モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、「ベンツGLAに乗りたいけれど、購入後に後悔しないか」「維持費、特にタイヤ代が予想以上にかかるという噂が本当なのか」が気になっていると思います。私も実際にGLAを所有し、日々その維持にまつわる現実と向き合っていますので、気になる気持ちはよくわかります。
引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/gla/overview.html)
コンパクトSUV市場で独自の存在感を放つメルセデス・ベンツGLA。そのスタイリッシュなデザインとブランド力に惹かれる方は後を絶ちません。しかし、ネット上では「買って後悔した」「タイヤ代が高すぎて手放した」といったネガティブな声も散見され、購入をためらってしまうのも無理はないでしょう。
そこで今回は、GLAのオーナーであり、数々の車を乗り継いできた自動車ジャーナリストである私が、噂の真相を徹底的に解剖します。具体的な維持費の内訳から、なぜタイヤ代が高額になるのか、そして後悔しないための賢い知識まで、忖度なしのリアルな情報をお届けします。
この記事を読み終える頃には、あなたがベンツGLAを購入した後に後悔するのか、それとも最高のカーライフを送れるのか、その疑問が解決しているはずです。
記事のポイント
- ベンツGLAの具体的な年間維持費の内訳
- タイヤ代が高額になると言われる本当の理由
- 購入後に後悔しないための賢い知識と対策
- GLAオーナーが語るリアルな魅力と注意点

ベンツGLAの維持費は本当に高い?項目別シミュレーションで徹底解剖
「輸入車は維持費が高い」という言葉は、多くの方が一度は耳にしたことがあるでしょう。では、ベンツGLAの維持費は、具体的に年間どれくらいかかるのでしょうか。漠然とした不安を解消するため、まずは税金からメンテナンス費用まで、項目別に詳しく見ていきましょう。
ここでは、現行モデル(H247型)の「GLA 180(1.4Lガソリン)」と「GLA 200 d 4MATIC(2.0Lディーゼル)」を例にシミュレーションします。
引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/gla/overview.html)
自動車税と重量税:排気量で決まる必須コスト
車を所有する上で毎年必ずかかるのが「自動車税(種別割)」、そして車検ごとに納めるのが「自動車重量税」です。これらは法律で定められた税金であり、避けて通ることはできません。
自動車税(種別割)
自動車税は、毎年4月1日時点の車の所有者に課せられる税金で、エンジンの総排気量によって税額が決まります。
- GLA 180(総排気量1,331cc): 1.0L超~1.5L以下の区分に該当し、年額30,500円です。
- GLA 200 d 4MATIC(総排気量1,950cc): 1.5L超~2.0L以下の区分に該当し、年額36,000円です。
ディーゼルモデルのGLA 200 dの方が排気量が大きいため、年間で5,500円高くなります。
自動車重量税
自動車重量税は、その名の通り車両の重さに対して課せられる税金で、新規登録時と継続車検時に支払います。GLAの場合、どちらのモデルも車両重量が1.5トンを超えるため、同じ税額区分になります。
- GLA 180 / GLA 200 d 4MATIC: 1.5t超~2.0t以下の区分に該当します。
タイミング | 税額(2年分) | 備考 |
---|---|---|
新規登録から3年後(初回車検) | 24,600円 | エコカー減税適用後 |
5年後以降(継続車検) | 32,800円 | 本則税率 |
※エコカー減税の適用内容は年度によって見直されるため、最新の情報をご確認ください。
このように、税金に関しては国産の同クラスSUVと比較しても、特別に高額というわけではありません。
自賠責保険と任意保険:年齢や等級で大きく変わる保険料
車の維持費の中でも、ドライバーの条件によって大きく変動するのが保険料です。
自賠責保険料
自賠責保険は、法律で加入が義務付けられている強制保険です。車検時に次の車検満了期間までの保険料をまとめて支払います。自家用乗用自動車の場合、保険料は一律です。
- 24ヶ月契約:17,650円 (2023年4月1日以降の契約)
これはどの車種でも同じ金額です。
任意保険料
任意保険は、自賠責保険だけではカバーしきれない損害を補償するための重要な保険です。保険料は、年齢、運転歴(等級)、免許証の色、車両保険の有無、補償内容など、様々な要因で決まります。
ベンツGLAは、国産同クラスの車種に比べて車両保険金額が高くなる傾向があるため、保険料も高めに見積もっておく必要があります。
【任意保険料のシミュレーション例】
条件 | 年間保険料の目安 |
---|---|
30歳 / ゴールド免許 / 15等級 / 車両保険あり | 60,000円~90,000円 |
25歳 / ブルー免許 / 8等級 / 車両保険あり | 100,000円~150,000円 |
21歳 / グリーン免許 / 6等級 / 車両保険あり | 180,000円~250,000円 |
あくまで一例ですが、特に若いドライバーや等級が低い場合は、保険料が大きな負担となる可能性があります。複数の保険会社から見積もりを取り、自分に合ったプランを選ぶことが賢明です。
車検費用:ディーラーと専門店、どちらを選ぶべきか
新車購入から3年後、以降は2年ごとに訪れる車検。これもまた大きな出費の一つです。車検費用は、前述の「法定費用(重量税、自賠責保険料、印紙代)」と、「車検基本料・整備費用」で構成されます。
法定費用はどこで受けても同じですが、車検基本料や整備費用は依頼する業者によって大きく異なります。
- ディーラー車検: 正規ディーラーで受ける車検です。専門知識が豊富で、純正部品を使用するため安心感が高いのがメリット。一方で、費用は最も高額になる傾向があります。 費用の目安:150,000円~250,000円(交換部品により変動)
- 輸入車専門の整備工場: 輸入車に特化した整備工場です。ディーラー出身のメカニックが在籍していることも多く、専門的な知識を持ちながら、ディーラーよりも費用を抑えられる可能性があります。 費用の目安:120,000円~200,000円
- 一般的な車検専門店: 幅広い車種に対応している業者です。最大のメリットは費用の安さですが、輸入車の整備経験が少ない場合もあるため、業者選びは慎重に行う必要があります。 費用の目安:90,000円~150,000円
私のGLAは新車保証期間中ということもありディーラーで車検を受けていますが、保証が切れた後は信頼できる輸入車専門の整備工場に依頼することも視野に入れています。安心感とコストのバランスを考えて、自分に合った業者を選ぶことが重要です。
燃料代(ガソリン・軽油):実燃費から計算するランニングコスト
日々の運転で直接的にかかる費用が燃料代です。GLAはガソリンモデルとディーゼルモデルがあり、それぞれ燃費と使用燃料が異なります。
モデル | カタログ燃費(WLTCモード) | 使用燃料 |
---|---|---|
GLA 180 | 15.6 km/L | ハイオクガソリン |
GLA 200 d 4MATIC | 16.4 km/L | 軽油 |
カタログ燃費では大きな差はありませんが、注目すべきは燃料の種類と価格です。軽油はハイオクガソリンに比べて1Lあたり20円~30円ほど安いため、走行距離が長くなるほどディーゼルモデルの経済的なメリットが大きくなります。
【年間1万km走行時の燃料代シミュレーション】 (ハイオク:185円/L、軽油:155円/L、実燃費はカタログ燃費の80%と仮定)
- GLA 180:
- 実燃費:12.48 km/L
- 年間必要燃料:10,000km ÷ 12.48km/L ≒ 801 L
- 年間燃料代:801 L × 185円/L ≒ 148,185円
- GLA 200 d 4MATIC:
- 実燃費:13.12 km/L
- 年間必要燃料:10,000km ÷ 13.12km/L ≒ 762 L
- 年間燃料代:762 L × 155円/L ≒ 118,110円
このシミュレーションでは、年間で約30,000円の差が出ます。週末のドライブがメインであればガソリンモデル、毎日の通勤や長距離移動が多いのであればディーゼルモデルが経済的にはおすすめです。
メンテナンス費用:メルセデス・ケアと消耗品交換の目安
輸入車の維持費で懸念されがちなのが、故障時の修理費用や消耗品の交換費用です。しかし、メルセデス・ベンツには手厚い保証プログラムが用意されています。
メルセデス・ケア
新車購入から3年間は「メルセデス・ケア」という保証プログラムが無料で付帯します。これには以下のようなサービスが含まれます。
- 一般保証・メンテナンス保証: 部品の故障修理や、定期メンテナンス(点検、指定消耗品の交換)を無料で受けられます。
- 24時間ツーリングサポート: 外出先でのトラブル時に、緊急修理やレッカー手配などのサポートを受けられます。
このプログラムのおかげで、最初の3年間は油脂類やタイヤなどの消耗品を除き、突発的な出費の心配はほとんどありません。
保証終了後のメンテナンス
問題はメルセデス・ケアが終了する4年目以降です。定期的なメンテナンスはもちろん、経年劣化による部品交換も必要になってきます。
- エンジンオイル交換: 1年に1回または15,000kmごと。費用は20,000円~30,000円が目安。
- ブレーキパッド/ローター交換: 走行距離3万~5万kmごと。パッドとローターを同時に交換すると、1箇所あたり50,000円~80,000円かかることもあります。
- バッテリー交換: 3年~5年ごと。AGMバッテリーという高性能バッテリーが採用されているため、交換費用は50,000円~70,000円と高額です。
これらの費用は国産車に比べて割高になる傾向があるため、保証が切れた後も安心して乗るためには、ある程度のメンテナンス費用を計画的に準備しておく必要があります。
【最重要】ベンツGLAのタイヤ代はなぜ高い?3つの理由を深掘り
さて、ここからが本題です。「ベンツGLAはタイヤ代が高い」という噂は、残念ながら事実です。私もオーナーとして、タイヤ交換の時期が近づくと少し憂鬱になります。なぜGLAのタイヤ代は高額になってしまうのか、その理由を3つのポイントから徹底的に解説します。
理由1:大径かつ特殊なタイヤサイズ
GLAは、そのスタイリッシュなSUVデザインを際立たせるため、標準でも18インチ、AMGラインなどのオプションを選択すると19インチや20インチといった大径ホイールを装着しています。
- 標準グレード (GLA 180, GLA 200 d): 235/55R18
- AMGライン: 235/50R19
- AMGモデル (GLA 35, GLA 45 S): 235/45R20 や 255/35R21 など
タイヤは一般的に、インチが大きくなるほど、また扁平率(タイヤの厚み)が低くなるほど価格が上昇します。GLAのタイヤは、まさにこの「高価になるサイズ」に該当するのです。国産のコンパクトカーで一般的な15インチや16インチのタイヤと比較すると、価格が2倍以上になることも珍しくありません。
理由2:ランフラットタイヤの採用
現行のGLAには、一部グレードを除き「MOE (Mercedes Original Extended)」と呼ばれるランフラットタイヤが標準装備されています。ランフラットタイヤとは、パンクして空気が完全に抜けてしまっても、一定の距離(時速80kmで80kmまで)を走行できる特殊な構造のタイヤです。
スペアタイヤを積む必要がなくなり、荷室空間の確保や軽量化に貢献するというメリットがありますが、デメリットとして以下の点が挙げられます。
- タイヤ自体の価格が高い: 通常のタイヤに比べて、1本あたり1.5倍~2倍程度の価格になります。
- 乗り心地が硬い: タイヤの側面(サイドウォール)が強化されているため、路面からの衝撃を拾いやすく、乗り心地が硬くなる傾向があります。
- 交換工賃が割高になる: タイヤが硬く、交換作業に専用の機材と技術が必要になるため、通常のタイヤ交換よりも工賃が高く設定されています。
このランフラットタイヤの採用が、GLAのタイヤ代を押し上げる大きな要因となっています。
理由3:スタッドレスタイヤも高額になりがち
降雪地域にお住まいの方や、冬場のレジャーに出かける方にとって必須となるのがスタッドレスタイヤです。当然ながら、GLA用のスタッドレスタイヤも夏用タイヤと同様に大径サイズとなるため、価格は高額になります。
- 18インチ スタッドレスタイヤ4本セット(タイヤのみ): 120,000円~250,000円
- 18インチ スタッドレスタイヤ+ホイール4本セット: 180,000円~350,000円
特に、純正ホイールに匹敵するデザイン性の高いホイールを選ぶと、総額はさらに跳ね上がります。毎年交換するものではないとはいえ、冬の準備にかかる初期投資はかなりの覚悟が必要です。
【表で見る】ベンツGLAの年間維持費トータルシミュレーション
ここまで解説してきた項目をまとめ、GLA 180を所有した場合の年間維持費をシミュレーションしてみましょう。
【シミュレーション条件】
- 30歳、ゴールド免許、15等級
- 年間走行距離1万km
- 車検のない年(2年目)と車検のある年(3年目)で計算
- タイヤ交換費用は4年に1回と仮定し、年額に按分
費用項目 | 車検のない年(目安) | 車検のある年(目安) | 備考 |
---|---|---|---|
自動車税 | 30,500円 | 30,500円 | |
任意保険料 | 70,000円 | 70,000円 | |
燃料代 | 148,185円 | 148,185円 | ハイオク、実燃費12.48km/L |
メンテナンス費用 | 25,000円 | 25,000円 | オイル交換等(メルセデス・ケア期間中) |
タイヤ交換積立 | 50,000円 | 50,000円 | 20万円のタイヤを4年で交換と仮定 |
小計 | 323,685円 | 323,685円 | |
車検関連費用 | – | 160,450円 | 法定費用(42,250)+整備費用(118,200) |
年間維持費合計 | 約32.4万円 | 約48.4万円 | |
月額換算 | 約2.7万円 | 約4.0万円 |
※上記に加えて、駐車場代、高速道路料金などが別途かかります。
このように、車検のない年でも月々約2.7万円、車検のある年は月々約4万円の維持費がかかる計算になります。特に、タイヤ交換費用を積み立てて考えないと、いざ交換時期になった際に大きな負担となることがお分かりいただけるでしょう。
ベンツGLAで「買って後悔した」とならないための完全ガイド
維持費、特にタイヤ代が決して安くはないことをご理解いただけたかと思います。しかし、それを理由にGLAを諦めるのはまだ早いかもしれません。正しい知識を持ち、賢く対策をすれば、維持費の負担を軽減し、満足度の高いカーライフを送ることは十分に可能です。ここでは、購入後に後悔しないための具体的な方法と、オーナーだからこそ伝えたいGLAの真の魅力について語ります。

引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/gla/overview.html)
「後悔した」という声の正体とは?維持費以外の要因も分析
「GLA 後悔」と検索すると、維持費以外のネガティブな意見も見受けられます。それらの声は一体何に起因するのでしょうか。主な要因を分析してみましょう。

引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/gla/overview.html)
乗り心地は硬い?
前述のランフラットタイヤの影響もあり、GLAの乗り心地は、特に路面が荒れている場所では硬質に感じられることがあります。特にAMGラインはサスペンションも引き締められているため、その傾向は顕著です。「メルセデス・ベンツ」というブランドイメージから、しっとりとした優雅な乗り心地を想像していると、ギャップを感じてしまうかもしれません。ただし、高速道路などではその硬さが安定感につながり、非常に快適なクルージングを楽しめます。これは好みの問題が大きい部分です。
室内や荷室は狭い?
GLAはAクラスをベースにしたコンパクトSUVであり、そのスタイリッシュなデザインと引き換えに、室内空間、特に後席や荷室の広さは限定的です。大人4人が快適に長距離を移動するには少し窮屈に感じるかもしれませんし、大きな荷物やアウトドア用品を頻繁に積む方にとっては、荷室容量が物足りなく感じる可能性があります。ファミリーカーとしての実用性を最優先に考えるのであれば、兄貴分であるGLBやGLCを検討した方が満足度は高いでしょう。
DCTのフィーリングが合わない?
GLAには「DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)」という、MTに近い構造を持つATが採用されています。これはダイレクトでスポーティな変速が魅力ですが、一方で、ごく低速時や坂道での発進時に、一般的なAT(トルクコンバーター式)と比べて少しギクシャクとした挙動を見せることがあります。この独特のフィーリングに馴染めず、「運転しにくい」と感じる方もいるようです。
これらの点は、購入前に試乗をすることでほとんど確認できます。自分の期待する車のキャラクターとGLAの特性がマッチしているか、じっくりと見極めることが後悔しないための第一歩です。
GLAのタイヤ代を賢く節約する4つの方法
最大の懸念事項であるタイヤ代。しかし、工夫次第でこのコストを大幅に削減することが可能です。私が実践している方法も含め、4つの節約術をご紹介します。
方法1:タイヤのブランドを賢く選ぶ
新車時に装着されているタイヤ(ミシュランやピレリなど)は非常に高性能ですが、価格もトップクラスです。交換時には、必ずしも同じブランドにこだわる必要はありません。ブリヂストンやヨコハマといった国産ブランドの中にもGLAに適合する高性能なタイヤはありますし、近年品質が向上しているアジアブランドのタイヤを選べば、価格を半分近くに抑えることも可能です。ただし、安全性に直結するパーツなので、信頼できるメーカーの製品を選ぶようにしましょう。
方法2:ランフラットからノーマルタイヤへの交換を検討する
乗り心地の改善とコスト削減を両立できるのが、ランフラットタイヤから通常のノーマルタイヤへの交換です。ノーマルタイヤは価格が安く、乗り心地もマイルドになる傾向があります。ただし、その場合はスペアタイヤがないため、パンク修理キットを別途車載しておく必要があります。この方法はディーラーでは推奨されない場合が多いですが、多くのオーナーが実践している有効な手段です。
方法3:タイヤ専門店やネット通販を活用する
タイヤ交換は、ディーラーに依頼するのが最も高額になります。タイヤ専門店やカー用品店、さらにはネット通販をうまく活用しましょう。ネット通販でタイヤを安く購入し、持ち込み交換に対応している整備工場に作業を依頼するのが、最も費用を抑えられる組み合わせです。手間はかかりますが、数万円単位で節約できる可能性があります。
方法4:インチダウンという選択肢
スタッドレスタイヤを購入する際などに有効なのが「インチダウン」です。例えば、19インチのAMGラインに乗っている場合でも、冬用には18インチや17インチのホイールとタイヤのセットを選ぶことができます。インチが小さくなれば、タイヤとホイールの価格を大幅に抑えることが可能です。ただし、ブレーキキャリパーとの干渉など、装着できるサイズには制限があるため、必ず専門店に相談してから行いましょう。
グレード選びで維持費はこう変わる!「GLA 180」vs「GLA 200 d 4MATIC」
GLAを選ぶ際、ガソリンモデルの「GLA 180」とディーゼルモデルの「GLA 200 d 4MATIC」で悩む方は多いでしょう。維持費の観点から両者を比較してみます。
項目 | GLA 180 | GLA 200 d 4MATIC | 比較 |
---|---|---|---|
車両本体価格 | 599万円~ | 650万円~ | ディーゼルが約51万円高い |
自動車税 | 30,500円/年 | 36,000円/年 | ガソリンが5,500円安い |
燃料代 | 約14.8万円/年 | 約11.8万円/年 | ディーゼルが約3万円安い |
駆動方式 | FF | 4WD | ディーゼルは雪道などでの安定性が高い |
AdBlue® | 不要 | 必要 | ディーゼルは尿素水の補充が必要 |
結論として、年間走行距離が1.5万kmを超えるようなら、燃料代の安さでディーゼルモデルが車両価格の差を吸収し始めます。 また、トルクフルで力強い走りを求める方や、降雪地域にお住まいの方にも「GLA 200 d 4MATIC」は魅力的な選択肢です。一方で、街乗りがメインで初期費用を抑えたい方には「GLA 180」が適していると言えるでしょう。
ライバル車との維持費を比較!アウディ Q3、BMW X1と比べてどう?
GLAの購入を検討する際、必ず比較対象となるのが、同じドイツ御三家のコンパクトSUV、アウディ Q3とBMW X1です。これらの車種と維持費を比べた場合、大きな差は生まれるのでしょうか。
結論から言うと、税金、保険、車検費用といった基本的な維持費において、3車種に決定的な差はありません。 いずれも同クラスの輸入車であり、部品代や整備工賃も同水準です。
ただし、タイヤに関しては注意が必要です。BMW X1もランフラットタイヤを標準採用しているグレードが多く、GLAと同様にタイヤ代が高額になる傾向があります。一方で、アウディ Q3はノーマルタイヤが主流のため、タイヤ交換費用は比較的安く済む可能性があります。
最終的には、ブランドイメージやデザイン、走行性能の好みで選ぶことになりますが、タイヤの種類は維持費を考える上で一つの判断材料になるでしょう。
オーナーだからこそ語れるGLAの本当の魅力
ここまで維持費を中心にシビアな話をしてきましたが、それでも私がGLAに乗り続けているのは、それを上回る魅力があるからです。
- 唯一無二のデザイン: コンパクトながらもメルセデスらしい品格と、SUVらしい力強さを両立したデザインは、何度見ても飽きることがありません。特に夜間のアンビエントライトが彩るインテリアは、乗るたびに所有する喜びを感じさせてくれます。
- 取り回しの良さ: 全幅は1,835mmと少し広めですが、全長が短く最小回転半径も小さいため、街中の狭い道や駐車場でも想像以上に運転しやすいです。
- 高速安定性: 少し硬めに感じた足回りも、高速道路に入れば本領を発揮します。地面に吸い付くような安定感は、さすがメルセデス・ベンツ。長距離の移動でも全く疲れを感じさせません。
- 先進の安全性能: 「ハイ、メルセデス」でおなじみのMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)や、高精度な運転支援システムなど、最新のテクノロジーがもたらす安全性と快適性は、日々の運転に大きな安心感を与えてくれます。
これらの魅力は、日々の維持費の負担を補って余りあるものだと、私は感じています。
GLAが輝くライフスタイルとは?こんな人におすすめ!
では、どのような人がGLAを選ぶと幸せになれるのでしょうか。
- 独身またはカップルで、デザイン性を重視する方
- 主に街乗りだが、週末には高速道路を使ったドライブも楽しむ方
- 最新の安全装備や先進機能を重視する方
- メルセデス・ベンツというブランドに憧れがある方
- 維持費を計画的に管理できる、経済的な余裕がある方
逆に、大人数で乗る機会が多い方や、荷物を満載してアウトドアに出かけることが多い方、そして何よりも維持費の安さを最優先に考える方には、他の選択肢があるかもしれません。
購入前に絶対確認!試乗で見るべき3つのチェックポイント
最後に、GLAの購入を決める前に、必ず試乗でチェックしてほしいポイントを3つお伝えします。
- 乗り心地の確認: なるべく路面が荒れた道や段差を走らせてもらい、乗り心地の硬さが自分にとって許容範囲かを確認しましょう。可能であれば、標準サスペンションとAMGラインのサスペンションを乗り比べられるとベストです。
- DCTのフィーリング: ストップ&ゴーの多い市街地や、駐車時の微速後退などを試してみてください。DCTの独特のフィーリングが自分の運転スタイルに合うかを確認することが重要です。
- 後席と荷室の実用性: 実際に後席に座ってみたり、普段積む可能性のある荷物(ベビーカーやゴルフバッグなど)が積めるかを確認したりして、自分のライフスタイルに十分なスペースがあるかを見極めましょう。
まとめ
今回は、「ベンツGLAは購入後に後悔するのか」というテーマについて、維持費、特に高額になりがちなタイヤ代を中心に、オーナーの視点から徹底的に解説しました。
結論として、「ベンツGLAの維持費、特にタイヤ代は国産の同クラスSUVに比べて高額になる」というのは事実です。しかし、その理由を正しく理解し、タイヤの選び方や購入方法を工夫することで、負担を賢く軽減することは十分に可能です。
「後悔する」という声の多くは、購入前に抱いていたイメージと、購入後の現実(維持費、乗り心地、実用性など)との間にギャップが生じた結果生まれるものです。この記事で解説したリアルな情報をもとに、あなたがGLAに何を求めているのかを明確にし、試乗を通じてその特性をしっかりと確認すれば、購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔する可能性は限りなく低くなるでしょう。
ベンツGLAは、確かに手軽に維持できる車ではありません。しかし、それを上回るデザイン性、走行性能、そして所有する喜びを与えてくれる、非常に魅力的な一台であることもまた事実です。
噂に惑わされることなく、正しい知識を持って判断し、あなたにとって最高のカーライフの選択をしてください。