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フェラーリ

庶民がフェラーリを購入すると後悔すると言われる理由|駐車場などの注意点

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、「自分のようなごく普通の人間が、夢のフェラーリを手に入れたらどんな後悔が待っているのだろうか」という期待と不安が入り混じった気持ちでいるのではないでしょうか。

引用 : フェラーリ公式HP

私も実際に複数のフェラーリを所有し、夢の実現と同時に訪れる数々の現実に直面してきましたので、その気になる気持ちは痛いほどよくわかります。 夢のスーパーカーライフは、決して輝かしい側面だけではありません。

この記事を読み終える頃には、あなたがフェラーリを購入した際に起こりうる後悔の具体的な内容と、それらを乗り越えるためのヒントについての疑問が解決しているはずです。

記事のポイント

  • 誰もが直面する駐車場という名の巨大な壁
  • 車両価格以外にのしかかる衝撃的な維持費
  • 所有者を悩ませる盗難やいたずらの恐怖
  • 夢の代償として変化する周囲との人間関係
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フェラーリ購入で後悔する8つの現実的な理由

多くの人が憧れるフェラーリですが、そのオーナーになるということは、想像を絶する困難と向き合うことでもあります。 特に、一般的な収入の方が清水の舞台から飛び降りる覚悟で購入した場合、その現実はより一層厳しくのしかかってくるでしょう。

引用 : フェラーリ公式HP

私自身もオーナーとして経験してきた、そして多くのオーナーから相談を受けてきた「後悔」のポイントを、包み隠さずお話しします。 夢の実現の前に、まずは厳しい現実を知ることが、後悔しないための第一歩です。

自宅も出先も悩みの種「駐車場問題」

フェラーリを手に入れて最初に、そして最大の壁として立ちはだかるのが「駐車場問題」です。 これは自宅ガレージだけの話にとどまりません。 日常のあらゆるシーンで、あなたを悩ませることになるでしょう。

自宅駐車場に潜む落とし穴

「一軒家だから駐車場は大丈夫」と考えているなら、それは少し楽観的すぎるかもしれません。 フェラーリのボディサイズは、一般的な国産車とは全く異なります。

  • 全幅: 最新モデルの多くは全幅が2メートル近くあります。 これはドアミラーを含まない数値であり、実際に乗り降りするにはドアを大きく開けるスペースが必要です。 壁際にギリギリ停められたとしても、乗り降りのたびに体を細くして滑り込むことになるでしょう。
  • 最低地上高: フェラーリの魅力である低い車体は、駐車場の最大の敵です。 自宅の駐車スペースに入るまでの僅かなスロープや段差で、数百万はするフロントスポイラーを擦ってしまうリスクが常に付きまといます。 「フロントリフター」という車高を一時的に上げるオプションもありますが、それでも万能ではありません。
  • ドアの形状: 跳ね上げ式のドア(シザードア)はランボルギーニのイメージが強いですが、フェラーリもモデルによってはドアが長く、開閉角度が大きいため、狭い場所では全開にできません。

これらの問題をクリアできなければ、自宅に帰るたびに多大なストレスを感じることになります。

月極駐車場という選択肢の厳しさ

自宅に適切なガレージがない場合、月極駐車場を探すことになりますが、これもまた茨の道です。

まず、屋外の月極駐車場は論外です。 雨風にさらされるだけでなく、盗難やいたずらのリスクが飛躍的に高まります。 そうなると、必然的に屋内、できればシャッター付きのガレージを探すことになりますが、都心部では数が非常に少なく、見つかっても高額な賃料がかかります。 月々5万円~10万円、場所によってはそれ以上の出費を覚悟しなければなりません。

さらに、機械式駐車場は多くのフェラーリにとって鬼門です。 パレットのサイズ制限(特に幅と重量)、そして最低地上高の問題で、入庫を断られるケースがほとんどです。 「入庫可能」とされていても、操作ミスでホイールを傷つけたり、車体を擦ったりするリスクはゼロではありません。

外出先での絶望感

コンビニ、スーパー、商業施設の駐車場。 ごく当たり前のこれらの場所が、フェラーリオーナーにとってはストレスの源泉に変わります。

多くの駐車場は、国産のコンパクトカーやミニバンを基準に設計されています。 そこに幅広で車高の低いフェラーリを停めるのは至難の業です。 隣の車にドアをぶつけられないよう、端のスペースを探し回る。 輪留めにフロントスポイラーが当たらないか、何度も確認する。 たった数分の買い物のために、これほどの気苦労が伴うのです。

結果として、フェラーリでの外出は「駐車場が確保されている場所にしか行けない」という制約が生まれ、次第に乗るのが億劫になってしまうオーナーは少なくありません。

車両価格は序章にすぎない「維持費」という名の怪物

「なんとか車両代は用意できた」。 しかし、それはフェラーリライフのスタートラインに立ったに過ぎません。 本当の戦いは、購入後に始まる「維持費」との戦いです。 一般的な車とは比較にならないコストが、あなたの家計に重くのしかかります。

税金・保険料

まず、避けて通れないのが税金と保険料です。

費用項目 年間費用の目安(モデルによる) 備考
自動車税 約66,500円~111,000円 排気量に応じて変動
自動車重量税 約15,000円~25,000円 車検時に2年分を納付
任意保険料 300,000円~500,000円以上 車両保険の有無、年齢、等級で大きく変動

特筆すべきは任意保険料です。 車両価格が高額なため、盗難や事故のリスクに備えて車両保険に加入するのは必須と言えます。 しかし、その保険料は非常に高額。 保険会社によっては加入を断られるケースさえあります。 年間の保険料だけで、中古の軽自動車が買えてしまうほどの金額になることも珍しくありません。

メンテナンス・消耗品費

フェラーリの性能を維持するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。 その費用もまた、庶民の金銭感覚を麻痺させます。

  • エンジンオイル交換: 1回の交換で10万円前後。 高性能エンジンを保護するため、指定された高級オイルを使用し、交換作業も専門知識が必要です。
  • タイヤ交換: 4本交換で40万円~60万円。 ハイパフォーマンスな走りを支えるタイヤは特殊なサイズで高価な上、その性能ゆえに摩耗も早い傾向にあります。
  • 車検費用: ディーラーでの基本料金だけで30万円以上。 ここに消耗品の交換が加われば、50万円、100万円と膨れ上がっていく可能性があります。

燃料代

燃費を気にして乗る車ではありませんが、現実問題として燃料代も大きな負担となります。 市街地走行ではリッターあたり3~5kmが当たり前。 しかも燃料はハイオク指定です。 少しドライブに出かけるだけで、数万円のガソリン代が消えていくことを覚悟しなければなりません。

これらの維持費は、年間で100万円を優に超え、何らかのトラブルがあれば200万円、300万円に達することもあります。 「車のために働いている」という状況に陥り、後悔するオーナーは後を絶ちません。

眠れない夜が続く「盗難・いたずらのリスク」

フェラーリを所有することは、常に「狙われる」というリスクと隣り合わせであるということです。 これは精神的に非常に大きな負担となります。

自宅のガレージに停めていても、プロの窃盗団にかかればシャッターなど簡単に破られてしまいます。 外出先では、物珍しさから車体をベタベタ触られたり、心無い人間によって傷をつけられたりする「10円パンチ」のような被害に遭う可能性もゼロではありません。

「どこかで見られているかもしれない」 「朝起きたら車がなくなっているかもしれない」

こうした不安が常に頭をよぎり、心から休まる日がなくなってしまいます。 最新のセキュリティシステムを導入し、高額な車両保険に加入しても、その不安を完全に拭い去ることはできません。 愛車を失う恐怖と、人を信じられなくなるストレスは、想像以上にオーナーの心を蝕んでいきます。

称賛と嫉妬の狭間で「周囲の目・人間関係」

フェラーリは、良くも悪くも人の注目を集める車です。 その存在は、あなたの周囲の人間関係に微妙な、しかし確実な変化をもたらします。

街を走れば、多くの人が振り返り、スマートフォンを向けてくるでしょう。 子供たちは目を輝かせ、車好きからは称賛の声をかけられるかもしれません。 それはオーナーとしての優越感を満たしてくれる瞬間です。

しかし、光が強ければ影もまた濃くなります。 すべての視線が好意的なものとは限りません。 中には、嫉妬や妬みの感情を向けてくる人もいるでしょう。

  • ご近所トラブル: 早朝や深夜のエンジン始動音は、静かな住宅街では騒音と捉えられかねません。 「あの家は派手で感じが悪い」といった陰口を叩かれ、ご近所付き合いがギクシャクする可能性があります。
  • 友人関係の変化: これまで対等だった友人との間に、見えない壁が生まれることがあります。 あなたの成功を妬み、距離を置かれたり、逆にお金目当てで近づいてくる人が現れたりすることも。
  • あらぬ噂: 「何か悪い仕事をしているのではないか」といった根も葉もない噂を立てられることもあります。

フェラーリを手に入れたことで、これまで築いてきた大切な人間関係を失ってしまう。 これは、お金では解決できない、非常に根深い後悔のポイントです。

日常が非日常になる「運転のしづらさ・実用性の低さ」

スーパーカーであるフェラーリは、サーキットのような非日常の空間でその真価を発揮するよう設計されています。 それを日本の日常的な道路で走らせることには、多くの困難が伴います。

運転のストレス

  • 視界の悪さ: 低い着座位置と独特のデザインにより、特に後方や斜め後ろの視界は絶望的です。 車線変更や駐車の際には、国産車では考えられないほどの緊張を強いられます。
  • 車幅感覚: 2メートル近い車幅は、狭い路地や対向車とのすれ違いで常に気を使います。 縁石にホイールを擦らないか、ミラーをぶつけないか、冷や汗をかく場面は一度や二度ではありません。
  • 有り余るパワー: 数百馬力を発生するエンジンは、アクセルを少し踏んだだけで法定速度に達してしまいます。 その性能を日本の公道で解放できる場所は皆無に等しく、常にパワーを持て余しているフラストレーションを感じることになるでしょう。

実用性の欠如

  • 積載能力: 荷物を置くスペースは、ほぼありません。 フロントにある小さなトランクには、小さなバッグが一つ入る程度。 ゴルフバッグはもちろん、スーパーでの買い物袋を置く場所にも困ります。
  • 同乗者への配慮: 2シーターモデルがほとんどで、家族や友人を乗せる機会は限られます。 また、乗り降りのしにくさや、硬い乗り心地、轟くエンジン音は、車好きでない同乗者にとっては苦痛でしかありません。

「せっかく買ったのに、乗るのが億劫」「どこにも行けない」という状態に陥り、高価なオブジェと化してしまうケースは非常に多いのです。

覚悟していても襲い来る「故障のリスクと修理費用」

「イタリア車は壊れやすい」という言葉は、もはや過去のものとなりつつあります。 近年のフェラーリの信頼性は飛躍的に向上しました。 しかし、それは「全く壊れない」という意味ではありません。 そして、一度トラブルが発生した際のダメージは、国産車の比ではありません。

電子制御が複雑化している現代のフェラーリは、原因不明の警告灯が点灯することも稀にあります。 その診断をしてもらうだけでも、専門のテスターが必要となり高額な費用がかかります。

そして、万が一、エンジンやトランスミッションといった主要機関にトラブルが発生した場合、その修理費用は数百万円に達することも覚悟しなければなりません。 部品一つひとつの価格が桁違いに高く、本国イタリアからの取り寄せとなれば数ヶ月待たされることもあります。 たった一つの故障が、あなたのフェラーリライフを、そしてあなたの人生設計そのものを狂わせてしまう可能性があるのです。

ドライバーは官能的、同乗者は苦痛「乗り心地の問題」

フェラーリの魅力の一つに、路面の状況をダイレクトに伝えるレーシーな乗り心地があります。 しかし、これはドライバーにとっては官能的でも、同乗者にとっては単なる「乗り心地が悪い車」でしかありません。

硬く締め上げられたサスペンションは、僅かな路面の凹凸でも拾ってしまい、車内は常に揺さぶられます。 体にフィットするよう設計されたバケットシートも、長距離移動では窮屈に感じるでしょう。 そして、背後から響き渡るエンジンサウンドは、数十分もすれば轟音のノイズに変わります。

「妻や恋人を乗せて優雅なドライブ」を夢見ているのであれば、その夢は打ち砕かれるかもしれません。 「もう二度と乗りたくない」と言われてしまい、一人でしか乗れない孤独なスーパーカーになってしまう可能性も十分にあります。

資産価値という幻想「リセールバリューの罠」

「フェラーリはリセールバリューが高いから、資産としても価値がある」という話を聞いたことがあるかもしれません。 確かに、限定モデルや希少なクラシックモデルは、購入時よりも高値で取引されることがあります。

しかし、それはごく一部のモデルに限った話です。 多くの量産モデルは、他の高級車と同様に年式や走行距離に応じて価値が下がっていきます。 特に、人気のボディカラーでなかったり、オプションが少なかったり、整備記録が不十分だったりすると、市場での評価は大きく下がります。

「いざとなれば売ればいい」と安易に考えていると、思ったような価格で売れず、ローンだけが残ってしまうという最悪の事態も考えられます。 購入時の出口戦略、つまり売却時のことまで考えておかなければ、手放す時にも後悔することになるのです。

後悔しないために!フェラーリ購入前に知るべき知識

ここまで、フェラーリを所有することで起こりうる後悔のポイントを赤裸々にお話ししてきました。 しかし、これらの困難は、適切な知識と準備があれば乗り越えることが可能です。 夢を夢で終わらせないために、そして手に入れた後に心から楽しむために、購入前に必ず押さえておくべきポイントを解説します。

引用 : フェラーリ公式HP

あなたの駐車場に入る?主要モデルサイズ比較

まずは、物理的に駐車が可能かどうかを確認することが絶対条件です。 ここでは、中古市場でも人気の高いモデルを中心に、そのサイズ感を比較してみましょう。 ご自身の駐車スペースの寸法を正確に測り、シミュレーションしてみてください。

モデル名 全長 全幅 全高 ホイールベース 備考
F355 4,250 mm 1,900 mm 1,170 mm 2,450 mm 比較的コンパクトだが幅は広い
360モデナ 4,490 mm 1,925 mm 1,215 mm 2,600 mm 現代的なサイズの基準となるモデル
F430 4,512 mm 1,923 mm 1,214 mm 2,600 mm 360モデナとほぼ同サイズ
458イタリア 4,527 mm 1,937 mm 1,213 mm 2,650 mm さらにワイド&ローに
488GTB 4,568 mm 1,952 mm 1,213 mm 2,650 mm 全幅1,950mm超え
F8トリブート 4,611 mm 1,979 mm 1,206 mm 2,650 mm 全幅はついに2mに迫る
ローマ 4,656 mm 1,974 mm 1,301 mm 2,670 mm 優雅なGTだがサイズは大きい
カリフォルニア 4,563 mm 1,902 mm 1,308 mm 2,670 mm 初心者向けと言われるが幅は1.9m超

※数値はモデルイヤー等により若干異なる場合があります。

この表を見てわかるように、新しいモデルになるほど車体は大きく、特に全幅が拡大している傾向にあります。 メジャーで駐車場の幅を測り、「1,950mmか、うちの駐車場は2,500mmあるから大丈夫」と判断するのは早計です。 ドアを開けるスペース、乗り降りする人間のスペースを考慮すると、最低でも全幅+80cm~100cmの余裕は欲しいところです。

理想の駐車環境とは?チェックリスト

後悔しないための理想の駐車環境とはどのようなものでしょうか。 以下のチェックリストを参考に、ご自身の環境を評価してみてください。 すべてをクリアするのは難しいかもしれませんが、一つでも多くの項目を満たすことが、安心なフェラーリライフに繋がります。

  • [ ] 完全屋内であるか? (雨風や紫外線からボディを守る)
  • [ ] シャッター付きであるか? (セキュリティレベルを格段に上げる)
  • [ ] 平置きの駐車場であるか? (機械式はリスクが高い)
  • [ ] 駐車スペースに十分な広さがあるか? (幅・奥行き・高さ)
  • [ ] 駐車スペースまでのアプローチに段差や急な傾斜はないか?
  • [ ] セキュリティカメラや人感センサーライトが設置されているか?
  • [ ] 自宅から目の届く場所にあるか? (心理的な安心感)
  • [ ] 賃料は家計を圧迫しない範囲か? (月極の場合)

愛車を守るための具体的な盗難対策

駐車場環境を整えることに加え、車両そのものへのセキュリティ対策も必須です。 複数の対策を組み合わせることで、盗難のリスクを大幅に減らすことができます。

物理的な防犯対策

  • ハンドルロック: プロの窃盗団には時間稼ぎにしかならないかもしれませんが、視覚的な効果が高く、衝動的な犯行を抑止する効果が期待できます。
  • タイヤロック: ホイールを固定し、自走での盗難を困難にします。 取り付け・取り外しに手間はかかりますが、その分防犯効果は高いと言えます。

電子的な防犯対策

  • GPSトラッカー: 万が一盗難に遭った場合でも、車両の位置を追跡することができます。 犯人が見つけにくい場所に設置するのがポイントです。
  • イモビライザー: 純正でも装備されていますが、より強固な社外製のセキュリティシステムと連動させることで、不正なエンジン始動を防ぎます。
  • カーセキュリティシステム: 衝撃や傾斜を検知して大音量のサイレンを鳴らし、異常をオーナーのスマートフォンに通知する機能などがあります。 信頼できるプロショップで、車種の特性を理解した上で取り付けてもらうことが重要です。

これらの対策には数十万円の費用がかかりますが、数千万円の愛車を守るための「保険」と考えれば、決して高い投資ではないはずです。

【年収別】フェラーリオーナーになるための現実的シミュレーション

「結局、年収がいくらあればフェラーリに乗れるのか?」これは誰もが気になるポイントでしょう。 一概には言えませんが、ここでは中古の「360モデナ(車両価格1,000万円)」をフルローンで購入した場合の、大まかなシミュレーションをしてみます。

年収 500万円 800万円 1,500万円 2,000万円以上
ローン返済(月額) 約10万円 約10万円 約10万円 約10万円
年間維持費(月割) 約10万円 約10万円 約10万円 約10万円
月々の負担合計 約20万円 約20万円 約20万円 約20万円
手取り月収(目安) 約32万円 約50万円 約85万円 約110万円
家計への影響度 破綻レベル 非常に厳しい 厳しい 検討の余地あり

※ローン金利3%、120回払い、年間維持費120万円で計算。 あくまで簡易的なシミュレーションです。

この表からわかるように、仮にローン審査が通ったとしても、年収800万円クラスでは、手取りの多くがフェラーリに消えていく計算になります。 生活のすべてを犠牲にする覚悟がなければ、維持は不可能でしょう。

現実的に、ある程度の余裕を持ってフェラーリライフを楽しむためには、 最低でも年収1,500万円 、安心して乗りたいのであれば 年収2,000万円以上 が一つの目安になると私は考えています。 もちろん、これは個人のライフスタイルや家族構成によって大きく異なります。 重要なのは、背伸びをしすぎず、ご自身の経済状況を冷静に分析することです。

それでも乗りたい!フェラーリオーナーになって良かったこと

ここまで厳しい現実ばかりをお伝えしてきましたが、もちろんフェラーリを所有することは、それを補って余りある素晴らしい体験をもたらしてくれます。

引用 : フェラーリ公式HP

後悔の話だけではフェアではありませんので、私自身がオーナーとして感じている喜びもお話しさせてください。

  • 圧倒的なドライビングプレジャー: 理屈抜きの楽しさがそこにはあります。 背後から響く官能的なエンジンサウンド、シャープなハンドリング、どこまでも加速していくかのような感覚。 日常のストレスがすべて吹き飛ぶような、特別な時間を過ごすことができます。
  • 所有する満足感: ガレージに佇む美しいフェラーリを眺めているだけで、満たされた気持ちになります。 洗車をしてボディを磨き上げる時間もまた、オーナーだけが味わえる至福のひとときです。
  • 新たな人との出会い: フェラーリという共通の趣味を通じて、年齢や職業を超えた多くの仲間と出会うことができました。 ツーリングに出かけたり、情報交換をしたり、人生がより豊かになったと感じています。
  • 仕事へのモチベーション: 「この車に乗り続けるために頑張ろう」という気持ちが、仕事への大きなモチベーションに繋がります。 フェラーリは、私にとって単なる移動手段ではなく、人生を前に進めるためのパートナーのような存在です。

これらの喜びは、これまでお話ししてきた多くの困難を乗り越えた先に待っている、最高の報酬なのです。

ローンや保険の専門知識

フェラーリのような高額車両を購入する際には、ローンや保険にも専門的な知識が必要です。

ローンについて

ディーラーが提携している信販会社のほか、金融機関によってはスーパーカー専門のローンを用意している場合があります。 金利だけでなく、繰り上げ返済の可否や、残価設定の有無など、条件をよく比較検討することが重要です。 特に中古車の場合は、車両の状態や年式によってローン審査が厳しくなる傾向があることも覚えておきましょう。

保険について

前述の通り、任意保険は非常に高額になります。 保険会社を選ぶ際には、保険料だけでなく、事故対応の質や、修理の際に正規ディーラーや専門工場への入庫が認められるかといった点も確認が必要です。 また、車両保険の補償額が、実際の市場価格に見合っているかもしっかりとチェックしましょう。 インターネット経由の一括見積もりでは対応できないケースも多いため、高額車両の取り扱いに慣れた保険代理店に相談するのが賢明です。

どこで買う?信頼できる販売店・整備工場の選び方

フェラーリはどこで買っても同じ、というわけではありません。 購入後のカーライフを大きく左右する、最も重要な選択と言っても過言ではないでしょう。

正規ディーラー

  • メリット: メーカーの保証が付帯し、最新の設備と専門知識を持ったメカニックによる質の高いサービスが受けられる。 限定車の情報なども得やすい。
  • デメリット: 車両価格、整備費用ともに最も高額になる。

新車や高年式の認定中古車を検討している場合、安心感という面で正規ディーラーは最良の選択肢です。

専門ショップ(並行輸入店・整備工場)

  • メリット: 正規ディーラーでは扱っていない希少なモデルや、比較的リーズナブルな価格の中古車が見つかる可能性がある。 整備費用もディーラーより安価な場合が多い。
  • デメリット: ショップによって技術力や知識に大きな差がある。 購入後の保証が手薄な場合もあるため、見極めが非常に重要。

専門ショップを選ぶ際は、そのショップが特定のモデルに精通しているか、長年の実績があるか、購入後のサポート体制は万全かなどを入念にリサーチする必要があります。 口コミや評判を参考にし、実際に店舗に足を運んで、スタッフの対応や工場の様子を自分の目で確かめることが不可欠です。

まとめ

今回は、「庶民がフェラーリを購入すると後悔する」と言われる理由について、駐車場問題や維持費といった現実的な側面から深く掘り下げてきました。

夢のフェラーリライフは、決してきらびやかなことばかりではありません。 高額な維持費、駐車場の確保、盗難のリスク、そして周囲との関係性の変化など、乗り越えなければならない壁は数多く存在します。 軽い気持ちで手を出すと、その現実に打ちのめされ、後悔だけが残ってしまう可能性は非常に高いでしょう。

しかし、これらの困難を事前に理解し、十分な準備と覚悟を持って臨むのであれば、話は別です。 フェラーリは、それを所有し、乗りこなすに値するオーナーに、何物にも代えがたい喜びと人生の彩りを与えてくれます。

この記事が、あなたの夢への第一歩を、後悔ではなく最高の満足へと導くための一助となれば幸いです。 冷静に、そして情熱的に、ご自身のカーライフプランを練り上げてみてください。 その先に、きっと素晴らしい跳ね馬との生活が待っているはずです。

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