モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、「中古のベンツGLAに乗りたいけれど、故障が心配…」「外車、特に中古のベンツは壊れやすいって聞くけど、実際のところどうなの?」といった不安や疑問をお持ちだと思います。
私も長年多くの輸入車を所有し、その中にはもちろんGLAも含まれています。だからこそ、皆さんが抱えるその不安な気持ちは痛いほどよくわかります。輝かしいスリーポインテッドスターの裏にある、維持に関する現実的な側面は、購入前に誰もが知っておきたい情報ですよね。
引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/gla/overview.html)
ご安心ください。この記事を読み終える頃には、中古ベンツGLAが「壊れやすい」という噂の真相から、具体的な故障事例、リアルな修理費用、そして安心して乗り続けるための秘訣まで、あなたの疑問がすべて解決しているはずです。
記事のポイント
- ベンツGLAが壊れやすいと言われる理由の解明
- 具体的な故障箇所とリアルな修理費用の目安
- 中古車購入で後悔しないためのプロのチェック術
- 購入後の維持費を賢く抑えるための実践的アドバイス

ベンツGLAは本当に壊れやすいのか?噂の真相に迫る
さて、本題に入りましょう。多くの人が気になっている「ベンツGLAは壊れやすいのか?」という疑問。特に中古車となると、その不安はさらに大きくなることでしょう。私の元にも、「デザインは最高だけど、故障が怖くて一歩踏み出せません」といった相談が後を絶ちません。ここでは、ジャーナリストとして、そして一人のオーナーとしての視点から、この噂の真相を多角的に解き明かしていきます。
引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/gla/overview.html)
結論:現代のベンツは「壊れやすい」という単純な言葉では片付けられない
まず結論から申し上げると、「中古のベンツGLAが、国産の同年代のSUVと比較して故障の発生率が高い傾向にあるのは事実」です。しかし、これを短絡的に「壊れやすいダメな車」と結論付けるのは大きな間違いです。
「ベンツ=壊れやすい」は過去のイメージ?
一昔前、特に80年代から90年代の輸入車は、日本の気候や交通環境に合わない部分も多く、確かに故障が頻発するイメージがありました。しかし、現代のメルセデス・ベンツは、グローバル市場で戦うために品質管理を徹底しており、その信頼性は飛躍的に向上しています。かつての「すぐに壊れる外車」というイメージは、現代のモデルには必ずしも当てはまりません。
技術の結晶であるからこその宿命
ベンツGLAをはじめとする現代の車は、快適性、安全性、走行性能を追求するために、非常に多くの電子制御部品やセンサー、複雑なメカニズムで構成されています。これは、国産車も同様のトレンドですが、特にメルセデス・ベンツは先進技術を積極的に採用する傾向があります。これらの精密な部品は、残念ながら経年劣化を避けることはできず、一定の走行距離や年数が経過すれば、交換が必要になるのは必然です。これが、「故障」として認識される一因となっています。
つまり、GLAの故障は「欠陥」というよりも、高性能を維持するための「消耗品交換」という側面が強いのです。この点を理解することが、輸入中古車と上手に付き合うための第一歩と言えるでしょう。
なぜ「GLAは壊れやすい」という噂がなくならないのか?
品質が向上しているにもかかわらず、なぜ「壊れやすい」という噂は根強く残っているのでしょうか。これには、GLA特有の事情や、輸入車全体に共通するいくつかの明確な理由が存在します。
理由1:多数の電子制御部品がもたらす経年劣化のリスク
現代の車は「走るコンピューター」と例えられるほど、電子制御が多用されています。エンジンやトランスミッションの制御はもちろん、エアコン、インフォテインメントシステム、安全装備に至るまで、あらゆる部分がECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)とセンサーによって管理されています。
GLAも例外ではなく、多くのセンサーが搭載されています。これらのセンサーは、経年劣化によって誤作動を起こしたり、完全に故障したりすることがあります。一つ一つのセンサーは高価ではない場合もありますが、不具合の箇所を特定するための診断料がかかったり、複数箇所でトラブルが連鎖したりすることもあり、「また壊れた」という印象につながりやすいのです。
理由2:デュアルクラッチトランスミッション(DCT)の特性とトラブル
GLAに採用されている「7G-DCT」というデュアルクラッチトランスミッションは、ダイレクト感のあるスポーティーな走りを実現する一方で、日本のストップ&ゴーが多い交通環境とは相性が悪い側面もあります。
低速走行時のギクシャク感はDCTの特性として知られていますが、それだけでなく、内部の制御基板である「メカトロニクス」やクラッチ本体に不具合が発生するケースも報告されています。これらの修理は高額になりがちなため、「トランスミッションが壊れた」というインパクトの大きい情報が広まり、「GLAは壊れやすい」というイメージを強化している一因と考えられます。
理由3:中古車ならではの「個体差」と「メンテナンス履歴」
中古車選びで最も重要なのが、その車がこれまでどのような環境で、どのように扱われてきたかという点です。同じ年式、同じ走行距離のGLAであっても、以下のような違いでコンディションは大きく異なります。
- 定期的なオイル交換をきっちり行っていたか
- メーカーが推奨する消耗品の交換を適切なタイミングで実施してきたか
- 主に高速道路を走行していたか、市街地のチョイ乗りが中心だったか
- 屋根付きの車庫で保管されていたか、屋外で雨ざらしだったか
ずさんな管理をされてきた車両は、当然ながら故障のリスクが高まります。良い個体に出会えるかどうかは、まさに運と目利きの力が試される部分であり、残念ながらハズレの個体を手にしてしまった人が「やっぱりベンツは壊れる」というネガティブな情報を発信してしまうケースは少なくありません。
理由4:圧倒的な信頼性を誇る国産車との比較
日本国内で車を評価する際、どうしても基準となるのが国産車です。トヨタやホンダ、マツダといった国産メーカーの車は、驚くほど故障が少なく、10年10万キロを超えても大きなトラブルなく乗り続けられる個体がほとんどです。
この世界最高水準の信頼性を持つ国産車を基準に考えてしまうと、どうしても輸入車であるベンツGLAは見劣りしてしまいます。「国産車なら壊れないような部品が壊れた」という経験が、「ベンツは壊れやすい」という評価につながるのです。比較対象が優秀すぎる、というのも一つの側面でしょう。
理由5:修理費用の高さが「壊れやすい」イメージを増幅させる
これが最も大きな理由かもしれません。仮に国産車と同じ頻度で故障したとしても、1回あたりの修理費用が大きく異なります。
故障箇所 | 国産車(参考) | ベンツGLA(参考) |
---|---|---|
ウォーターポンプ交換 | 3万円~5万円 | 8万円~15万円 |
オルタネーター交換 | 4万円~7万円 | 10万円~20万円 |
パワーウィンドウ修理 | 1.5万円~3万円 | 4万円~8万円 |
上記はあくまで一例ですが、部品代そのものが高価であることに加え、整備に専門知識や特殊工具が必要となるため、工賃も高くなる傾向があります。一度の故障で10万円、20万円という出費が発生すると、オーナーの心理的な負担は大きく、「こんなにお金がかかるなんて、なんて壊れやすい車なんだ」と感じてしまうのも無理はありません。この金銭的なインパクトが、「壊れやすい」という噂をより深刻なものとして広めているのです。
【実例】ベンツGLAでよくある故障箇所と修理代のリアル
噂の背景を理解したところで、次はより具体的に、「どこが」「どのように」壊れ、「いくらくらい」かかるのかを見ていきましょう。ここでは、私のGLAでの実体験や、これまでの取材で得た情報を基に、特に報告の多い故障事例とその修理費用を解説します。中古車を検討する際は、これらのポイントを重点的にチェックすることをおすすめします。

引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/gla/overview.html)
エンジン・駆動系トラブルと修理費用
車の心臓部であるエンジンや駆動系は、トラブルが発生すると走行不能に陥る可能性もあり、修理費用も高額になりがちです。
ウォーターポンプからの水漏れ
エンジンを冷却するための冷却水(クーラント)を循環させる重要な部品がウォーターポンプです。GLAに搭載されているM270/M274系エンジンでは、このウォーターポンプのプラスチック製ハウジングが経年劣化で歪んだり、シールが劣化したりして、冷却水が漏れるというトラブルが定番となっています。
- 症状: エンジンルームから甘い匂い(クーラントの匂い)がする、駐車場の地面に緑やピンク色の液体が垂れている、水温計の警告灯が点灯する。
- 放置するリスク: オーバーヒートを引き起こし、最悪の場合エンジンが焼き付いて数十万円以上の修理費用がかかる可能性があります。
- 修理費用の目安: 8万円~15万円(部品代+工賃)。ディーラーか専門工場か、また同時に交換する部品(サーモスタット、ベルトなど)によって変動します。私のGLAも9万キロ手前で滲みが見つかり、専門工場で対策品に交換してもらいました。
サーモスタットの故障
サーモスタットは、エンジンの冷却水の温度を適切に保つための弁です。これが故障すると、弁が開いたまま、あるいは閉じたまま固着してしまいます。
- 症状: 弁が開いたままだとオーバークール(水温が上がらない)になり、暖房の効きが悪くなります。弁が閉じたままだとオーバーヒートの原因になります。エンジンチェックランプが点灯することも多いです。
- 修理費用の目安: 5万円~10万円。ウォーターポンプと同時に交換することが推奨される場合も多く、その場合は工賃を節約できます。
イグニッションコイルの不具合
ガソリンを燃焼させるために、プラグに高電圧の火花を飛ばすのがイグニッションコイルの役目です。これが劣化すると、エンジンが正常に燃焼できなくなります。
- 症状: エンジンの振動が大きくなる(アイドリング不調)、加速が鈍くなる、エンジンチェックランプが点灯する。
- 修理費用の目安: 1本あたり2万円~4万円。GLAは4気筒なので、1本故障すると予防的に全数交換を勧められることもあります。その場合は8万円~15万円程度かかります。
7G-DCT(デュアルクラッチトランスミッション)関連のトラブル
前述の通り、GLAのウィークポイントの一つとされるのがDCTです。特に前期型で報告が多く見られます。
- 症状: 発進時や変速時に大きなショック(ジャダー)が出る、特定のギアに入らない、警告メッセージが表示されて走行不能になる。
- 原因と修理費用:
- クラッチの摩耗: ギクシャク感やジャダーの主な原因。クラッチ交換となり、30万円~50万円と高額です。
- メカトロニクス(TCU)の故障: トランスミッションを制御するコンピューター基板の故障。こちらも修理・交換に30万円以上かかるケースが多いです。
- 対策: DCTフルードを定期的に交換することである程度予防できます。また、試乗時に低速走行や坂道発進を試し、スムーズさに違和感がないかを入念にチェックすることが重要です。
電装系トラブルと修理費用
現代の車で避けては通れないのが電装系のトラブルです。突然発生することが多く、原因究明が難しい場合もあります。
各種センサー類の故障
エンジンや排気ガス、車体の挙動を監視するために、GLAには無数のセンサーが使われています。これらが一つでも異常をきたすと、エンジンチェックランプが点灯したり、走行に支障が出たりします。
- 代表的なセンサー: O2センサー、NOxセンサー、カムシャフトセンサー、クランク角センサー、ABSセンサーなど。
- 症状: エンジン不調、アイドリング不安定、燃費の悪化、警告灯の点灯。
- 修理費用の目安: 1箇所あたり3万円~8万円程度。センサー自体の価格は様々ですが、交換作業が煩雑な場所にあると工賃が高くなります。
コマンドシステムの不具合
ナビやオーディオ、車両設定などを統合したインフォテインメントシステムが「コマンドシステム」です。
- 症状: 走行中に突然画面がブラックアウトする、再起動を繰り返す、操作を受け付けなくなる。
- 修理費用の目安: ディーラーでユニット交換となると20万円~40万円と非常に高額です。最近では、専門の修理業者で基板修理を行うことで、5万円~10万円程度で修理できるケースも増えています。
内外装のトラブルと経年劣化
走行に直接影響はなくても、見た目の美しさを損なう経年劣化も気になるところです。メルセデス・ベンツ特有の弱点も存在します。
欧州車あるある:メッキモールの白錆
ウィンドウ周りを縁取るメッキモール。これは実はメッキではなく、アルマイト処理されたアルミ製です。日本の酸性雨やアルカリ性の洗剤に弱く、 시간이経つと表面が酸化して白いシミ(白錆)だらけになってしまいます。
- 対策: 納車後すぐにプロテクションフィルムを貼るのが最も効果的です。発生してしまった場合は、専門業者に依頼して磨いてもらう(2万円~5万円)か、部品交換(5万円~10万円)となります。
ヘッドライトレンズの黄ばみ・曇り
プラスチック製のヘッドライトレンズは、紫外線の影響で経年劣化し、黄ばんだり表面が曇ったりしてきます。見た目が古臭くなるだけでなく、光量不足で車検に通らなくなる可能性もあります。
- 対策: 専門業者による研磨とコーティングで、かなりクリアな状態に復活させることができます(1.5万円~3万円)。状態がひどい場合はユニット交換となり、片側10万円以上と高額です。
内装スイッチ類のベタつき
エアコンのスイッチやパワーウィンドウのスイッチなど、よく触れる部分の塗装(プロテイン塗装)が、日本の高温多湿な気候で加水分解を起こし、ベタベタしてくることがあります。
- 対策: 無水エタノールなどで根気よく拭き取ることで除去できる場合もありますが、根本的な解決には部品交換が必要です。小さなスイッチでも1個数千円~1万円以上することがあり、複数箇所となると意外な出費になります。
中古ベンツGLAの購入で後悔しないためのプロのチェックポイント
ここまでGLAの弱点を詳しく解説してきましたが、決して「中古のGLAは買うべきではない」と言いたいわけではありません。むしろ、これらのウィークポイントを事前に把握し、対策を講じることで、リスクを大幅に減らし、最高のカーライフを送ることが可能なのです。ここでは、数多くの車両を見てきた私が実践している、後悔しないための中古車選びの極意をお伝えします。

引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/gla/overview.html)
「どこで買うか」が最も重要!信頼できる販売店の選び方
中古車選びは、「何を買うか」と同じくらい「どこで買うか」が重要です。特に輸入車の場合は、販売店の知識やサポート体制が購入後の満足度を大きく左右します。
究極の安心感「メルセデス・ベンツ認定中古車」
予算に余裕があるなら、最もおすすめできるのが正規ディーラーが販売する「認定中古車」です。
- メリット:
- 最大100項目にも及ぶ厳しい点検・整備が実施済み。
- 1年間または2年間の走行距離無制限保証が付帯。
- 24時間対応のツーリングサポートも利用可能。
- デメリット:
- 一般の中古車販売店に比べて価格が数十万円高い。
「高くても安心を買いたい」という方にとっては、これ以上ない選択肢と言えるでしょう。保証期間内に前述のような高額な故障が発生しても、無償で修理してもらえるのは絶大なメリットです。
専門知識が豊富!「ベンツ・輸入車専門の中古車販売店」
認定中古車は手が出ないという方には、ベンツや輸入車を専門に扱っている販売店がおすすめです。
- メリット:
- 車種ごとのウィークポイントや整備のノウハウを熟知している。
- 独自の仕入れルートを持ち、良質な車両が見つかりやすい。
- 自社工場や提携工場での整備に対応しており、購入後の相談もしやすい。
- 見極めのポイント:
- 店舗のブログやSNSで、具体的な整備内容や納車事例を頻繁に発信しているか。
- 質問に対して、曖昧な返答ではなく、的確な説明をしてくれるか。
- 保証内容がしっかりしているか(保証範囲、期間、免責事項などを必ず確認)。
車両状態を見極める具体的な確認項目【試乗編】
気になる車両を見つけたら、必ず試乗しましょう。短時間でも、車のコンディションを知るための多くのヒントが隠されています。
DCT(トランスミッション)のフィーリングを入念にチェック
- 発進時: Dレンジに入れてブレーキを離した際、スムーズにクリープ現象が起こるか。ガクンと不自然なショックはないか。
- 極低速走行: 駐車場内などで、時速5km程度の極低速で走行してみる。ギクシャクした動きが過剰に出ていないか。
- 加減速: 少し強めにアクセルを踏み、スムーズに変速するか。シフトアップ、シフトダウン共にショックが大きすぎないか。
- 坂道発進: 可能であれば、坂道で停止し、再発進してみる。ずり下がる量が多くないか、スムーズに発進できるか。
異音・振動のチェック
- エンジン始動時: 「ガラガラ」「キュルキュル」といった異音がないか。
- アイドリング時: エンジンの回転は安定しているか。不快な振動がシートやステアリングに伝わってこないか。
- 走行中:
- 加速時: エンジンから「カラカラ」といったノッキング音はないか。
- 段差を乗り越えた時: 足回りから「コトコト」「ギシギシ」といった異音はないか。サスペンションが抜けていると、フワフワした乗り心地になります。
- ブレーキング時: 「キーキー」というブレーキ鳴きがひどくないか。「ゴー」という引きずるような音がする場合は、ローターも摩耗している可能性があります。
車両状態を見極める具体的な確認項目【停止状態編】
試乗と合わせて、車両を停止した状態で内外装やエンジンルームを細かくチェックします。
最重要書類「メンテナンスノート(整備記録簿)」の確認
中古車選びで最も重要な書類です。これが無い車両は、どんなに内外装が綺麗でも避けるのが賢明です。
- チェックポイント:
- 定期点検の実施履歴: 1年ごと、2年ごとにディーラーや認証工場で点検を受けているか。
- オイル交換の頻度: 1年または1万km以内のサイクルで交換されているか。
- 消耗品の交換履歴: ブレーキフルード、DCTフルード、バッテリーなどがいつ交換されたか。
- 過去の修理歴: 大きな故障や事故の修理記録がないか。
エンジンルームの確認
- オイル漏れ・滲み: エンジン上部や下部を覗き込み、オイルで黒く汚れている箇所がないか。特にヘッドカバー周辺は要チェックです。
- 冷却水漏れの痕跡: ラジエーターホースの付け根やウォーターポンプ周辺に、ピンクや緑色の液体が乾いたような跡がないか。リザーバータンクの量が適正範囲内にあるかも確認します。
- エンジンオイルフィラーキャップの裏側: キャップを開け、裏側に乳化したクリーム状の付着物がないか。もしあれば、エンジン内部に冷却水が混入している可能性(ヘッドガスケット抜けなど)があり、非常に危険です。
内外装の劣化しやすいポイントを重点チェック
- メッキモール: 白錆が発生していないか。
- ヘッドライト: 黄ばみや曇りの進行度はどのくらいか。
- 内装スイッチ類: ベタつきがないか、実際に操作して確認。
- シートの状態: 運転席シートのサイドサポート部分の擦れやヘタリ具合で使用状況を推測できます。
これらのポイントを一つ一つ丁寧に確認することで、「安物買いの銭失い」となるリスクを格段に下げることができます。
まとめ
今回は、「中古で買ったベンツGLAは壊れやすい」という噂の真相について、その理由から具体的な故障事例、そして後悔しないための選び方まで、徹底的に解説してきました。
結論として、ベンツGLAは国産車と同じ感覚で「ノーメンテナンスで乗りっぱなし」にできる車ではありません。高性能で複雑なメカニズムを持つがゆえに、定期的なメンテナンスと、消耗品の交換は必須です。そして、その費用は国産車よりも高額になります。これが「壊れやすい」と言われる最大の理由です。
しかし、その一方で、GLAが持つスタイリッシュなデザイン、メルセデスならではの剛性感あふれる走り、そして所有する満足感は、何物にも代えがたい魅力があります。
重要なのは、噂に惑わされることなく、この車の特性を正しく理解すること。そして、購入時には信頼できるお店で、整備履歴がしっかりとした素性の良い個体を、ご自身の目で厳しく見極めることです。適切な個体を選び、購入後も信頼できるパートナー(整備工場)を見つけて愛情を注いであげれば、ベンツGLAはあなたのカーライフを間違いなく豊かにしてくれる最高の相棒となるでしょう。
このレビューが、あなたの賢い車選びの一助となれば幸いです。