |
車検費用(整備代) | 50,000円 | 40,000円 |
税金・燃料・保険・車検 | 約307,900円 | 約272,400円 |
駐車場代を除いた基本的な維持費で比較すると、年間の差額は約3.5万円程度です。任意保険料や部品代が国産車に比べてやや高くなる傾向はありますが、「国産車の2倍も3倍もかかる」というほどの大きな差ではないことがお分かりいただけるでしょう。 特にGLBのディーゼルモデルは燃費が良いため、走行距離が多い方ほど国産ガソリン車との燃料代の差は縮まっていきます。
維持費を少しでも安く抑えるためのコツ
それでも、維持費は少しでも安く抑えたいものです。以下にいくつかのコツをご紹介します。
- 任意保険の見直し:複数の保険会社から見積もりを取り、自分に合ったプランを選びましょう。ネットで契約するダイレクト型保険は、代理店型に比べて保険料が安い傾向にあります。
- メンテナンス工場の選定:車検や修理を正規ディーラーに任せるのが最も安心ですが、費用は高めになります。輸入車に精通した信頼できる専門工場を見つけておけば、質の高いサービスをディーラーよりも安価に受けられる可能性があります。
- 認定中古車の保証活用:メルセデスの認定中古車には手厚い保証が付帯しています。保証期間内に発生した故障は無償で修理してもらえるため、予期せぬ大きな出費を防ぐことができます。
年収300万円でGLBを買うなら必見!中古車選びの5つの注意点
購入計画が固まったら、最後にして最大の難関が「個体選び」です。中古車は一台一台コンディションが異なるため、良い個体を見極める目が重要になります。ここで失敗しないための5つのチェックポイントを伝授します。

引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/glb/overview.html)
チェックポイント①:修復歴の有無は必ず確認
「修復歴あり」と表示されている車両は、車の骨格(フレーム)部分を修理・交換した経歴があることを意味します。たとえ綺麗に直されていても、走行安定性に影響が出たり、後々不具合が発生したりするリスクが通常より高くなります。価格が相場より著しく安い場合は特に注意が必要です。原則として、修復歴のある車両は避けるのが賢明です。
チェックポイント②:走行距離と年式のバランスを見る
一般的に、車の年間走行距離の目安は1万kmと言われています。例えば、3年落ちなのに走行距離が6万kmを超えているような「過走行」の車両は、各部品の消耗が進んでいる可能性があり、将来的なメンテナンス費用がかさむリスクがあります。逆に、5年落ちで1万kmしか走っていないような「低走行」の車両も、長期間動かさなかったことで逆に調子を崩しているケースもあるため、一概に良いとは言えません。**年式相応の走行距離(1年あたり8,000km〜12,000km)**の個体を選ぶのが、一つの目安になります。
チェックポイント③:整備記録簿(メンテナンスノート)で過去の整備履歴を辿る
整備記録簿は、その車が過去にどのような点検・整備を受けてきたかを示す「カルテ」のようなものです。これを確認することで、「いつ、どこで、どんな部品を交換したか」が分かり、前のオーナーがどれだけ大切に乗ってきたかを推測できます。特に、正規ディーラーで定期的に点検を受けてきた記録が残っている車両は、信頼性が高いと言えるでしょう。
チェックポイント④:内外装の状態は自分の目で厳しくチェック
ネットの写真や情報だけで判断するのは危険です。必ず実車を確認し、ボディの傷やへこみ、塗装の状態を隅々までチェックしましょう。内装も同様に、シートの擦れやへたり、シミ、臭い、スイッチ類の動作などを一つひとつ確認します。特に、前オーナーが喫煙者だったかどうかは、臭いに敏感な方にとっては重要なポイントです。
チェックポイント⑤:最後は「認定中古車」という安心を買う
前述の通り、初めての輸入車購入で不安が大きい場合は、メルセデス・ベンツの認定中古車「サーティファイドカー」が最も確実な選択肢です。価格は少し高くなりますが、第三者機関による厳しい品質評価をクリアし、手厚い保証が付いてくる安心感は、何物にも代えがたい価値があります。予算と安心のバランスを考え、有力な選択肢として検討してみてください。
まとめ
今回は、「年収300万円でベンツGLBは買えるのか」というテーマを、多角的に深く掘り下げてきました。
結論として、周到な資金計画と賢いクルマ選びを実践すれば、年収300万円でベンツGLBのオーナーになることは十分に可能です。
重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 購入:300万円台から狙える中古車をターゲットに、頭金を準備し、低金利ローンを組むのが王道。月々の支払いを抑えたいなら残価設定ローンも有効。
- 維持費:年間維持費は約50万円〜53万円(月々4万円台)が目安。ローン返済と合わせた毎月の支出を把握しておくことが重要。
- 車両選び:修復歴なしは絶対条件。整備記録簿を確認し、信頼できる個体を見極める。不安なら認定中古車がベスト。
憧れのメルセデス・ベンツを所有するということは、単に移動の利便性を手に入れる以上の意味を持ちます。それは、日々の生活に彩りを与え、新たな世界へ連れ出してくれる特別な体験です。
私もGLBオーナーの一人として、このスクエアなボディに詰め込まれた機能性と走る喜びを、多くの人に体験してほしいと心から思っています。このレビューが、あなたの夢への第一歩を力強く後押しできれば、これほど嬉しいことはありません。